2013/07/09

ウスバアゲハ♂が羽化直後に蛹便を排泄



2013年5月下旬・室温20℃

ウスバアゲハ♂の飼育記録7

完全変態を行う昆虫の羽化した成虫は翅が伸び切った後で余分な体液を蛹便(羽化液)として排泄します。
ウスバアゲハ♂(旧名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)でその瞬間をなんとか動画に記録したいと思ったのですが、果たせませんでした。
気づいたらいつの間にか下の台に白っぽい液体が滴り落ちていました。

次は翅が乾いてから初飛行に飛び立つ瞬間を狙って撮影したかったのですけど、これも失敗。
翅を全開にして身繕いしたり歩き回ったりするのに、待てど暮らせどなかなか飛んでくれません。
気紛れな生き物を相手にすると難しいですね。
最後は窓から外に飛んで行きました。(映像なし)

逃がす前にうっかり前翅長を測り忘れたのは痛い失態です…。
それでも終齢幼虫から成虫まで無事に育ってくれて、ほっとしました。

完全変態を目の当たりにする度に感動しますね。

シリーズ完。


蛹便(羽化液)

羽化殻と空繭

クロバナヒキオコシの茎を吸汁するクサギカメムシ幼虫



2013年6月上旬

クロバナヒキオコシの群落で、茎に取り付いて吸汁しているカメムシが居ました。
接写してみると、茎の中央に口針を垂直に突き刺しています。

カメムシの「口針は口吻の先端から突き出せるようになっている。口吻は口針が摂食対象の内部に刺さっていくに従って折れ曲がったり蛇腹状に縮んだりして、口針をより長く突出できるようになっている。(wikipediaより)」
シソ科の茎の断面は四角形(正方形)をしているのですが、吸汁していた茎の幅は約5mm。
カメムシそのものは未採集、未採寸。
クサギカメムシHalyomorpha halys)の幼虫だと思うのですけど、もし間違っていたらご指摘願います。


【追記】
クチブトカメムシ幼虫の可能性は?(ソース1ソース2





2013/07/08

ウスバアゲハ♂の羽化【10倍速映像】



2013年5月下旬・室温17℃

ウスバアゲハ♂の飼育記録6

ウスバアゲハ(旧名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が蛹化してから10日後。
早朝に容器を覗いてみると、待望の成虫が薄い繭を破って脱出していることに気づきました。
未だ短翅の状態で容器の底にひっくり返ったまま起き上がれず、仰向けに倒れていました。
羽化に備えて容器内に止まり木を用意したのに滑落した模様。
(枯葉などを敷き詰めておくべきでした。)
未だ蛹便(羽化液)を排泄していないので、これから翅が伸展するはずです。
割り箸を差し出すとしがみ付いて登り始めたので一安心。
翅を伸ばす場所を求めて落ち着かなく歩き回ります。
ようやくウスバサイシンの葉にしがみつくと落ち着きました。

これまで何種類かの蝶を室内飼育で羽化させてきましたけど、今回は翅伸展がなかなか始まらないことが少々意外でした。
繭から脱出してX分後には翅が固まってしまう、という単純なプログラムではないようです。
羽化不全の事故を防ぐために、安心して翅を伸ばせる止まり木を見つけるまではスイッチが入らない仕組みがあるのでしょう。

みるみる翅が広がる様子を10倍速の早回し映像でご覧下さい。
蝶の重みでウスバサイシンの葉が少しずつ垂れ下がってきます。
後半は朝日を浴びながら、伸び切った翅の開閉や口吻の伸縮が見られます。
(蝶の口吻は羽化の際に左右2本の管が合わさって1本の管になります。)

羽化したウスバアゲハ成虫は♂でした。

・雌雄の区別:♀は毛が少ない。(『ヤマケイポケットガイド9:チョウ・ガ』p24より) 
・♂は体の背面に軟毛を密生するが、♀では毛が少なくほとんど裸で、また交尾後の♀は腹端に受胎嚢をつける。(保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』p13より)

つづく→蛹便(羽化液)の排泄

羽化前日の繭と蛹









ランダムに記事を読む