2013/06/25

飛べ!イタヤハマキチョッキリ♀【ハイスピード動画】



2013年5月中旬

イタヤハマキチョッキリ♀の飼育記録2

飼育中のイタヤハマキチョッキリ♀(Byctiscus venustus)が飛び立つ瞬間を240fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
離陸直前は前脚・中足を両方上げて万歳のような姿勢になります。
鞘翅を広げ、折り畳まれた後翅をピンと伸ばすと、力強く羽ばたいて離陸します。
どうやら必ず明るい窓に向かって飛び立つようです(正の走光性)。

頻繁に何度も飛翔実験を繰り返すと、疲れたのか後翅をしっかり折り畳んで格納できなくなりました。
それとともに飛行性能も落ちて上手く飛べなくなりました。
しっかり休息すれば回復します。

つづく→「イタヤハマキチョッキリの揺籃を分解してみる


繭の中で蠕動するウスバアゲハ♂蛹



2013年5月中旬・室温20℃

ウスバアゲハ♂の飼育記録5

前日に繭を紡いだウスバアゲハ(旧名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)幼虫が薄い繭の中で脱皮して蛹化しているのに朝気づきました。
せっかく繭の中が透けて見えるのに、微速度撮影で変化を記録すればよかったですね。

繭が少しだけ蠕動していましたが、すぐに動きが止まりました。

本種はアゲハチョウ科にしては珍しく繭を作ってその中で蛹化します。
形態的にウスバアゲハを含むParnassius属は原始的な特徴を残している種らしいので、繭を紡ぐという性質も原始的な行動と言えるのかもしれません。
コストのかかる絹糸をなるべく節約して蛹化する方向に進化したのでしょう。
他のアゲハチョウは帯蛹と言って腹端を足場糸で固定し、次に絹糸の輪を作って上半身を固定するだけです。
帯蛹は糸の使い方が洗練されている反面、蛹が天敵に捕食されたり寄生されたりするリスクは高くなりそうです。
また、ウスバアゲハは北方系の種類らしいので、蛹を保温するために繭を作り続ける道を選んだのかもしれません。

つづく→羽化



2013/06/24

モミジの葉を食すイタヤハマキチョッキリ♀



2013年5月中旬

イタヤハマキチョッキリ♀の飼育記録1

前日にモミジの葉で揺籃を作製中に採集してきたイタヤハマキチョッキリ♀(Byctiscus venustus)です。
未完の揺籃と一緒に採取してきたヤマモミジ?の上で歩き回り、何やら葉を裁断していました。
てっきりまた揺籃を作り始めたのかと思いきや、ただの食事でした。
口元を接写すると、長い口吻の先で左右に開閉する大顎が見えます。
モミジの葉には虫食い穴(食痕)が残ります。

室内の自然光だとやや暗いのですが、照明をつけると走光性により飛び立ちそうで画質が多少粗くなっても我慢しました。
映像編集時に自動色調補正を施してあります。

それでも、風がない室内はストレス無く楽に接写できます♪

ところでこのチョッキリ♀の正体は本当にイタヤハマキチョッキリとして大丈夫でしょうか?
体長は〜7.5mmと類似のファウストハマキチョッキリにしては大型です。
口吻の側面を接写すると、素人目には「触角付着点の基部が盛り上がっている」ように見えます。
これはファウストハマキチョッキリの特徴なので悩んでいます。
揺籃の形状からはイタヤハマキチョッキリになります。
以上から総合してイタヤハマキチョッキリ♀と判断しました。


参考:『オトシブミハンドブック』

つづく→「飛べ!イタヤハマキチョッキリ♀【ハイスピード動画】




体長〜7.5mm

口吻側面(触角付着点の基部が盛り上がっている?)


食痕

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