2013/05/27

タヌキの溜め糞で婚活するクロボシヒラタシデムシの群れ



2013年4月下旬

里山の細い尾根道に新鮮なタヌキの溜め糞が二山並んでありました。
多数のクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)が溜め糞に集まっています。
交尾中のペアや糞食している個体も居ます。
こんな早春から出るということは、成虫越冬なのだろうか?
それとも蛹から羽化したばかりなのかな?

関連記事→「クロボシヒラタシデムシ♂は交尾中♀の触角を噛む性癖がある

溜め糞を舞台にした糞虫の動きを長時間かけて微速度撮影してみれば面白そうです。
しかし生憎この日は三脚を持って来るのを忘れてしまいました。
後日、再訪したらこの溜め糞はサインポストとして最早タヌキに使われていないようで分解が進み、クロボシヒラタシデムシの姿もありませんでした。
やはりフィールドでは一期一会の撮影チャンスを確実に仕留めないといけませんね。



【追記】
岸本真弓『タヌキが糞をためる理由』によると、山で見つかる溜め糞は
経験的にいえば、地形的には山の斜面よりも尾根の上、緩い鞍部になっているところ、急な上りあるいは急な下りの後のほっとする平坦なところなどに多いと感じています。尾根上でも傾斜がきついところより緩いところでたくさんのタメ糞が見つかるのです。それに、下層植生が繁茂しているところよりも、糞をするときにタヌキの体がほかのものに接しないほどにすいたところのほうが多いように思います。 (動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇』p171-172より引用)
確かに、私がこのとき尾根道で見つけた溜め糞の場所はこの記述通りでした。





2013/05/26

カケス(野鳥)の警戒声♪を声紋解析してみる



2013年4月下旬

谷川の近くでカケスGarrulus glandarius)がスギの枝に止まっていました。
「ジェー、ジェー♪」と2回鳴いてから飛んで逃げました。
警戒心の強いカケスをこれだけ至近距離から隠し撮りできたのは初めてでした。



カケスの警戒声を声紋解析してみる
近くを流れる谷川の水音が混入していますが、試しに2回鳴いた警戒声を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
どうやらダミ声はきれいな声紋にならないようです。




2013/05/25

フキノトウに訪花吸蜜するヒメハナバチの一種♂(Andrena sp.)



2013年4月下旬

里山でフキノトウに訪花する小さな蜂を撮りました。
体中が白い花粉にまみれています。
接写してみると、集合花の上を歩き回りながら顔を突っ込んで花蜜を舐めているようです。
口吻はよく見えません。
体中にこれだけ花粉が付着しているのに花粉籠に
集粉する様子がないので、♂なのだろうか?
触角が長い気がしますけど、ニッポンヒゲナガハナバチ♂ほどではありません。
撮影後に身繕いを始めたのですが、飛び立つ前に採集を優先しました。
付着した花粉をどのように取り除くか、見届けるべきだったかな…。





標本:側面@方眼紙

標本:背面@方眼紙

標本:左翅@方眼紙

標本:左前翅@方眼紙

標本:左後翅@方眼紙

標本:顔@方眼紙

標本:触角@方眼紙

標本:腹部下面@方眼紙

標本:腹背@方眼紙
花粉で汚れた蜂の標本をクリーニングする方法を知らないので、せっかく採集しても同定できそうにありません。
せめて科名だけでも知りたいところです。
前翅の基脈が屈曲しないことから、コハナバチ科でないことは私にも分かりました。

【追記】
いつもお世話になっている「蜂が好きBBS」に投稿して問い合わせたところ、青蜂@管理人さんより以下の回答を頂きました。
写真のハチはヒメハナバチの仲間(Andrena sp.)で、触角が長く見えるのはオスだからでしょう。オスなので蜜を求めて花粉まみれになっているだけです(花粉を集めるのはメスだけ)。標本の花粉除去ですが、筆を使うとよいと思います。蜜などで濡れてしまったり、汚れてしまった場合は、70%位のエチルアルコール(エタノール)で洗うとよいでしょう。乾燥して硬くなってしまった個体は、熱湯に入れると柔らかくなります。蜜と花粉でベトベトになった個体もお湯ですっかりきれいになります。ヨレヨレになった翅もきれいに伸びます!その後は、70%位のエタノールに入れて余分な水分をとり、取り出してティッシュで押さえながら水分をとってください。このままでは体表の毛が寝てしまっているので、筆で逆撫でして毛を起こしてください。これでほとんど元通りになります。



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