ラベル スローモーション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル スローモーション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018/07/30

ホウチャクソウの花で吸蜜するトラマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月中旬

里山の山道沿いに咲いたホウチャクソウの群落でトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)が訪花していました。
創設女王なのか、それともワーカー♀なのか、微妙な時期です。
少なくとも2匹が来ていました。(複数個体を撮影)
ホウチャクソウの白い花から花へ忙しなく飛び回り、毎回、花筒の入口から潜り込んで正当訪花しています。
それなのに、後脚の花粉籠は空荷でした。
(足先に黄色い花粉を少量付けた個体がいました。)
白い花筒の中で黒くて長い舌を伸縮させて吸蜜する様子が薄い花弁を通して透けて見えることがあります。(@1:33〜1:44)

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:09〜)
スーパースローで見ると、トラマルハナバチ♀は花にぶら下がり吸蜜しながらゆっくり回転しています。
複数の蜜腺を探り当てながら順に吸蜜しているのでしょう。
体に付いていた花粉がたまに落ちる様子もスローモーションだと無駄にドラマチックで見応えがあります。
花から飛び去る時も長い舌を伸ばしたままでした。
次の花に着地する瞬間を撮ろうとして、苦労しました。
群落で次はこの花に来るであろうと待ち構えて撮り始めても予想が何度も外れ、ようやく成功!


▼関連記事(10年前に撮った動画はやはり画質が見劣りしますね。)
トラマルハナバチ♀がホウチャクソウを訪花


トラマルハナバチ♀@ホウチャクソウ訪花吸蜜
トラマルハナバチ♀@ホウチャクソウ訪花吸蜜

2018/07/28

「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#1【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】



2018年6月下旬・午後16:01〜16:21・くもり・気温30℃→29℃

暑中見舞い申し上げます。
酷暑が続くので、予定を変更してカラスの納涼動画を紹介します。

夕方の川でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の群れが集まり、水浴していました。
普段私のフィールドでは北方系のハシボソガラスが優占種なので、これほど多数のハシブトガラスを見たのは、これが初めてかもしれません。
この映像にはハシボソガラスも少し登場しますが、ハシブトガラスが近くに居る間は少し遠慮しているような印象を受けました。
河原に散開した群れのどの個体を撮るべきか、目移りしてしまいました。

「カラスの行水」と言えば、短い水浴(入浴)を表す有名な慣用句です。

○烏の行水ぎようずい
入浴をあわててすますこと、また、入浴時間の短いことのたとえ。(『広辞苑・第5版』より引用)
烏の行水ギヨウズイ〔=カラスの水浴びのように、入ったかと思うとすぐ出る入浴の仕方〕 (『新明解国語辞典・第5版』より引用)
からすのぎょうずい【烏の行水】
《慣用句・ことわざなど》〔からすが水浴びをするときのようすから〕入浴している時間が短いことのたとえ。 (『Super日本語大辞典』より引用)

しかし、実際の水浴行動は決して短時間ではなくて、何度も念入りに行うことが分かりました。
この日は暑かったせいでしょうか?(撮影時の気温は、30℃→29℃)



今回観察したハシブトガラスの行水の作法は次の通りです。
川岸近くの浅い所に歩いて入ると、水面に嘴を差し込んで首を左右に激しく回し、顔を濡らします。
次は、それと同時に翼を水面に強く叩きつけるようになり、バシャバシャと水を跳ね上げて体を濡らします。
見ているだけで気持ちよさそうです。
全身を濡らしたいのならもっと川の深い所に入って行ってザブンと水に潜れば手っ取り早いと思うのですが、泳ぐことはありませんでした。
水浴が一段落するとピョンと跳んで近くの岩に上がり、大きく身震いして羽の水を切り、濡れた羽根を嘴で手入れします。
(飲水→)水浴→身震い、水切り→羽繕いと順番にやる行動が1セットらしく、このルーチンを何度も繰り返していました。
せっかく羽繕いまでしたのに、どうして再び水浴するのか、ちょっと不思議です。
ちなみに、「〔水にぬれたからすの羽のように〕黒くてつやつやした色」のことを「濡れ羽色」(ぬればいろ)と言います。

動物の水浴び行動と言えば、ハイスピード動画が活躍する絶好の題材です。
240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@2:39〜)
躍動するカラスと水飛沫をスーパースローで堪能して下さい。
水浴の他にも華麗な跳躍や飛び立つ瞬間がハイスピード動画で撮れており、なかなか見応えがあります。(自画自賛♪)
水浴びする前に、先ず川の水を飲む個体もいました。(@5:30)
さっぱりしたカラスは川から飛び去りました。
羽根が水を含んで重くなったはずですが、普通に飛び立てるようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
ハイスピード動画のスローモーションでは、ただでさえ長くなるので、羽繕いシーンを編集でカットしました。

この日は一脚が大活躍しました。
重い望遠レンズを装着し最大ズームでハイスピード動画を撮っても手ブレがかなり抑えられ、長時間の撮影でも疲れにくいです。
(ハイスピード動画撮影時は、カメラ内蔵の手ブレ補正機能がオフになってしまいます。)
三脚よりも一脚の方が、被写体の急な動きにも対応しやすいです。



つづく→#2

ハシブトガラス(野鳥)@川+水浴
ハシブトガラス2(野鳥)@川+水浴

2018/07/24

ウワミズザクラの花で吸蜜ホバリングするビロウドツリアブ【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月中旬

里山の山腹で満開に咲いたウワミズザクラの大木でビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が何匹も訪花していました。
この組み合わせも初見です。
長い口吻を花に差し入れて吸蜜している間、高速で絶え間なく羽ばたきホバリング(低空飛翔)しています。
(ただし吸蜜中は花穂に足を掛けていることがあるので、厳密にはホバリングとは呼べないかもしれません。)

吸蜜中の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜)
実際は超高速で羽ばたいているのに、スローモーションにすると翅を開いたまま静止して見えて、ちょっと面白いです。
打ち下ろしと打ち上げで翅の角度を変えていることがよく分かります。
別個体の羽ばたきは、実際よりもかなりゆっくり羽ばたいているように見えました。
羽ばたきの周波数に個体差があるのかな?
こうしたビデオの残像現象はストロボ効果(ワゴンホイール効果)と呼ばれます。

複数個体を撮影。


ビロウドツリアブ@ウワミズザクラ訪花+吸蜜ホバリング

2018/07/19

カキドオシの花で穿孔盗蜜するクマバチ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬
▼前回の記事
カキドオシの花で盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

川の堤防や河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の♀ばかりでなく雄蜂♂も穿孔盗蜜していました。

複眼が大きく発達していて顔の頭楯が白いのが雄蜂♂の特徴です。
♂は採餌せず自分の空腹を満たすために吸蜜するだけですから、集めた花粉を巣に持ち帰るための花粉籠と呼ばれる器官が後脚には元々ありません。
訪花シーンをよく見ると、クマバチ♂は体が大きい(太い)ため、カキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花することができません。
毎回常に花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜しています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動で、クマバチやクロマルハナバチのような舌の短い蜂の得意技です。
雄しべの花粉に全く触れませんから、カキドオシの受粉には関与しません。
カキドオシの立場にしてみれば、せっかく受粉の報酬として用意した花蜜が盗まれ損ということになります。


後半は240-fpsのハイスピード動画でも記録してみました。(@3:22〜)
複数個体を撮影。
リアルタイムでは見ているこちらの目が回りそうなくらい忙しなく飛び回ってます。
1/8倍速のスーパースロー映像でクマバチ♂の行動をじっくり見ると、面白いことが色々と分かります。
先客が残した盗蜜痕をそのまま利用することがありました。(例:@4:32)
このようなケースを二次盗蜜者と呼ぶらしい。
いちいち穿孔する手間も面倒なので、なるべく楽して省エネで盗蜜したいのでしょう。
腹端から白い小さな液滴がポトリと落ちたのは、飛びながら脱糞したのかもしれません。(@6:51)


クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/12

カキドオシの花で盗蜜するクロマルハナバチ創設女王【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬

ニセアカシアを主体とする河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。
この時期に見かける大型の♀個体はワーカーではなく創設女王だと思います。

クロマルハナバチ創設女王の訪花シーンをよく見ると、ミツバチ♀ヒゲナガハナバチ♂のようにカキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花するのではなく、毎回必ず花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜していました。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる採餌行動で、クマバチやクロマルハナバチのような舌の短い蜂の得意技です。
次々に花を訪れても雄しべの花粉に全く触れませんから、当然ながら後脚の花粉籠は空荷でした。

後半は、盗蜜行動と飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@3:44〜)
カキドオシの花に止まる際にうっかり正当訪花しそうになっても、慌てて穿孔盗蜜に切り替えた様子(@3:53)が興味深いです。
複数個体を撮影。

この辺りではクマバチよりも個体数が少ない印象で、日当たりの良い堤防ではクロマルハナバチ♀を見かけませんでした。
同所性に採餌しているとすれば競争相手になるはずですが、この二種のハナバチの微妙な棲み分けが興味深く思いました。
(短い観察時間だったので、たまたまそう見えただけかもしれません。)


クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/09

カキドオシの花で盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬

川の堤防や河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。
頭楯が黒く、複眼がそれほど大きくないので♀です。
クマバチ♀の訪花シーンをよく見ると、ミツバチのようにカキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花するのではなく、毎回常に花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜しています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動で、クマバチのような舌の短い蜂の得意技です。
雄しべの花粉に全く触れませんから、当然ながら後脚の花粉籠は空荷でした。

後半は、盗蜜行動を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@2:00〜)
複数個体を撮影。

この辺りで活動するハナバチ類の中ではクマバチが優占種らしく、かなり個体数が多い印象を受けました。
日当たりの良い堤防でもやや薄暗い林床でもどちらでも採餌活動していました。
ニセアカシアを主体とする河畔林は未だ冬芽から葉が茂っておらず、林床まで日光が届いて明るい状態でした。
つまり春に開花するカキドオシは、スプリング・エフェメラルの一種と言えるかもしれません。

つづく→雄蜂♂は穿孔盗蜜するかな?


クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/08

樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)



2018年4月下旬

川沿いでトビMilvus migrans)が飛来してアカマツの樹冠の横枝に止まりました。
背後は杉の木で守られていますが、怯えたように辺りをキョロキョロ見回しています。
その周囲を数羽のカラスが飛び回り、樹上のトビを繰り返し襲い始めました。
近くの河畔林にカラスの営巣木がありますから、天敵の猛禽類を縄張りから追い払おうと激しいモビング(擬攻撃)を加えているのでしょう。
防戦一方のトビはピーヒョロロ♪と甲高い悲鳴を上げています。(威嚇の鳴き声?)
空からカラスが高速で向かってくると、頭を下げてお辞儀のような迎撃体勢になります。
ぶつかりそうになる寸前でトビが翼を広げて威嚇しました。
このとき翼裏面の白斑が見えたので、襲われている猛禽類の正体がトビと判明しました。
カラスもトビに対して神風特攻隊のように嘴でぶつかって行く意図は無く、あくまでも脅しのための擬攻撃で、トビの頭上すれすれを飛び交います。

モビングするカラスの動きが速過ぎて、なかなか外見から種類を見分けられません。
騒ぎの間、カーカー♪澄んだ声で鳴いていたので、ハシボソガラスではなくハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のようです。
仲間を呼び寄せる声なのか、トビに対する威嚇の鳴き声なのでしょう。
3羽のカラスが代わる代わるモビングしていました。
つがいとヘルパーなのか、あるいは隣の縄張りのカラスが加勢しに来たのかもしれません。

途中から240-fpsのハイスピード動画に切り替えてカラスのモビング行動を記録してみました。(@1:50〜3:21)
カラスはとにかく天敵の猛禽類を飛び立たせて縄張りから追い出したいようです。
トビの頭上をかすめるように飛んだり、トビが止まっている横枝のすぐ下を高速でくぐって飛ぶこともあり、なかなかスリリングです。
トビが翼を広げて威嚇した拍子に白い羽毛が1枚抜け落ちて飛び散りました。

スローモーションでじっくり見てもなかなかカラスの種類を同定できません。
しかし一羽が樹間の空を背景に飛んだ瞬間に横向きの頭部のシルエットが一瞬見え、ようやくハシボソガラスと分かりました。
ということは、ハシブトガラスだけでなくハシボソガラスも共同戦線を張って共通の天敵に対してモビングしているようです。

今思うと、直接トビに飛びかかっている個体と遠巻きで鳴き騒いでいるだけ(野次馬)の個体とを区別して見分けるべきでしたね。(動画撮影に集中していると、なかなかそこまで気が回りません)

後半はHD動画に戻しました。
カラスの中には空中戦に加勢せずにすぐ左のアカマツの枝に止まって鳴き騒ぎ、トビに圧力をかける個体も居ます。(松葉の茂みに隠れて映像ではよく見えません)

頭上スレスレのモビングをかわす際にトビが堪りかねたようにフワリと飛び上がり、右の枝先へ移動しました。(@3:35)
枝先は細いので、ますますトビの足場が不安定になります。(トビが動く度に枝が激しくしなります)
再びトビがフワリと飛び上がり、横枝の中間部へ戻りました。(@4:05)
ここなら足場が比較的安定しています。

一層激しくなったカラスの波状攻撃に耐え切れず、遂にトビがアカマツ樹上から飛び立ちました。(@4:28)
空中でもカラスが容赦なく襲いかかります。
急激な方向転換など飛翔時の敏捷性はトビよりもカラスが上手です。
トビはピーヒョロロ♪と甲高く鳴きながら羽ばたきと旋回(滑翔)を繰り返し、必死で逃げ惑います。
追い回すカラスがガーガー♪と濁った声で鳴いていたので、やはりカラスの連合軍にはハシボソガラスが混じっているようです。
最後に右手(川の上流)へ飛び去るつがいのシルエットもハシボソガラスでした。
一方、アカマツの樹上には2羽のハシブトガラスが残っていました。
このつがいは左手(下流へ)へと澄んだ声で鳴きながら飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

7日前に対岸から撮影したモビングも丁度この辺りで行われたことに気づきました。
トビとカラスは人知れず連日のように神経戦を繰り返しているのでしょう。

▼前回の記事
河畔林でトビを追い回すカラスのつがい(野鳥)



【追記】
中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』という本を読むと、2種類のカラスの関係性について興味深い記述がありました。

ボソとブトの両種は鳴き声が違うだけでなく、お互いの言葉が通じていないという説もあります。ただ、悲鳴の声(Distress Call)などは種を超えて理解しあっているようにも思います。 (p48より引用) 
大人のボソとブトが仲良くすることはない。 p66より引用)


トビ(野鳥)@アカマツ樹上

トビ(野鳥)@アカマツ樹上vsカラスsp@モビング
トビ(野鳥)@アカマツ樹上vsカラスsp@モビング

ハシブトガラス2(野鳥)@アカマツ樹上+モビング後

2018/07/05

回転翼を持つヒマラヤスギ種鱗の回転落下【ハイスピード動画】風による種子散布



2018年7月上旬

昨年の晩秋に採集したヒマラヤスギの球果を室内で乾燥させて多数の果鱗を得ました。

▼前回の記事
ヒマラヤスギの完熟した球果から剥落する果鱗

果鱗は更に種鱗と苞鱗へと自然に分解します。
種子には紙のように薄い翼が付いていて、プロペラの羽根のようになっています。
自然界では枝の上で熟した球果から次々と剥落し、風に流されて飛ぶことで遠くまで種子が散布されるのです。
このような種子散布の方法を風散布と呼びます。

室内で簡単な実演をしてみました。
半年も保管しておいたヒマラヤスギの果鱗から苞鱗を除いて種鱗だけを選り分けます。
脚立の上に立って大量の種鱗を撒き散らし、落下する様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
1/8倍速のスローモーションで見ると、個々の種鱗は風車のようにくるくると激しく回転します。
回転の向きは右回り、左回り、共に見られ、回転速度もまちまちでした。
種子に回転翼を備えたことで、ただの自由落下よりも種子の滞空時間を伸ばし、その間に横風が吹けば飛距離が伸びる(より広範囲に種子散布される)ことになります。

カエデの種子も似たような形状をしていて、翼果と呼ばれています。
植物学の用語に疎い私はヒマラヤスギの場合も「翼果」と一緒くたにして呼びたくなります。(私には「翼果」の方が馴染みのある用語なのです。)
しかし、ヒマラヤスギは裸子植物ですから被子植物の翼果と混同するのはおそらく間違っていて、機能や形態が似ているのは進化上の収斂なのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完。


ヒマラヤスギ種鱗。フローリングの板の幅は7.5cm

2018/06/26

ツリフネソウに訪花するクロホウジャク?(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬・午後17:00頃

山麓の湿地帯に咲いたツリフネソウの群落で夕方近くにスズメガの一種が複数個体(少なくとも2頭以上)訪花していました。
花から花へとにかく忙しなく飛び回り、ホバリング(停空飛翔)しながら、ゼンマイのように巻かれた長い口吻を距の奥に差し込んで吸蜜しています。

後半は240-fpsのハイスピード動画に切り替えて、この激しい羽ばたきを撮ってみました。(@0:13〜)
1/8倍速のスーパースロー映像で見ても羽ばたきが速過ぎて、翅の斑紋などの特徴が見分けられません。

蛾を同定するためにストロボを焚いて翅の動きを止めた写真を撮りたかったのですが、やや遠くてストロボの光が届かないかな?と躊躇していたら蛾は逃げてしまいました。
近づくには長靴を履いてぬかるんだ湿地帯に踏み込まないといけないのですけど、この日は普通の靴でした。
おそらくクロホウジャクMacroglossum saga)ではないかと思うものの、定かではありません。
私の撮影スタイルは行動を記録するための動画中心なので、どのぐらい粘って動画を撮ったら写真に切り替えるか、という咄嗟の判断が遅れると虫に逃げられ悔しい思いをすることが多いのです。

同じ場所で後日、同じ被写体の撮影に再チャレンジしました。
同定用の写真とHD動画は撮れたものの、今度はハイスピード動画を撮る前に逃げられてしまいました。
どれか一つ撮るなら比較的容易いのですが、三つ全て撮るのはなかなか難しいのです。


▼関連記事
ツリフネソウの花で吸蜜ホバリングするクロホウジャク(蛾)

スズメガ類はツリフネソウに正当訪花するのですが、送粉者ではりません。
スズメガ類は細長い口吻を伸ばして手を汚さずに(雄しべの葯に全く触れずに)花蜜を効率的に吸えるので、花の受粉には全く寄与しません。
ツリフネソウにしてみれば、困った泥棒(盗蜜者)なのです。


田中肇『花と昆虫:不思議なだましあい発見記』によれば、

ツリフネソウの花をねらう泥棒は多く、花の正面から蜜や花粉をねらう昆虫もいる。(中略)スズメガ類はヘリコプターのように飛びながら花のまえの空中に静止し、3cm以上もある長い口を花の奥にさしこんで蜜を吸う。筒はその口よりは浅いので、ガの頭や体は雄しべや雌しべに触れない。もし口が触れることがあっても、細い口につく花粉はわずかだし、ついた花粉が針のように細い雌しべの先につく確率はたいへん低いと考えられる。このガも、ツリフネソウにくる泥棒なのだ。 (p140より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際はもう少し薄暗い条件でした。


2018/06/03

ソメイヨシノの幹をつつくアカゲラ♂♪【HD動画&ハイスピード動画】(冬の野鳥)



2018年2月上旬・午後12:00頃

小雪がちらつく正午頃、民家の庭から啄木鳥の鳴き声がするので探すと、庭木ソメイヨシノの幹をアカゲラ♂(Dendrocopos major)が登り降りしていました。

キョッキョッ♪と鳴きながら、桜の幹を嘴でコツコツ、コンコン♪と激しくつついています。
後半は、木をつつく行動を240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:34〜)
無音になるのは、カメラの仕様です。

スローモーションで見ると、樹皮の破片が砕け落ちる様子や舞い散る雪が絵になりますね。
つついた直後に材の破片を嘴で千切り取って捨てています。
アカゲラ♂は幹の同じ場所に狙いを定め、繰り返しつついて穿孔しようとしています。
力任せにつつくだけではなく、嘴を穴に差し込んで首をねじりドリルのように繊細に動かしたり、つつく角度を変えたりすることもありました。
つつく合間に、細い針金のような舌が嘴に引っ込むのが見えました。
しかし材の中に潜んでいるカミキリムシなどの幼虫に逃げられたようで、獲物を捕食することなくアカゲラ♂はつつく場所を変えました。



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アカゲラ♂(野鳥)@ソメイヨシノ幹+樹皮つつき

2018/05/27

ヒメスズメバチ♀の奇妙な扇風行動【HD動画&ハイスピード動画】



柳の根際に営巣したヒメスズメバチの記録#4

前回の記事#3

2017年9月中旬・午後15:27〜15:35・気温28℃

前庭で巣穴の方を向いて休んでいたヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis)が突然、その場で羽ばたき始めましたので驚きました。
実際は飛翔時のように猛烈な勢いで羽ばたいているのですが、映像ではストロボ効果の錯覚により羽ばたきが遅く見えています。
休息を挟みながら扇風行動を断続的に繰り返していました。

後半は、定位飛行および扇風行動の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮影してみました。(@3:01〜)
♀αが扇風行動を止め前庭で休んでいると、別個体♀βが飛来しました。(@4:04)
それに反応して飛び立つと、すれ違う際に接触し、♀αはバランスを崩して一瞬着地。
♀βはさっさと巣に入りました。
♀αは低空で定位飛行を続けます。
スローモーションで見ると、空中でホバリング(停空飛翔)している間も頭がキョロキョロと油断なく動いていました。
アシナガバチとは異なり、飛翔中は空気抵抗を減らすために脚を縮めて体に引きつけています。

スズメバチ類は真夏に気温が約30℃を越えると、育房内の幼虫や蛹を守るために巣を冷やそうとワーカーが巣の外被上で羽ばたいて扇風行動を行います。
巣口に風を送り込んで巣内の温度を冷やすのです。
しかし、今回の個体は巣の外被から離れている上に頭を巣に対して斜めを向けています。
したがって、いくら羽ばたいても風が巣には送り込まれず、体力の無駄でしかありません。
扇風による巣の冷却や換気の効果は全く期待できないことになります。
撮影しながら気温を測ると28℃でした。
日向の地面はもう少し暑くて30℃を越えていた可能性があります。
前庭の地表温度を測りたかったのですが、この個体が居座っているために近づけませんでした。
日光浴して暑くなったのなら日陰に移動すれば済む話なのに、わざわざ体力を消耗する扇風行動を行う意味が分かりません。
むしろ日向で定位飛行や扇風行動などの激しい運動をすれば体温は更に上昇するはずです。
もし捕獲したスズメバチを飼育中に室温を上げたら、たとえ巣がなくても簡単に扇風行動を誘発できるのか、確かめてみたいものです。

昆虫は変温動物なので、飛び立つ前に飛翔筋の入念な準備運動をして体温を上げる必要がある種もいます。(体重の重い昆虫や、気温が低い夜に活動する種など)
しかし、日向で日光浴をしているヒメスズメバチの体温は充分に高いはずです。

巣の前庭で扇風しながら腹端をやや持ち上げているため、もしかすると交尾前の新女王が雄蜂を誘引する性フェロモンを積極的に拡散しているのだろうか?と素人が勝手な妄想を逞しくしてみました。(私の知る限り、スズメバチでそのような行動は報告されていません)
この仮説は、ミツバチによる「匂い扇風」から連想したものです。
しかし、観察をしばらく続けても、営巣地の周囲にヒメスズメバチの雄蜂♂が殺到することはありませんでした。

柳の根際の土中に作られた巣が掘り返された(崩落した?)形跡があるため、そもそも異常な行動を見ているだけ、という可能性もあります。
巣が壊され女王蜂を失うとコロニーの統制が喪失し、ワーカー♀が呆然と様々な異常行動を示すようになるのかもしれません。
以前、山中で観察したチャイロスズメバチの巣が壊された後の行動も、巣を再建せずに呆然と無為に過ごしているようでした。

▼関連記事
破壊された巣とチャイロスズメバチ♀残党

謎の行動を繰り返している個体が1匹だけというのが、とにかく奇妙です。
一見無駄に見える定位飛行や扇風行動を繰り返しているのは、とにかく元気が有り余っている個体なのでしょうか?
それとも異常行動なのでしょうか?
ネジレバネなどに寄生された個体が異常行動を取るようになったのか?とか、巣を駆除する際に使われた殺虫剤(神経毒)が残留していて、その影響で異常行動をするようになったのか?などと想像してしまいます。


ヒメスズメバチのコロニーが解散したら初冬にでも巣の発掘調査をしようと計画していたのに、どうも何者かに巣を壊されてしまったようなのです。
巣の破壊状況を早く自分の目で確認したいのはやまやまなのですが、高価な防護服を持っていない私はなかなか巣に近づけません。
それでも安全に巣を調べる工夫を思いつきました。

つづく→#5:壊されたヒメスズメバチの巣穴を深夜に覗いてみると…【暗視映像】


2018/05/19

柳の根際にヒメスズメバチの巣を見つけた!



柳の根際に営巣したヒメスズメバチの記録#1


2017年9月上旬

フィールドでハキリバチの一種♀が丸めた巣材の葉を脚で抱えて飛来し、地上の穴?に潜り込むのを目撃しました。
ハキリバチ類はてっきり借坑性だと思っていたので、坑道を掘るハキリバチが居るとは驚きです。
ノネズミの古巣を利用したのかな?
慌てて茂みをかき分け地面に這いつくばって探したものの、そのまま蜂を見失ってしまいました。
しかし、すぐ近くにヒメスズメバチVespa ducalis)が出入りする巣があることに気づきました。
私にとってハキリバチの巣の方が激レアなので本当はそちらの方に興味があるのですが、スズメバチの巣の近くで無防備に地面を掘り返したりしたら振動でヒメスズメバチのワーカー♀に誤解されて攻撃されるかもしれません。

(一応、日本に暮らすスズメバチ類の中でヒメスズメバチは攻撃性が最も低くておとなしい、という知識はありました。)
仕方なく、観察対象をヒメスズメバチに切り替えることにしました。

湿地帯と池遊歩道の境界に生えた柳の根際で土がえぐれたような穴が開いていて、その奥に営巣しているようです。

観察を始めると帰巣したワーカー♀が私の体の周囲につきまとうように飛び回りましたが、毒針で攻撃してくることはありませんでした。
飛びながら私に対して大顎を鳴らす警告行動も示しませんでした。
重低音の羽音が恐ろしげですけど、こちらがじっとフリーズしていれば大丈夫です。
このときパニックになって蜂を手で払いのけるような激しい仕草をしないことが大切です。
本で読んだ通り、ヒメスズメバチはやはり攻撃性が低いようです。
私は野山に出かける際はいつもスズメバチを刺激しないような服装を心がけています。
(黒い服は避け、黒髪も帽子などで隠す、人工的な香料を含む香水や整髪料などは一切付けない、など。)
決して無茶な撮影をしている訳ではなく、とにかくスズメバチの習性と対処法をよく知っておけば身を守れます。

蜂を無闇に恐れる必要はありません。
ただし、もしこれがオオスズメバチの巣だったら私もこれほど大胆な撮影はしていません。(防護服が必要です)

冒頭の帰巣シーンはほんの一瞬の出来事なので、1/2倍速のスローモーションに加工しました。(@〜0:23)
巣に出入りする蜂をどう撮るか試行錯誤しましたが、カメラを地面に置いて撮影してみると、飛翔シーンの臨場感が増しますね。
ワーカー♀が連続して帰巣する数が多いので、コロニーの規模がかなり大きそうです。

地上すれすれで飛んで来た蜂が軽くホバリング(停空飛翔)してから草むらの奥に消えて行きます。
3匹が続けざまに帰巣するのを観察しています。
巣の手前に着地すると最後は歩いて入巣しました。
珍しく柳の根際まで直接飛んで土手に着陸してから歩いて入巣する個体もいました。
出巣する際も、穴から歩いて外に少し出てきてから離陸しました。
2匹のヒメスズメバチが巣の手前の空中ですれ違うシーンも撮れました。
営巣地の前に居座る見慣れない存在(=私)を警戒しているのか、帰巣前に近くの草むらや柳の枝葉に止まって小休止する個体も見受けられました。

最後に、帰巣するワーカー♀の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮影してみました。(@5:12〜)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

これから定点観察に通うことにします。

つづく→#2:定位飛行と日光浴を繰り返すヒメスズメバチ♀の謎



2018/05/14

池から次々に飛び立つダイサギ(野鳥)【HD動画&ハイスピード動画】



2017年10月中旬

浅い池で3羽のダイサギArdea alba)が互いに離れ片足立ちでのんびり佇んでいました。
私がしつこく望遠レンズを向けていると警戒され、まず一羽aが飛び去りました。(撮影に失敗して映像無し)
続けてもう一羽bが飛び立ちました。(@1:19)

最後に残った個体cの飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:27〜)
身を屈めて脚力でジャンプしながら翼を力強く羽ばたいて離陸します。
白鷺の美しい飛翔シーンを上手いこと流し撮りすることができました。
スローモーションにすると見応えがありますね。
先に飛び去った仲間の後を追うように同じ飛行ルートを取りました。


後半は、飛び立つ前の行動をとらえたおまけの映像です。

別の記事にするまでもないと思い、ここでついでに紹介します。

(その1:身震い@2:25〜)
池に佇んでいた個体cがその場で翼を激しくばたつかせて身震いしました。
顔も左右に振っています。

(その2:漁の失敗@2:51〜)
浅い池を渡渉していたダイサギcが突然嘴を水面に突き刺しました。
しかし魚を取り逃がしてしまったようです。
顔を左右に激しく振って、濡れた嘴の水気を切りました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/05/06

セイタカアワダチソウを訪花するイチジクキンウワバ(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年10月下旬

平地の農道沿いに咲いたセイタカアワダチソウの群落でイチジクキンウワバChrysodeixis eriosoma)が訪花していました。
半開きの翅を細かく震わせながら吸蜜しています。
吸蜜中はいつも花穂に足を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)ではありません。
秋晴れの午後で気温は決して低くないはずですが、常に飛び立つ前の準備運動(アイドリング)をする必要があるのでしょう。

後半は花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:16〜)
スローモーションにすると見応えある飛翔シーンだけでなく、口吻の素早い抜き差しがよく分かります。
花から口吻を引き抜くと、ゼンマイのようにくるっと丸まります。
ところで、後脚の腿節に毛が密生しているのは何か意味があるのでしょうか?
吸蜜中にブラシのような毛束に花粉が付着して次の花に授粉しやすいような体の作りになっているのかもしれません。(送粉者)

ストロボを焚いて同一個体を連写してみると、私にもなんとかイチジクキンウワバと写真同定できました。

参考サイト:類似種ミツモンキンウワバとの見分け方(by蛾LOVEさん)
吸蜜に夢中だったようで、HD動画だけでなくハイスピード動画、同定用の静止画と全て撮らせてくれて、最高の被写体でした。
ちなみに、インターネットで調べものをしていて「へーっ」と思ったのは、イチジクキンウワバという和名について。

幼虫は特定の食草をもたず, ゴボウなど圃場の作物につくことも多い. 和名は古い国外の食草の記録に由来すると思われ, 本種の食性を正しく表したものではない. (「Digital Moths of Japan」サイトより引用)


イチジクキンウワバ(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
イチジクキンウワバ(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
イチジクキンウワバ(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
イチジクキンウワバ(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花+飛翔
イチジクキンウワバ(蛾)翅裏@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜

2018/05/03

池を歩きながら排泄するダイサギ【ハイスピード動画】(野鳥)



2017年10月中旬

水深の浅い溜池をダイサギArdea alba)が歩いて横断しています。
飛び立ちあるいは魚を捕食する瞬間を記録しようと240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
私の予想は外れたものの、その代わりに偶然、ダイサギの排泄シーンが撮れていました。

浅い池を歩いていたダイサギが一瞬立ち止まって液状便を排泄しました。(@0:30〜0:34)
その後ダイサギは何事もなかったように渡渉を再開。

ちなみに歩行シーンをスローモーションでよく見ると、ハトのように首振り歩行しています。
長い足を交互に前へ踏み出す度にダイサギは長い首の筋肉を使って頭部を前後に動かしています。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/04/13

キジバトの首振り歩行と脱糞 【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】



2017年9月中旬

路上を歩きながらキジバトStreptopelia orientalis)がときどき地面を啄んで採食しています。
ハトの仲間は両足を交互に出してトコトコ歩きます。
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』というベストセラー本で以前読んだ通り、キジバトも確かに一歩ずつ首を前後に振りながら歩行していました。

後半はキジバトの首振り歩行運動を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:06〜)
スローモーションで見るとよく分かるように、一歩踏み出す度に頭を前後に動かしています。
側面からのアングルだと一目瞭然。
しかしキジバトはカワラバト(ドバト)よりも警戒心が強く、基本的にカメラからどんどん遠ざかってしまいます。
この首振り運動の謎を知りたい方は、ぜひ名著『ハトはなぜ首を振って歩くのか』の一読をおすすめします。


▼関連記事
ドバトの首振り歩行 【ハイスピード動画:野鳥】

さて、狙って撮った訳ではありませんが、スローモーションの映像にキジバトが排便する後ろ姿がたまたま写っていました。(@1:56)
立ち止まって地面をついばみ、再び歩き出す際にポトリと脱糞しています。
鳥の糞と言えば白っぽい尿酸混じりの軟便をビシャーっと排泄するのが普通ですが、キジバトの糞は黒っぽくて丸い塊でした。

キジバトの糞はいつもこのような固形便なのでしょうか?

実はこの後、同一個体のキジバトが道端でツユクサの実を大量に採食(丸呑み)しました。

▼関連記事
ツユクサの実を食べるキジバト(野鳥)
キジバトが路上に残した糞にツユクサなど植物の種子が含まれているか調べるべきでしたね。
しかし実際の脱糞は一瞬の出来事で、撮影中は見過ごしてしまいました(気づかず)。
植物の実をよく食べるキジバトは種子散布に関与するのか、それとも種子捕食者なのか、それが問題です。
本で得た知識では、種子食性のハト類は砂嚢が発達していて、植物の実を飲み込むと種子も一緒に砂嚢で砕いて消化してしまうらしい。



2018/04/05

コガタスズメバチ♀の帰巣と出巣【HD動画&ハイスピード動画】



枯木に営巣したコガタスズメバチの定点観察#8



前回の記事→#7


2016年7月下旬・午後17:39〜17:50

3日ぶりの定点観察で夕方に様子を見に来ました。
コガタスズメバチVespa analis insularis
巣に出入りするワーカー♀の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:16〜1:43)
外役に出る個体は巣口から門衛を押しのけるようにして外に出ると、外皮上を少し下に歩いて降りてから飛び立ちます。
黒っぽい巣材を持って帰巣した個体は巣口のすぐ近くに着地して、門衛の誰何すいかを受けるとすぐ巣内に入りました。

映像の後半は通常のリアルタイムのHD動画に戻して、造巣行動を記録しました。
2匹のワーカー♀が別々の場所で外皮を増築しています。
巣材を使い切ると、巣内に戻りました。

外皮に白い巣材を使わなくなったようで、巣の全体の印象が変わりました。
白い縞模様(鱗模様)が薄れてきています。

つづく→#9



2018/04/01

飛べ!セグロシャチホコ♂(蛾)【ハイスピード動画】



2017年9月中旬


▼前回の記事
繭を紡ぐセグロシャチホコ♂(蛾)終齢幼虫

繭を紡いでから10日後、室内でセグロシャチホコ♂(Clostera anastomosis orientalis)の終齢幼虫が羽化しました。
繭から羽化する様子は残念ながら見逃してしまいました。
夜中に消灯したら暗闇の室内を蛾が飛ぶ羽音が聞こえました。

繭を容器に閉じ込めていなかったので、羽化した成虫が逃げ出したようです。
翌朝、天井に止まっていた個体を写真に撮ると、セグロシャチホコ♂でした。
腹端に毛束が見えるので♂と判明。

白い繭を見ると、左端(柳の枝の根元側)から羽化脱出したようです。

更に翌日になると、明るい窓にかかったレースカーテンに止まっていました。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました(@1:19〜)。
指で軽く触れると、準備運動なしにいきなり飛び立つ時もあれば、翅を広げて小刻みに震わせてから飛ぶこともありました。
正の走光性があるようで、少し飛んでも明るい窓際のレースカーテンに舞い戻ってきます。

逆光の条件でハイスピード動画を撮るために蛍光灯で蛾を照らしたら、蛍光灯のチラツキ(明滅)が目障りになってしまいました。
強制的に何度も飛び立たせてしつこく撮影したら嫌気が差したのか、セグロシャチホコ♂は最後に長く飛んで天井に避難しました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セグロシャチホコ♂(蛾)@天井
セグロシャチホコ♂(蛾)@天井
セグロシャチホコ♂(蛾)@天井
セグロシャチホコ♂(蛾)繭@羽化後
セグロシャチホコ♂(蛾)@白壁+採寸
セグロシャチホコ♂(蛾)@レースカーテン
セグロシャチホコ♂(蛾)@レースカーテン
セグロシャチホコ♂(蛾)@レースカーテン+準備運動中。この姿勢(翅形)を見るのは珍しい。

以下は死後の標本写真。
羽毛状に発達した触角と腹端の毛束を確認しました。

(生前は触角の形状をしっかり見分けられませんでした。)
脚は前脚だけ太く見えます。(毛が密生?)
口吻は退化しているのかな?

後翅の色は地味でした。

セグロシャチホコ♂(蛾)繭+羽化殻@方眼紙
セグロシャチホコ♂(蛾)繭+羽化殻@方眼紙
セグロシャチホコ♂標本:背面
セグロシャチホコ♂標本:側面
セグロシャチホコ♂標本:側面
セグロシャチホコ♂標本:腹面
セグロシャチホコ♂標本:腹端の毛束(腹面)
セグロシャチホコ♂標本:羽毛状の触角
セグロシャチホコ♂標本:右前翅
セグロシャチホコ♂標本:右後翅
セグロシャチホコ♂標本:退化した口吻?(腹面)

ランダムに記事を読む