2014/08/18

飛べ!イカリモンガ【蛾:ハイスピード動画】




2014年6月下旬

里山の林床や下草にイカリモンガPterodecta felderi)が翅を閉じて止まっていました。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。(前後半で別個体。)
翅表の鮮やかな紋様がようやく見れます。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


2014/08/17

セイヨウミツバチ♀を捕食するコハナグモ♀(蜘蛛)



2014年6月下旬

堤防に咲いたウツギの群落でこの日もミツバチのワーカー♀が多数訪花していました。

▼関連記事
・ウツギの花で採餌するニホンミツバチ♀
・ウツギの花で採餌するセイヨウミツバチ♀
当然、訪花昆虫を目当てに捕食者も潜んでいる訳で、ミツバチにとって危険がいっぱいです。
ウツギの葉からコハナグモ♀(Diaea subdola)がしおり糸(命綱)を伸ばしてぶら下がっていました。
花で獲物を待ち伏せ、セイヨウミツバチ♀(Apis mellifera)に飛び付いて狩りを行った直後のようです。
獲物の胸背に噛み付いています。
体長はクモよりもミツバチの方が大きいのに、毒液を注入された蜂はときどき脚を弱々しく動かすだけで麻痺しています。
ミツバチの後脚の花粉籠は空荷でした。
やがてクモが獲物を咥えたまましおり糸を登り、葉裏に戻りました。(@0:30)
安全な場所でゆっくり捕食するのでしょう。

獲物の胸背に群がって身繕いしながらセイヨウミツバチの体液を吸汁(吸血?)している黒い微小の虫(双翅目)が気になります。
これはブユとかヌカカの仲間ですかね?(どなたか詳しい方は教えて下さい。)※追記参照


クモの食餌シーンをじっくり観察する前に、接写の大敵である風揺れを防ぐため葉ごとそっと切り落として階段に置きました。
クモは獲物の胸背ではなく頸部に噛み付いているのかな?
ミツバチは脚を細かく痙攣させています。
ところが徘徊中のクロアリ(種名不詳)に見つかり、大切な獲物を奪われまいとコハナグモ♀は慌てて引きずって逃げ出しました。
意外に早い足取りでした。
獲物に群がっていたヌカカ?もこの騒ぎで居なくなりました。

クモは未採寸・未採集。



※【追記】
『日本動物大百科9昆虫II』p167に「クモに捕えられたニホンミツバチに瞬時にたかるコガネバエの一種」と題した見事な写真が掲載されていました。
素人目には似ていますけど、今回私が撮ったハエと同じかどうか判断することはできません。
「コガネバエ」でインターネット検索すると、ハンマーさんのブログ記事がヒットしました。
セイタカアワダチソウの花でハナグモに狩られたセイヨウミツバチの体表から花粉を食していたそうです。

【追記2】
『スパイダー・ウォーズ:クモのおもしろ生態学』p161-163によると、

  • クロコバエの仲間には変わった奴がいて、クモによってなかば消化された食物を盗みます。
  • これらのハエはおそらく、クモの消化液の匂いを探知しているのでしょう。
  • タマバエやクロコバエがたくさん集まってくると、お人好しのクモもさすがに煩わしさを感じるようで、(中略)ハナグモの一種も、クロコバエ科のハエを叩いたり、餌を揺すって追い払ったりしているようです。




ウツギの花で吸蜜集粉するウツギヒメハナバチ♀【マクロ動画】



2014年6月中旬

平地の堤防に咲いたウツギの大群落を訪花するウツギヒメハナバチ♀(Andrena prostomias)の複数個体を接写してみました。

後脚の花粉籠に黄色い花粉団子を付けています。
隣の花へ主に歩いて移動すると、花に頭を突っ込んで吸蜜します。
花粉まみれの体(特に顔および腹面)を念入りに身繕いしてから飛びます。
飛ぶ前に♀はとりあえず複眼にべっとり付いた花粉を落とす必要があるようです。
蜂に集粉採餌され尽くされたウツギの花は黄色い花粉が葯から無くなり真っ白になっています。

動画に登場する個体が全てウツギヒメハナバチなのか、自信がありません。
コガタウツギヒメハナバチが混じっている可能性もあります。
顔に花粉がべっとり付着した状態では頭楯の凹凸で見分ける方法も難しいです。

ウツギ群落に通って来るウツギヒメハナバチの集団営巣地を突き止めようとしてみたものの空振りに終わり、来年以降の課題です。
取り敢えず近くの農道を歩いてみると、砂利道の土はいかにも固そうで巣穴も見つかりませんでした。
探すのが遅くて営巣末期だったのかもしれません。
山麓にゲートボール場(日当たりの良い裸地)があったことを思い出して行って見ると、芝生が生い茂るゴルフの練習場に変わり果てており、ウツギヒメハナバチが好む営巣環境とは言えませんでした。
あちこち歩き回っていれば、きっとそのうち良いことがあるでしょう。
電波発信機やGPSが蜂に付けられるくらい超小型で安価になれば色々と分かって楽しいのになー、と夢想したりします。

ウツギの訪花昆虫相を見ると、この花の送粉者はウツギヒメハナバチだけではない。(中略)ウツギは、ウツギヒメハナバチとコガタウツギヒメハナバチを主客としながらも、ほかにも不特定多数の副客の送粉者をもっている。(中略)ウツギはウツギヒメハナバチを失っても絶滅しないが、ウツギヒメハナバチはウツギを失えば確実に絶滅することは間違いない。
(『但馬・楽音寺のウツギヒメハナバチ:その生態と保護』p84、p160より)




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