2013/11/17

キマワリが朽木で謎のマウント合戦



2013年9月上旬

雑木林で伐採して切り揃えた枝を積んである木場(土場)にて、多数のキマワリPlesiophthalmus nigrocyaneus)が集まり、興味深い行動が繰り広げられていました。

長い脚で朽木の上を素早く走り回ってもう一匹を追いかけ、隙を見て背後から飛び乗るとマウントします。
ところが落ち着いて交尾器を連結することなく、すぐに別れてしまいます。
こうした行動が木場のあちこちで何度も繰り返されました。
私にはキマワリの性別が見分けられないので、解釈に困ります。

  • 2匹は♂同士なのに、♀と誤認してマウントした?
  • ♂同士の縄張り争い?(儀式的闘争や優位行動としてのマウンティングか?)
  • ♂にマウントされた♀が交尾拒否した?
  • キマワリの交尾はマウントすると瞬時に完了する?

採集して対戦相手の性別や体長などを調べるべきでしたね…。
飼育下でもこの行動は再現されるのかな?
(そもそも私は甲虫に疎いので、実はキマワリではないゴミムシダマシ科の別種かもしれません。)
せめて個体識別のマーキングを施して、マウント合戦をじっくり眺めていれば何か手掛かりを得られたかもしれません。
交尾中の♀♂ペアは不思議と一組も見ませんでした。

2匹が真正面から出会ってしまうと、かなりの長時間、じっと対峙していました。
完全に静止している訳ではなく、ときどき微妙に一進一退しています。
相手の力量を値踏みしているのでしょうか?
私が痺れを切らして動画撮影を中断したら、飛びついてマウントする瞬間を撮り損ねてしまいました。
続けざまに計3回マウントした後に、このペアは離れました。




【参考動画】


「キマワリ Plesiophthalmus nigrocyaneus のペア」by kiokuimaさん
交尾器を結合したまま歩き回っています。
マウントする♂よりも♀の方が体長が大きいようです。

【追記】

キマワリやその仲間は昼間も活発に活動する。樹幹を徘徊し、外敵が近づくと、幹の反対側にまわり込んで逃げるところからこの和名がある。(『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p138より)


マルバハギを訪花するクマバチ♀



2013年9月上旬

山道の横に咲いたマルバハギの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が花蜜を吸っていました。
後脚の花粉籠は空荷のようです。



飛べ!ベニシタバ【蛾:ハイスピード動画】



2013年9月上旬

神社境内にある石灯籠の側面にベニシタバCatocala electa zalmunna)と思われる蛾が頭を下にして静止していました。
派手な色の後翅を見せつける威嚇行動を見たくて物を投げつけても反応がありません。
翅に触れたら威嚇せずに、準備運動なしでいきなり飛び去りました。
240-fpsのハイスピード動画に撮ってみると、あまり羽ばたかず落下するように緊急避難したことが分かりました。
(映像後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。)
どこに飛んで行ったか見失いました。

オニベニシタバ、エゾベニシタバなど近縁種の可能性は?





実は同じ神社で6日前にもベニシタバを撮っています。
境内を歩いたら驚いた蛾が飛んで逃げました。
真っ赤に目立つ羽ばたきが印象的です。
近くの大木(針葉樹)の幹に止まると頭を下向きに止まりました。
興奮冷めやらぬようで、しばらくは派手な赤い後翅を誇示しています。
ようやく落ち着いたベニシタバが翅を閉じると、地味な模様しか見えなくなりました。
木肌に紛れた見事な隠蔽擬態です。
前脚で触角を拭って身繕い。



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