2022/12/24

雨夜に溜め糞場で排便・マーキングするニホンアナグマ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年8月中旬・午後20:20頃・雨・気温21℃ 

里山のスギ林道に残された溜め糞場sを2台のトレイルカメラで監視しています。 
夜にニホンアナグマMeles anakuma)が右から登場しました。 
前夜にタヌキが排泄した糞は、糞虫の活躍により、もう残っていないようです。 

アナグマ♂は自分たちアナグマの溜め糞の匂いを嗅いでからスギの根元に向かい、下草2ヶ所に尻を擦り付けて肛門腺および臭腺で匂い付けしました(スクワットマーキング)。 
軽く一回りしてから、左を向いて前進しながら排便しました。 
タヌキと異なりアナグマの糞はいつも軟便で、ダラダラと排泄します。 

脱糞後にガニ股で歩き回る後ろ姿の股間に睾丸が見えたので、♂と判明。 
この溜め糞場sに来るアナグマが♂ばかりなのは不思議です。 
モノクロの暗視映像では体色が分からないのですが、顔の過眼線の黒色が薄く、アルビノじゃないかと疑っています。 
アナグマの老齢個体は白毛(≒白髪)になるのかな? 
アルビノは劣性変異だとすると、出現頻度は低いはずです。 

林道を左に立ち去ったと思いきや、アナグマ♂がすぐに引き返して来ました。 
再びスギの根際の周囲でスクワットマーキングをやり、カメラ真下の死角に消えました。 
カモシカと同様に林道脇の法面を登ったのでしょうか?

続きの行動が別カメラ@ホオノキに記録されていました。 
逆のアングルから狙った映像です。(@0:58〜) 
対面の杉に固定したトレイルカメラは録画終了しており、赤外線LEDは既に消灯しています。 
このとき実は雨が降っていることが分かりました。 
立派に育った杉林では雨が枝葉で遮られて、トレイルカメラ@スギに写りにくいのです。 

アナグマ♂は林道に生えた下草の匂いを嗅ぎ回っています。 
雨で濡れた体を身震いして毛皮の水気を切りました。 
林道上に生えた枯れ茎の匂いを嗅いでからスクワットマーキングを施し、画面右下に姿を消しました。 
これほど念入りにスクワットマーキングをするのは、タヌキの溜め糞が近くにあるからなのでしょうか? 

アナグマの大好物はミミズだと本で読みました。 
雨が降るとミミズが地表によく出てくるようになり、アナグマが捕食しやすくなるとのこと。 
夜の山林で野生のアナグマがミミズを捕食するシーンをいつか撮ってみたいものです。 
林道の地面を掘り返した形跡をあちこちで見かけるので、来季はトレイルカメラで監視してみるつもりです。 
アナグマがいつも下痢気味なのは、ミミズをよく食べるからなのでしょうか? 



溜め糞に群がるキンバエ類を待ち伏せて狩ろうとするアカバトガリオオズハネカクシ

前回の記事:▶ ハネフリバエ科Euxesta属の一種がタヌキの糞を舐め、肉食性ハネカクシ類から逃げ回る

2022年8月中旬・午後12:40頃・晴れ 

里山で廃道状態の細い山道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残したと思われる溜め糞場fでキンバエの仲間(種名不詳)が群がり、泥状の獣糞から吸汁していました。 
真夏の強い日射しを浴びて緑や青の金属光沢に輝き、マクロレンズで接写するとなかなか綺麗です。(「掃き溜めに鶴」) 
このハエの名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。

獣糞上で肉食性のアカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシPlatydracus brevicornis)がハエ成虫を狩ろうと追い回すものの、逃げられてばかりです。 
狩りの失敗シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
反射神経と敏捷性に優れるハエは易々と飛び去り、虎口を逃れています。
ハネカクシは獲物を闇雲に追いかけずにじっと待ち伏せする方が良い気がするのですけど、ハエの成虫を襲って狩りに成功することがあるのでしょうか? 
専らハエの幼虫(ウジ虫)を襲って捕食するのかな?
だとすれば、獣糞に産卵してくれるハエ♀を追い散らすのは得策ではありません。




2022/12/23

溜め糞場でタヌキ・アナグマの匂いに興味津々のツキノワグマ幼獣【トレイルカメラ】

前回の記事:▶ ツキノワグマの毛に大量の「ひっつき虫」:種子の動物散布【トレイルカメラ:暗視映像】

2022年8月下旬・午前5:55・気温20℃ (日の出時刻は午前4:57) 

里山でスギ林道にある溜め糞場sを見張っているトレイルカメラに写ったツキノワグマUrsus thibetanus)の記録です。 
朝日が昇り完全に明るくなった林道を2頭の子グマが相次いで左から登場しました。 
毛皮のあちこちに緑色のひっつき虫が付着しています。 
好奇心旺盛な子熊は溜め糞場sに立ち止まって、頻りに匂いを嗅いでいます。 
この溜め糞場を初めて見たのだとしたら、ホンドタヌキとニホンアナグマの匂いを学習しているのでしょう。

そこへ母親が追いつきました。 
母グマは溜め糞場sに興味を示さないどころか、平気で踏みつけて通り過ぎました。 
幼獣の片方は遅れかけたものの、先行する兄弟を走って追いかけました。 
ツキノワグマの親子はそのまま林道を右へ立ち去りました。 

同じ林道を逆側から狙った別のトレイルカメラには、このときなぜか何も写っていませんでした。 
ツキノワグマの母子が一体どこから登場したのか、謎です。 

ツキノワグマ幼獣の撮影に初めて成功しました♪
家族連れの♀も初見です。 
この山域でツキノワグマが繁殖しているという確証が得られました。 
もし登山客などが現場でうっかり子連れの母熊とニアミスしたら、非常に危険です。 
完全な夜行性ならともかく、明るい昼間も山林を出歩いているのが厄介です。 



ランダムに記事を読む