2021/12/23

イチジク熟果の果汁を飲むコガタスズメバチ♀

 

2021年9月下旬・午後15:20頃・晴れ 

民家の庭先に植栽されたイチジク(無花果)の熟した果実にコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が来ていました。 
熟果から滴る果汁を一心不乱に舐めています。 

オオスズメバチと異なり、コガタスズメバチは果肉をあまり大顎で齧らない印象があります。
関連記事(4年前の撮影)▶ 熟したイチジクの果実を食害するコガタスズメバチ♀とニホンミツバチ♀

この日は他に多数のオオスズメバチ♀および少数のキイロスズメバチ♀もイチジクの熟果に集まっていました。 
スズメバチ間の争い(占有行動)を見なかったのは、餌資源が充分にあるためでしょう。

2021/12/22

ダイサギと稲刈りと案山子(野鳥)

 

2021年9月下旬・午後14:55頃・晴れ 

黄金色の稲穂が実る田んぼの横の用水路に1羽のダイサギArdea alba)が居ました。 
どうやら狭い用水路内で採食していたようですが、私がカメラを向けた途端に警戒して、横の農道に慌てて飛び出して来ました。 
手前の畦道に案山子が立っていますが、ダイサギは怖がっている(避けている)様子はありません。 
農家の服や帽子を着せている昔ながらの案山子で、私も久しぶりに見ました。 

ダイサギは道端の草むらまで歩いて来ると、なぜか全身の羽毛を逆立ててから、少し足を屈めるとギシギシ群落の上に白い液状便を排泄しました。(@0:19) 
やがて羽繕いを始めました。 
本当は用水路に戻って採食を続けたいのに、私が立ち去らないことに苛立ち、真空行動からくる羽繕いかもしれません(腹立ち紛れ)。 

風がやや強いもののよく晴れていて、奥の砂利道からは陽炎が立ち昇っています。 
ダイサギは私に対して横向きになり、横目で常にこちらの様子を窺っているようです。 
 砂利が敷かれた農道をゆっくりと横断しかけたものの、しばらく佇んでいます。 

遂に方向転換すると、農道から飛び立ちました。(@2:00) 
飛び立つ瞬間に嘴を開いたので、もしかすると小声で抗議するように鳴いたのかもしれません。 
強風に煽られながら、田んぼの上空を右旋回から左旋回に切り替えながら飛び去りました。 
羽ばたきと滑空を交互に繰り返し、遠くの刈田に着陸しました。 
着陸地点の手前に別な案山子(これも旧式)が立っていましたが、ダイサギは特に恐れたり避けたりした様子はありませんでした。(@2:32) 
動かないので本物のヒトではないと見破っているようです。 

留鳥ダイサギは種子食性ではなく魚や昆虫を捕食するので、米農家にとって害鳥ではなく益鳥になります。
関連記事(3年前の撮影)▶ 収穫期の田んぼでイナゴを捕食するダイサギ(野鳥)
この日はちょうど、田んぼの稲刈りがあちこちで進行中でした。 
撮影の最後にカメラを左右にパンして、稲刈り中のコンバインを2台写しました。 
鳥の生態(食性)に関する本を読むと、稲刈り機(コンバイン)の周囲に集まって、逃げて行くイナゴを捕食する野鳥がいることが知られています。
騒音を立てて動き回るコンバインは鳥にとって恐ろしい存在であるはずなのに、それを賢く利用するのです。 
オートライシズムと呼ばれるその共生行動を私も動画に撮りたくて、毎年稲刈りシーズンになると田園地帯を探し歩いているのですが、当地ではなぜか一度も見かけたことがありません。
稲刈り作業中のコンバインの周囲からはたくさんの虫が飛び出してくるということを学習する機会がなかったのでしょうか? 
つまりオートライシズムは学習を必要とする食文化で、当地の個体群には伝来していないのかもしれません。 
あるいは、爆音器などで鳥を田畑から追い払うことがつい最近まで続いていたので、当地の野鳥はヒトを恐れる習性が抜けていないのではないかと思います。 
それとも、この辺りは餌が豊富で、オートライシズムしなくても腹が充分に満たされているのかな? 
ただし、春の田んぼを耕す際にトラクターの周囲に鳥が集まるオートライシズムは観察しています。
関連記事(3年前の撮影)▶ 耕運機を利用して虫を捕食するムクドリの群れ:オートライシズム(野鳥)
私が一番懸念しているのは、この地域の田んぼは稲刈り前に農薬を散布し過ぎて虫が少ないのではないか?という可能性です。

更に左にパンすると、鳥追いカイト(鷹型)2機が強風に煽られて激しく踊っていて、稲刈り前の区画をスズメなどから守っていました。 
この新型の案山子の近くで活動するダイサギは未だ1度も見たことがないので、鳥追いカイト(鷹型)はそれなりに防鳥効果があるようです。

タヌキの溜め糞を見張るベッコウバエ♂

 

2021年9月下旬・午後15:20頃・くもり 

里山の林道上に点々と残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞aを調べていたら、すぐ横のカエデ幼木の葉柄にベッコウバエ♂(Dryomyza formosa)が止まっていました。 
ウワミズザクラ幼木の葉に止まり直した時に横から腹背が見えて♂と判明しました。
(ベッコウバエの)♂と♀は腹部の色で見分けることができ、♂は赤褐色で黄色い長毛が生えており、♀は黒褐色で♂ほど毛が目立たない。 (『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p65より引用)
数匹のベッコウバエ♂が溜め糞の付近を飛び回るものの、近くの葉上に止まって身繕いしたりするだけで、なぜか獣糞に着陸して吸汁することはありませんでした。 
私に対して警戒心が強いのかもしれませんが、おそらく交尾相手の♀が溜め糞に飛来するのを待ち構えているのでしょう。 
薄暗い現場ではよく分からなかったのですけど、ストロボを焚いて溜め糞を撮った写真を拡大すると、タヌキの糞の表面に白い薄片のような物体が大量にまぶされていました。 
一見すると植物の種子のように見えますが、これはベッコウバエの卵なのだそうです。 
今回、残念ながらベッコウバエ♀の姿は見かけませんでした。 

 ベッコウバエは獣糞に集まる常連客の一種です。 
ヒトが溜め糞に近づくと一斉に飛び立って逃げるのですが、虫をよく知らないヒトは一瞬キイロスズメバチに見えてたじろぐかもしれません。 
天敵に捕食されないためのベーツ型の擬態なのでしょうか? 
キイロスズメバチ♀自身も溜め糞に集まる虫を狩ろうと探餌飛翔を繰り返していました。
関連記事(同日に同所で撮影)▶ タヌキの溜め糞で獲物を待ち伏せホバリングするキイロスズメバチ♀
ふと思いついたのですが、ベッコウバエの姿はキイロスズメバチ♀に襲われないための擬態ではないでしょうか? 
溜め糞の近くでキイロスズメバチ♀が狩りに成功するシーンをなんとか粘って見届けたいものです。(獲物を知りたい)

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