2017/09/12

巣で羽ばたく練習を始めたハシボソガラスの雛(野鳥)



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#5



2017年6月上旬・午後17:07〜17:34

定点観察の間隔が開いてしまいました。
13日ぶりに巣の様子を見に来たら、ハシボソガラスCorvus corone)の雛がだいぶ育っていました。
抱雛の必要がなくなった親鳥は、つがいで採餌にでかけています。(共稼ぎ)
親鳥を待っている留守中に、夕方で暗くなってきた空を背景にして、雛が巣で立ち上がって羽ばたき練習をしていました。
この巣では初見の行動です。
巣立つまでに飛翔筋の筋力をつけなければいけません。
映像の後半は、雛が自分で羽繕いしています。

今度こそ、なんとか雛の巣立ちまで見届けたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。(実際はもっと薄暗い)

つづく→#6:巣に通って雛に給餌するハシボソガラスの親鳥(野鳥)



ジギタリスの花で盗蜜するセイヨウミツバチ♀



2017年6月中旬

道端の畑の隅に咲いたジギタリス(=キツネノテブクロ)の群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
この春はなぜか昆虫の活動が激減していて心配しましたが、ようやくミツバチの個体数がフィールドで増えてきた(回復してきた)印象です。

ジギタリスの筒状の花の入り口は太いのでミツバチは容易に潜り込めるはずなのに、花筒の根元を外から食い破って(?)蜜腺を舐めていました。
このような採餌行動は盗蜜と呼ばれ、花の授粉に関与しません。
ミツバチの体に雄しべの花粉が全く触れないので、後脚の花粉籠が空荷なのは当然です。

盗蜜行動は学習を要するのだとすれば、外役に出たばかりの若い未熟なワーカーは正当訪花する気がします。
ところが私が見る限り、どの個体も決して正当訪花せずに盗蜜ばかりしています。(複数個体を撮影。)
萎れかけの花に対しても盗蜜していました。

ミツバチの盗蜜行動は以前も観察していたので、それほど珍しくはありません。

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花筒が狭くて入りにくい花なら盗蜜しても仕方ないのですけど、今回は花筒が太いジギタリスでわざわざ盗蜜していたので意外に思ったのです。

ジギタリスの花壇で初めに穿孔したのはおそらく盗蜜の常習犯として悪名高いクロマルハナバチで、ミツバチはその穴を利用する二次盗蜜者だろうと予想しました。
ところが、この花壇でしばらく観察していると、とても意外な展開になりました。

つづく→あべこべの世界(ジギタリスに正当訪花して採餌するクロマルハナバチ♀




【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
ミツバチは、マルハナバチのどの種よりも短舌であるが、自分の舌の長さに応じて訪花植物を選定するので、盗蜜はほとんどみられない。 (p150より引用)



【追記2】
岩田久二雄『自然観察者の手記3』で「盗蜜」と題した章を読んでみると、1948年に庭のジギタリスを訪花する蜂について記録を残しています。
クマバチ以外の10種の蜂は、正常な様式で筒状花の中に頭からもぐりこんで吸蜜するのであったが、花筒の基部上面にクマバチのあけた小孔のある花にくると、ミツバチとクロマルハナバチと、コハナバチの一種だけは、花筒の中に入らずにその背面にまたがって、クマバチの舌の傷跡から舌をさしこんで、盗蜜をするのであった。クマバチの頻訪で傷跡のある花筒が多くなるにつれて、これら3種の盗蜜度も次第に大きくなった。それはどうやら傷口からの花蜜の匂いが、花の筒口からの匂いよりも、手早く彼らを惹きつけるように見えた。(p158より引用)
それに対して、「(ハキリバチやヒゲナガハナバチ類など)単独性の花蜂は盗蜜は行わないのではなかろうか」という仮説を立てています。
筆者は狩蜂の専門家なのですが、そのためか「花蜂の盗蜜行動には資料が少ない」とぼやいているのが印象的でした。(p157より)



2017/09/11

ハシボソガラス♀が巣で抱雛し♂が給餌に通う(野鳥)




高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#4


2017年5月下旬・午前11:35〜11:45

いつもの撮影ポイントに三脚を据えて、まず抱雛中のハシボソガラス♀(Corvus corone)を写真で記録しました。
同時期に並行して観察している高圧線鉄塔#19(二つ隣の鉄塔)のハシボソガラスの巣よりも雛の発育が明らかに遅れています。



ところが写真撮影中にもう一羽の親鳥♂が帰巣したので、慌てて動画モードに切り替えました。
雛鳥が必死に背伸びして嘴を大きく開き、餌乞いしています。




給餌を済ませたつがいの一羽が巣から飛び立ちました。
留守番する親鳥(おそらく♀)が巣に座り込みました。
依然として雛が首を伸ばす姿が見えるので、雛の上に乗ったのではないようです。
晴天の正午前は見るからに暑そうで、抱雛の必要がないのでしょう。
親鳥が雛のために翼を広げて日陰を作ってやったりはしていません。
全ての雛がもう少し育てば自力で体温調節が可能になり、親鳥は2羽の共稼ぎで採餌に出かけられるはずです。

帰り際にアングルを変えて再びカラスの巣を撮ってみました。
鉄塔に近づくと見上げるアングルになり、巣内の雛の姿は見えなくなってしまいます。(去年の定点観察が失敗したのは、これが原因です。)
親鳥♀が巣内で何やら世話をしている動きだけが見えました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#5:巣で羽ばたく練習を始めたハシボソガラスの雛(野鳥)


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