2017/06/19

ムクドリ大群の段階的な就塒前集合(野鳥)



2016年10月下旬・午後16:52~16:58(日の入り時刻は16:46)
▼前回の記事
ヒトに追い払われ就塒前集合の場所を変えるムクドリの大群(野鳥)

逃げて行ったムクドリSturnus cineraceus)の大群を追って高圧線の鉄塔#30に近づいてみました。
実を言うと、街中にそびえ立つこの鉄塔は3ヶ月前にも2晩連続で就塒前集合していた同じ場所なのです。

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ムクドリ(野鳥)小群が前日の就塒前集合場所を経由して塒入り

ムクドリは鉄塔の天辺付近に集結して、賑やかに鳴き交わしています。
鉄塔に着陸する前にホバリング(停空飛翔)している個体も多いです。
一方で鉄骨から少しずつ溢れ落ちるように飛び降り、まるで木の葉落としのように真下の電線に移動しています。
いわゆる普通の高さの電柱に張り巡らされたこの電線がこの日三番目の(最後の)就塒前集合になります。
実はこの自発的な移動パターンも3ヶ月前に観察した通りでした。
ムクドリの群れは一発で塒入りするのではなく、塒(予定地)に少しずつ近づきながら段階的に何度も就塒前集合するようです。
塒の安全を入念に確認するためなのでしょう。

つづく→いよいよ塒入りを見届けます(集団就塒)。



池の柱から飛び立つカワセミ♂(野鳥)



2017年4月下旬

溜池の水深を計るために、電柱ほどの高さのあるコンクリートの柱が立ててあります。
その天辺にカワセミ♂(Alcedo atthis)が止まっていました。
嘴(くちばし)全体が黒いので♂ですね。
キョロキョロと池の水面を見下ろしています。
田んぼに水を入れる前の溜池は雪解け水で満水でした。
最後カワセミ♂は池に飛び降りたものの見失ってしまい、漁の成否は不明です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/06/18

ヒトに追い払われ就塒前集合の場所を変えるムクドリの大群(野鳥)



2016年10月下旬・午後16:47~16:51(日の入り時刻は16:46)
▼前回の記事
ムクドリの大群が電線に就塒前集合(野鳥)

日没直後、車道の両側に沿った電線がムクドリSturnus cineraceus)の大群でびっしり占拠されると、鳴き声が一段と騒々しくなりました。
ここで予想外のハプニングが起きました。
近所の人がハンマーを持って通りに現れ、ムクドリが止まっている電柱をトンと叩いたのです。(@0:21)※
驚いたムクドリは警戒声を発しながら一斉に飛び立ち、逃げて行きました。
しかし群れの一部は電線に残っていますし、しばらくすると電線に戻って来る個体も居ます。
逃げた群れの本体は遠くに見える高圧線の鉄塔#30の辺りを旋回しています。
ムクドリが塒入りする前に行う群飛は安全を確認したり天敵に対して威嚇誇示の効果があると言われています。
やがて鉄塔#30に続々と着陸・集結を始めました。

さっきのヒトが再びハンマーで電柱をトンと叩いて回ると(@2:47、3:35)、ムクドリ全員が電線から離れて鉄塔#30に移動しました。
第二の就塒前集合です。


※ 残念ながら、世間は野鳥に寛容な人ばかりとは限りません。
ムクドリに限らず野鳥の集団塒は規模が大きくなるほど鳴き声による騒音公害や糞害など深刻な問題を引き起こすからです。
私は基本的に何が起こっても介入せず、ひたすら無心で淡々と自然を観察・撮影するように心がけています。
今回もムクドリを追い払った人を軽々しく非難するつもりはありません。
連日のトラブルに悩まされているのだとすれば、むしろシンプルかつスマートな解決法(立ち退かせ方)に感心してしまいました。
できれば、ムクドリの就塒前集合と集団塒の違いについて近所の人に教えてあげたい気もします。
これまで本で勉強したり何度か実際にムクドリの塒入りを観察してきた私の理解では、就塒前集合したムクドリをわざわざ追い払わなくても自発的に電線から飛びたち、しばらく群飛してから別の場所(この近く)に集団就塒するはずです。

つづく→鉄塔#30に近づいてみましょう。



【追記】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、
カラスは、羽がテグスに触るのをいやがる。(中略)テグスはカラス以外の鳥にも、もちろん効果があります。ムクドリがねぐらをとる木に糸を張りめぐらして、群れをねぐらから一時的に移動させた例もあります。 (p159〜160より引用)
この専門書には他にも様々な防除法が科学的に検討されていますが一長一短なようです。
結局は、原理の異なる複数の手法を併用するのが効果的らしい。



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