2016/05/27

ハクセキレイ(野鳥)雨の日の集団就塒



2016年4月下旬・午後18:30〜18:33

ハクセキレイ♂(野鳥)集団塒の電柱:定点観察#3


朝から終日、雨模様でした。
雨はハクセキレイMotacilla alba lugens)の塒入りに影響するでしょうか?

前編(18:30 pm):
サブの塒である電柱Nには未だ1羽も居ません。
メインの塒である電柱S(主に電線)には40羽ぐらい集まっています。
身震いして雨水を振り払う個体が見えます。
柱上変圧器の近くには未だ1羽も来ていません。
横の車道を水飛沫を上げて走る車の音でかき消されてしまい、ハクセキレイの鳴き声は聞き取れませんでした。

後編(18:33 pm):
電柱Nには約15羽のハクセキレイが続々と集結しています。
電柱Sの方が圧倒的に多くの個体(50羽弱)が塒入りしています。
今回も見事に♂ばかり。
トランスの横に1羽発見。
最後は歩道の水溜りに落ちる雨粒を写して雨足の激しさを示します。
ご覧の通り小雨でした。


考察:
現場に到着した頃には小雨になっていました。
雨雲のせいで暗くなるのが早いので、晴れの日よりも就塒時刻は早まりました。
体内時計ではなく周囲の明るさの低下を感知して柔軟に塒入りするのでしょう。
皆既日食になると昼間でも暗くなりますが、鳥は慌てて塒入りするのかな?
もっと悪天候だと、鳥たちはどうするのでしょうね?
100%人工物のこの塒に雨避けになる庇などは無く、どこに止まっても鳥は雨ざらしで濡れてしまいます。
強いて言えば柱上変圧器の真下なら雨宿り出来そうですけど、特にそこへハクセキレイが集まっている様子もありません。
羽毛の手入れを日頃しっかりしていれば、雨に濡れても平気なのでしょう。
電柱Sが塒として人気が高い理由は、トランスや配線など複雑な構造物が設置されていて、隣のシンプルな電柱Nよりも多数の個体を収容できるために安心するのでしょう。
電柱が立ち並ぶ乱雑な町並みを美化するために電線類を地中化しようという都市計画の運動がありますけど、電柱に塒をとる野鳥にとっては撤去されると深刻な住宅難になり大迷惑ですね。

ちなみに、この日の日の入り時刻は18:27と発表されていますから、日没直後の撮影になります。
撮影直後(午後18:38)の測定で、気温19.7℃、湿度48%、照度25ルクスでした。
月は未だ出ていません。

つづく→#4:メインの集団塒Sに飛び込むハクセキレイの羽ばたき【ハイスピード動画】


電柱N(サブの集団塒)
電柱S(メインの集団塒)
写真の撮影時刻はすべて18:35 pm。
柱上変圧器に3羽

ヨシの葉に産卵するオツネントンボ♀【接写】



2016年5月上旬

尾繋がりしたオツネントンボSympecma paedisca)の♀♂ペアが産卵していました。
場所は、湿地帯の水溜りの岸に生えかけたヨシ(=葦、アシ)の群落です。
そっと近寄りマクロレンズで接写してみると、翅の縁紋がずれていることを確認できたので、ホソミオツネントンボではなくオツネントンボです。

ヨシ若葉の表面に止まった♀の腹端には、焦げ茶色でやや湾曲した棘状の突起があります。
その産卵管をヨシの縦に走る葉脈に沿って葉身の薄い植物組織内に器用に差し込んで、卵を一粒ずつ産み付けています。
産卵管を引き抜くと真横にずれて挿し直すため、産卵痕はほぼ等間隔で横一列に並びます。
葉縁に達すると♀はヨシの葉を少し前進してからまた横へ産み進めます。
その結果、独特のパターンで刺青のような産卵痕が並ぶことになります。
もっと細かく観察すると、♀は腹部を屈曲させΩの体勢で産卵を始めます。
♀は少しずつ腹部を後ろに伸ばしていくため、産卵痕の列は後ろへ後ろへ並びます。
腹部が伸び切ったり腹端が障害物(ヨシの茎)に突き当たったりすると、♀はヨシの葉を少し前進してから改めて産卵を再開します。

♂は産卵する♀の首根っこを掴んだままおとなしく待っています。
尾繋がりの♀♂ペアが左右の足でヨシの葉を抱え込むことで葉身を軽く丸め(凸状に湾曲)、産卵しやすくしているのかもしれません。
一心不乱に産卵する♀の前脚の先が左右ともに欠損している事に気づきました。
本種は「越年蜻蛉」の名前が示すように成虫で越冬することで有名ですから、凍傷で壊死したのかな?

帰ってから手持ちのトンボ関連本や図鑑を調べても、オツネントンボの産卵行動に関する記述は見つかりませんでした。
こんな時期に産卵するということも、植物組織内に産むことも知りませんでした。
ヨシの葉が大きく育つと産卵痕はどのような形状になるのでしょう?
ところで、孵化した幼虫(ヤゴ)はヨシの茎を歩いて降りて下の水溜りに自力で入水するのでしょうか?
ヤゴは鰓呼吸のはずですが、陸上ではどうするのでしょう?
それともヨシの葉裏から孵化してすぐ水溜りに落下するのかな?

つづく→尾繋がりのオツネントンボ♀♂が産卵開始


オツネントンボ♂側面@尾繋がり+産卵中
オツネントンボ♂縁紋@尾繋がり+産卵中
オツネントンボ♀側面@尾繋がり+産卵中。
焦げ茶色の部分に白い毛が生えています。
オツネントンボ♀産卵管@尾繋がり+産卵中@ヨシ葉

2016/05/26

枯れ枝で虫を捕食するスズメ【野鳥:ハイスピード動画】



2016年5月上旬

池の岸で落葉した立ち枯れしたハンノキの枝に居たスズメPasser montanus)の活動を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
未だ葉が芽吹いていない枯れた枝から枝へ軽快に跳び回り、虫などの獲物を探しています。
空中で軽く羽ばたくときもありました。
細い小枝に飛びついてぶら下がり、羽ばたきながらアクロバチックな体勢を披露してくれました。
最後はどこかへ飛び去りました。


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