2016/03/01

キアシナガバチの巣:昼と夜の動静【暗視映像】


2015年8月中旬

キアシナガバチ巣の定点観察@軒下#4


自然の営みに介入すべきかどうか悩むのですが、キアシナガバチPolistes rothneyi)の巣の横に張られていたクモの網を撤去しました。
完全には取り切れず、まだ少し残ったクモの巣の残骸が風になびいて目障りですね。
在巣の蜂は育房を点検して回ったり、身繕いしたりしています。(午後15:17)

同じ日の深夜(23:12)に再訪し、赤外線の暗視カメラで撮影しました。
多数のワーカーが巣盤に並んで寝静まっていました。

つづく→#5:


2016/02/29

糸を吐いて獲物を仕留めるユカタヤマシログモ(蜘蛛)【HD動画&ハイスピード動画】



2015年11月上旬

ユカタヤマシログモの飼育記録#5


ユカタヤマシログモScytodes thoracica)が糸を吐いて獲物を仕留める瞬間をどうしても動画で記録したくて、7日ぶりに給餌してみます。(三度目の正直)

浴室の隅で採取したオオヒメグモParasteatoda tepidariorum)幼体を二酸化炭素(CO2)で軽く麻酔してから生き餌として直径35mmのプラスチック容器に同居させました。
ともに地下室などの室内でよく見かけるクモですから、獲物として不自然ではありません。
クモが逃げ出さないようにサランラップで蓋をしました。
(映像はここから。)

初めは通常のHD動画で、つづいて240-fpsのハイスピード動画で撮影してみます。
麻酔から覚めたオオヒメグモが容器の縁に沿って歩き出しました。
ユカタヤマシログモは獲物と対峙すると、歩脚で距離を測ってから攻撃を仕掛けました。
口から糸を吐いた瞬間に獲物が衝撃で吹き飛ばされ、もんどり打って転げました。
吐糸には強い粘着性があり、獲物は容器の壁にへばりついて動きを封じられてしまいました。

粘着糸から振り解こうともがいている獲物に近づいてユカタヤマシログモは繰り返し何度も糸を吹き付けます。
狙いを定めて吐糸する度にユカタヤマシログモの頭胸部に大きな反動があることがよく分かります。(作用・反作用の法則)
ズキューン!という銃撃の効果音を付けたくなりますね。

後半、更に1/5倍速のスローモーションでリプレイするとよく分かるのですが、サランラップの蓋に粘着糸が偶然付着した際にジグザクの軌跡を描きました。
ジグザグの吐糸は奥から手前に向けて天井のサランラップに付着しました。
吐糸の反動で射出口が上を向くのかもしれません。
これこそまさに、ハイスピード動画で確認したかった点です。
糸疣に相当する吐糸器官が高速で噴出する糸の勢いを制御できず(あえて制御しない?)、激しく左右に振動するせいでジグザグの軌跡を描くのでしょう。
庭に水を撒くホースに強い水圧をかけるとホースの端(ノズル)をしっかり保持しなければホースが暴れだすのと似ているかもしれません。
欲を言えば、もっとハイスピードのカメラを手に入れたら撮影に再挑戦したいものです。(240-fpsでは未だ満足できません。)

不規則網の外に出したオオヒメグモが徘徊性クモのユカタヤマシログモに対峙した場合、オオヒメグモに勝算はありません。
自然の状態でオオヒメグモの不規則網にユカタヤマシログモが侵入して積極的に狩りに挑むことがあるのかどうか、興味があります。(ホーム&アウェーの戦い)

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。
ハイスピード動画を撮るには非常に強い照明が必要となります。
その一方で、照明の反射が邪魔にならないよう角度を調節するのが面倒でした。
糸が見えやすいように容器の下に黒布を敷きました。


【参考文献】

池田博明「ユカタヤマシログモの吐糸説」(PDFファイル

クモ画像集:ユカタヤマシログモできどばんさんのコメントによると、

ユカタヤマシログモの粘液発射口は牙先端近く、他のクモが消化液を出す孔と同じです。
図鑑には「上顎基部先端にある粘液射出口」という表現が見られるが、「上顎」に粘液の出る場所はない。
つづく→#6:ユカタヤマシログモ(蜘蛛)の吐いた粘着糸で逃れられないオオヒメグモ


【追記】
『クモのはなしII:糸と織りなす不思議な世界への旅』p85によると、(「第11章 ユカタヤマシログモの投網」)
(ヤマシログモ属の)クモの頭部にはほかのクモとは違った奇妙な特殊化があります。毒腺が前後に分かれていて、前部で毒を、後部で糊状物質を生産しているのです。そして、獲物を見つけると、筋肉をすばやく収縮させて、毒と糊をいっしょに吐き出します。



2016/02/27

落穂を採食するドバト(野鳥)の群れとつつきの順位



2015年11月上旬

住宅地に囲まれた稲刈り後の田んぼにドバト(=カワラバト;Columba livia)が群がっていました。
列になった刈株の間でイネの落穂を採食しているようです。
ときどき頭を上げて辺りを警戒しています。
群れで採食する利点の一つとして、交互に見張りを務めることで採食時間を最大に出来るのです。



採食中、近くにいた個体に跳びかかるように軽くつついて追いやることが度々あります。
やられた方は反撃せずおとなしく離れました。
群れ内につつきの順位(順位制)があるのでしょう。

聞こえるのは背後の住宅地に居るスズメの群れの鳴き声だけで、ハトは鳴いていないようです。
最後は何かに驚いたのか、一斉に飛んで逃げられました。
撮影後に田んぼの様子を見に行くと、刈株から新芽も伸びていましたけど、ハトは種子食のはずなので「落穂拾い」としました。
水溜りは無かったので、飲水行動ではありません。





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