2016/02/25

笹の葉に眼下腺でマーキングするニホンカモシカ



2015年11月上旬

私が里山の山道を登っていると、横の藪に座って休んでいた野生のニホンカモシカCapricornis crispus)が驚いて立ち上がりました。
しばらく対峙した後に、いつものように鼻息を荒らげる威嚇をしつつ少し走り去りました。
絶好の撮影チャンスなのに、カメラの起動トラブルで痛恨のタイムロス。
(動画はここから。)
こちらを振り返ったカモシカの顔をよく見ても、耳介や角に個体識別できそうな特徴は無さそうです。(見覚えがない個体)
カモシカは道端の笹の葉裏の匂いを頻りに嗅ぐと、眼下腺を擦り付けてマーキングしました。(@0:23)
つづいて横から伸びた枯れ枝の先を齧りました。(@1:13)
採食というほど本格的ではなく、気紛れかもしれません。
緩やかな上り坂をゆっくり歩き去り、つづら折れを右に曲がり姿を消しました。
(映像はここまで。)

急いで追いかけるも、見失いました。
どうもカモシカにまかれたようで、なぜか背後から威嚇の鼻息が響いてきました。
私も真似して応酬します。
その後も再会できませんでした。

今思うと、カモシカがマーキングした笹の匂いを私も実際に嗅いでみればよかったですね…。

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ニホンカモシカの眼下腺マーキング



2016/02/24

巣に侵入したクサギカメムシを追い払うキイロスズメバチ♀



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#10


以前の定点観察#3キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が営巣する軒下をウロウロと歩き回っている黒っぽい昆虫が気になりました。
スズメバチの巣に寄生するハネカクシやゴキブリだとしたら面白い話です。

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コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
巣に侵入するナミクシヒゲハネカクシ?を殺すモンスズメバチ♀門衛

この日の観察では、謎の虫の正体を突き止めることに専念しました。


シーン1:6倍速映像

クサギカメムシHalyomorpha halys)が軒下の垂木に沿って右往左往しています。
おそらく越冬場所を探し回っているのでしょう。
晩秋になると毎年クサギカメムシは屋根裏や屋内にも続々と侵入して集団越冬することが知られています。
カメムシの歩行を見ていても、スズメバチの巣に誘引された動きではなさそうです。
遂にキイロスズメバチの外被に偶然迷い込みました。(@1:14〜)
しかし巣の本体まで降りてくることはなく、そのまま軒下の棟木へ移動しました。
在巣のスズメバチは未だカメムシに気づいていないのか、それとも無害だと無視(黙認)しているのでしょうか。
カメムシを攻撃したり獲物として狩ったりすることはありませんでした。



シーン2:1倍速(リアルタイム)映像(@1:25〜)

棟木の付近の外被にクサギカメムシが迷い込んで徘徊しています。
近くで外被を増築していたキイロスズメバチ♀にも気づかれず、ひっそりと立ち去りました。


シーン3:1/8倍速スローモーション(@2:10〜)

後半は巣に出入りするキイロスズメバチ♀の飛翔シーンを狙って240-fpsのハイスピード動画に記録しようと長撮りを繰り返しました。
軒下が薄暗いせいで(光量不足)蜂の羽ばたきがあまり上手く撮れなかったのですが、その映像の中に興味深い対決シーンが偶然写っていました。
巣の外被上はなぜか騒然としており、4〜5匹の蜂が巣口の周りを羽ばたきながらパトロールしています。
巣に迷い込んだクサギカメムシが外被に静止していると保護色で非常に見えにくいですね。(動き出さないと気づきません。)
外被上に迷い込んだクサギカメムシが遂に外被点検中のキイロスズメバチのワーカー♀に見つかってしまいました。
蜂は羽ばたいて威嚇しながらカメムシを追い立てます。
安易に噛み付いたり攻撃を加えないのは、毒ガスの反撃を恐れているのかもしれません。
(これまでに何度も繰り返し侵入されて、蜂もカメムシ対処法を学習していそうです。)
慌てて逃げるカメムシは外被から転げ落ちました。(@3:10)
追跡者は震わせていた羽ばたきを止めました。

同様のシーンがもう一度繰り返されます。
ところが今回は、外被上を逃げるカメムシが一直線に巣口へ向かっています。
巣内へ侵入した!と思いきやキイロスズメバチの門衛に撃退され、挟み撃ちされたカメムシは落下しました。(@4:55)
追跡していた蜂もすぐに飛び立ちました。
その後の展開も興味深く、巣口から出てきた門衛が興奮したように羽ばたきながら巣口周囲の外被をパトロールしてから巣に戻りました。
映像ではいまいちはっきりしないのですが、入巣直前の羽ばたきが扇風行動のように見えました。
頭は巣内を向いているので、ニホンミツバチがやるような排気行動だとすると、追い払ったカメムシの最後っ屁(毒ガス)を換気しているのかもしれません。
巣内の冷却が必要になるほどこの日の気温は暑くありませんし、扇風行動が見られたのはカメムシ遭遇戦の直後だけでした。


肉食性のカメムシでない限り、もしスズメバチの巣への侵入が成功したとしても無害な居候として潜伏するだけでしょう。
寄生や共生のような緊張を伴う緊密な関係ではないはずです。
スズメバチの巣は断熱材で守られたシェルターですから、クサギカメムシが越冬する隠れ家として向いているかもしれません。
クサギカメムシがキイロスズメバチの巣に次々と侵入すれば、やがて集合フェロモンの効果であたかもスズメバチの巣に誘引されているように見えるはずです。




コロニーが解散した後にスズメバチの古巣を調べてみれば、多数のカメムシが集団越冬していそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→#11:キイロスズメバチの巣に侵入する寄生ハエ?



2016/02/23

アメリカセンダングサの花から飛び立つキタキチョウ【HD動画&ハイスピード動画】



2015年10月下旬

郊外の道端に咲いたアメリカセンダングサの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。
口吻を伸ばして花蜜を吸っています。
閉じた翅裏の紋様がいつも白飛びしてしまうのが悩みです。(少し斜めのアングルから撮るしかないのかな?)
後半は花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(@1:01〜)
スローモーションで見なければ、キチョウの翅表にこんな紋様があるとはなかなか気づかないでしょう。


▼関連記事(マクロ動画)
キタキチョウの訪花@アメリカセンダングサ



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