2016/01/14

クスサン(蛾)の走光性



2015年10月上旬・午後18:13〜18:15

いよいよ羽化したクスサンCaligula japonica japonica)成虫が飛び回る季節の到来です
1頭の大きなクスサンが夜の交差点を照らす外灯の虜になり、周りを乱舞していました。
絵に描いたような走光性ですね。

オレンジ色の光が眩し過ぎて、ビデオカメラのAFも眩んでしまうのか、どうしてもピンぼけになりがちです。

さて、このオレンジ色の外灯はナトリウムランプだと思うのですが、それでも夜行性の蛾を誘引してしまう(改善の余地がある)のですね。

紫外線を発しないので蛾などの昆虫が集まらず、汚れにくいのでメンテナンス上有利(wikipediaより)
道路の街灯の色は何故オレンジ色がおおいのですか?(Yahoo知恵袋より)

道路照明には夜行性の昆虫が群がり寄る心配がありますが、昆虫は特に紫外線に感応し黄色の光の波長域には感応しません。従って黄色の単色光だけを出すナトリウム灯には昆虫は近づかないのです。


▼関連記事
クスサン♂(蛾)の悲劇:走光性と光害問題



【追記】
松原始『カラス先生のはじめてのいきもの観察』という本を読むと、昆虫の走光性(飛んで火に入る夏の虫)についてコンパクトに解説されていました。
昆虫は光源に対して一定の角度を保って飛ぶという、極めて単純な誘導システムを使うと考えられている。
月に対して一定の角度を保って飛ぶだけで、短時間なら、昆虫は直進できる。だから、彼らは夜空に浮かぶ明るい光源を目印にするのだ。だが、この光源が思ったより近かったら、どうなるだろう?
光源に対して90度より小さい角度を保って飛んだ場合、ムシの飛跡は螺旋を描きながら光源に近づき、最後は衝突する。 90度より大きい場合は、螺旋を描きながら光源から遠ざかる。光源から遠ざかる場合があったとしても、そういう虫は闇の中に消えてしまうので、我々の目に止まらない。90度ぴったりの場合は、円軌道を描いて光源の周囲を回り続けることになる。 灯りに向かって飛びこみ続ける鬱陶しいムシは、本来ならちゃんと機能するはずだったルールに従っているにすぎない。言ってみれば、光源なんてものを手の届く距離に作り出した人間の犠牲者なのだ。 (p147-149より引用)

下線部でも特に90度より大きい場合について書かれた解説はあまり読んだことがなかったので、そう言われて初めて気付かされました。(目から鱗)



2016/01/13

軒下で大きく育つキイロスズメバチの巣:増築中



2015年10月上旬・午後15:42〜15:52

キイロスズメバチ巣の定点観察#1


山麓に佇む木造家屋の南西に面した軒下にキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣を見つけました。
この時期に営巣中のコロニーは初見です。
ワーカー♀は外被を増築中でした。
10月になっても未だ活発に巣を拡張していることに驚きました。

下から見上げると巣の外被は楕円球でした。
薄暗い軒下で屋根の棟木と垂木の接続部に吊り下げられています。
スズメバチの古巣を除去した痕跡が隣の垂木に見えるので、毎年のように代々ここで営巣しているのかもしれません。
外被中央に一つだけある巣口に蜂が何匹も出入りしています。
常に門衛が中から巣口を守っていますが、たまに門衛が居なくなると巣内に白い繭が見えました。
後半は、外被右下で造巣中のワーカーを狙って撮影します。
巣材を使い切ると、入れ替わるように別個体が近くで造巣を始めます。

キイロスズメバチは攻撃性が高いとされているので不安でしたが、巣の真下でカメラのストロボを焚いても怒って攻撃してくることはありませんでした。
動画撮影時には気づかなかったのですけど、写真を見直すと雄蜂がときどき外被を徘徊してるようです。(♂は触角が長く腹部の体節も♀より1節多い)
このコロニー出身の♂なのか、それとも交尾相手の新女王を求めて他のコロニーから訪問してきた♂なのでしょうか?

営巣地の目の前はスギの大木が2本立ち、横に沢が流れている自然豊かな環境です。
キイロスズメバチ♀はこの杉の木から巣材の樹皮を採取してくるのではないかと予想したものの、実際には確かめられませんでした。

※ 軒下で撮った薄暗い映像を動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2:巣の外被で寝るキイロスズメバチ♀【暗視映像】


全景
全景
別アングル
♀♂
♀♂

イヌサフランの花粉を舐めるオオハナアブ♀



2015年10月上旬

道端の花壇に咲いたイヌサフランオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。
花蜜ではなく雄しべの葯から花粉を舐めています。
(※ 雄しべが6本なので、3本のクロッカスは除外できます。)
食事の合間に脚を擦り合わせて身繕いしています。
粘って撮り続けると、花から飛び立ち見事なホバリングを披露してくれました。



ランダムに記事を読む