2015/12/23

夜キアシナガバチの巣に侵入するワラジムシ【暗視映像】



2015年9月中旬・午前3:10

キアシナガバチ巣の定点観察@トウカエデ枝#10


深夜にキアシナガバチPolistes rothneyi)の巣を訪れ、いつものように赤外線の暗視カメラで撮り始めました。
巣上で寝ている蜂の数は激減して♀2匹のみになっていました。
巣盤の幹に近い側に2匹並んでしがみついています。
新女王かもしれません。

巣盤上を徘徊する怪しい虫を見つけて、一気に緊迫(興奮)しました。
スズメバチ科の巣を訪れる虫、同居する虫に最近興味がある私は、寄生蛾♀が産卵しに来たのか?、それともゴキブリか?と期待しました。

▼関連記事コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
予想は外れ、侵入者の正体は新たな珍客ワラジムシPorcellio scaber)でした。
好蟻性昆虫は非常に繁栄していますけど、好蜂性生物の研究はどの程度進んでいるのですかね? 

巣盤を下から見上げると、ワラジムシが育房を活発に這い回っています。
並んで寝ていた2匹のキアシナガバチ♀が同時にぴくりと動いたので、ワラジムシが脚先に触れたようです。
不審な侵入者を見つけて積極的に攻撃したり追い払ったりする様子は見られませんでした。

さて、ワラジムシがアシナガバチの巣で何の用があるのでしょうか?
共生関係とは思いませんが、ワラジムシは雑食性ですから蜂の巣を食害していたら面白いですね。
蜂の子(前蛹)が排泄した糞も育房内に残されているはずです。
確証を得るには、飼育下でアシナガバチの古巣を餌として与えてワラジムシが育つかどうか調べればよいでしょう。
しかし、営巣地のトウカエデの幹には普段からワラジムシが多く見つかることに気づきました。
ワラジムシはあまりにも普通種なので眼中になく見過ごしていましたが、7月下旬の昼間にキアシナガバチの巣を撮った写真でトウカエデの枝先にワラジムシが偶然写っていました。



トウカエデの剥がれかけた樹皮の隙間などに潜んで暮らしている、と考えるのが自然でしょう。
蜂の巣に居候しているというよりも、深夜徘徊中にたまたま蜂の巣に迷い込んだのだと思います。

白色LEDを点灯すると、蜂の足元に潜り込もうとしていたワラジムシは眩しい光を嫌って巣盤天井部に隠れてしまいました。
一方、蜂は照明に対して無反応で、触角を動かしただけでした。
寝ている蜂の目の前をワラジムシが横切っても、キアシナガバチ♀は攻撃しません。
別個体のワラジムシが手前の幹を徘徊しています。
巣に侵入したワラジムシをキアシナガバチが襲わないのは、暗闇で目が見えないからというよりも、ワラジムシを敵視していない(無害という認識で眼中にない)印象です。
屁理屈を言えば、ワラジムシが蜂の巣に安全に潜入するために体表を化学擬態している可能性もありますけど、さすがに妄想が過ぎますかね?
明るい昼間にアシナガバチの巣にワラジムシを乗せてみて排除されるかどうか、導入実験が必要です。
定点観察で巣上のワラジムシを見たのはこの一度きりでした。(昼間は一度も気づきませんでした)

つづく→#11:台風の大雨を巣で耐え忍ぶキアシナガバチ♀


食用菊の畑で採食するスズメ(野鳥)



2015年9月中旬

食用菊を栽培している畑でスズメPasser montanus)の幼鳥が群れでいました。
初めは畑の端で地上採食していましたが、後半は食用菊の株の茂みに隠れながら葉をつついて虫を捕食していました。
(前後半で別個体)


2015/12/22

卵嚢から孵化するトリノフンダマシ(蜘蛛)幼体



2015年9月下旬

トリノフンダマシ♀の定点観察#13

トリノフンダマシCyrtarachne bufo)幼体の出嚢を今度は微速度撮影ではなくリアルタイムで接写してみました。
卵嚢表面の穴から脱出すると、前の個体が残した糸を伝って綱渡りのように容器内に分散します。
脱出を躊躇う個体も見受けられます。
脱出した幼体を接写すると、腹部はオレンジ色がかった褐色系で頭胸部は灰色、腹部腹面は黒っぽいです。
単眼付近は橙色っぽいです。

つづく→#14:トリノフンダマシ(蜘蛛)幼体は団居を作らない?



ランダムに記事を読む