2015/12/22

卵嚢から孵化するトリノフンダマシ(蜘蛛)幼体



2015年9月下旬

トリノフンダマシ♀の定点観察#13

トリノフンダマシCyrtarachne bufo)幼体の出嚢を今度は微速度撮影ではなくリアルタイムで接写してみました。
卵嚢表面の穴から脱出すると、前の個体が残した糸を伝って綱渡りのように容器内に分散します。
脱出を躊躇う個体も見受けられます。
脱出した幼体を接写すると、腹部はオレンジ色がかった褐色系で頭胸部は灰色、腹部腹面は黒っぽいです。
単眼付近は橙色っぽいです。

つづく→#14:トリノフンダマシ(蜘蛛)幼体は団居を作らない?



夜にコガタスズメバチの巣をノックすると…【暗視映像】



2015年8月下旬・午前3:45頃

コガタスズメバチ巣の定点観察@祠・軒下#2


深夜に訪れるとコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣は静まり返っていました。
赤外線の暗視カメラで下から撮ると、気配を感じたのか巣口内で動きがあり、門衛が顔を覗かせました。
しかし外被の外に出てきてパトロールすることはありませんでした。

白色LEDを点灯すると、育房内に白い繭キャップが見えます。
その隣には老熟幼虫も見えました。

暗視モードに戻してから、細い棒で巣の外被を軽くコンコン叩いたり擦ったりしてみたのですが(良い子は真似をしないでね!)、意外にも巣口からワーカーが出て来ずに籠城したままです。
1分以上しつこく刺激しても怒って攻撃してくることはありませんでした。
門衛も奥に引っ込んでしまいました。
外被が壊れるほどダメージを与えれば、さすがに夜も反撃してくるのかな?

コガタスズメバチの巣にゴキブリが同居しているのではないかという可能性を前回検討しましたが、外被に与えた振動で巣からゴキブリが逃げ出してこないかな?という期待も外れました。

前年に同じ営巣地のコロニーで同様の実験をした時と結果は同じでした。
去年はコロニーが小規模のまま停滞している(創設女王の妊性が低い)からかな?と思ったのですが、別に不思議ではなかったようです。
夜のコガタスズメバチはキイロスズメバチやモンスズメバチとは異なり、攻撃性・活動性が低いのでしょう。

(今季は昼間に観察できていないので、コロニーの個体数を把握していません。)
▼関連記事
夜は静かなコガタスズメバチの巣【暗視映像】@2014年8月下旬:このときは1匹だけが外被を点検に出てきた
逃去した?コガタスズメバチの巣@2014年9月上旬:無反応
つづく→#3

2015/12/21

トリノフンダマシ幼体(蜘蛛)の出嚢【微速度撮影】

2015年9月下旬

トリノフンダマシ♀の定点観察#12


桑の葉裏に吊るされたトリノフンダマシCyrtarachne bufo)の卵嚢3個を採集して室内で飼育することにしました。



同属の近縁種オオトリノフンダマシ(Cyrtarachne inaequalis)の場合、紡錘形の卵嚢に出来る脱出孔は必ず重力と反対側に出来ることが実証されているそうです。
(文葉社『クモの巣と網の不思議:多様な網とクモの面白い生活』p131より)。
中の幼体に負の重力走性(走地性)があり、脱出しようと上に向かって同じ位置を噛み付いた結果、開孔するのだそうです。



▼関連記事(2006年の撮影)
オオトリノフンダマシ幼体の出嚢:前編

トリノフンダマシとオオトリノフンダマシは卵嚢の形状が明確に異なります(球形、紡錘形)。
今回、同じ母クモが産んだと思われる卵嚢を3個手に入れたので、私も真似をしてトリノフンダマシの球形の卵嚢で実験してみることにしました。
採集時の自然状態の向きに対して正立、倒立、横向きと3種類の条件で木工用ボンドやリングなどを使って容器内に固定しました。





採集して4日後の晩、幼体の孵化が始まりました。
出嚢したのは密閉容器内に正立して置いた卵嚢です。
つまり、採集時(自然状態)と上下を同じ向きにしておいた卵嚢です。
初めの2個の卵嚢に関しては母クモが産卵した順番が分かりません。

普通に考えれば産卵順に孵化するのでしょう。
真上ではないものの、確かに卵嚢の上部を食い破って穴を開け、幼体が続々と脱出してきます。
大小2個の脱出孔が並んでいます。
大脱走の様子を3時間、微速度撮影してみました。
60倍速の早回し映像でご覧ください。

【おまけの動画】
早回し速度を変えたバージョンを2本、ブログ限定公開します。
眠れない夜にでもご覧下さい。
「羊が1匹、羊が2匹、… zzz」




↑40倍速映像



↑10倍速映像

つづく→#13:卵嚢から孵化するトリノフンダマシ(蜘蛛)幼体




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