2015/12/10

カシノシマメイガ♀(蛾)の海老反り姿勢



2015年9月中旬

飼育を始めたカシノシマメイガ♀(Pyralis farinalis)が容器内で海老反り姿勢で静止しています。
以前飼育したノシメマダラメイガでは♀が性フェロモンを放出するコーリング姿勢なのですが、カシノシマメイガではどうなのでしょう?
同じメイガ科だし、てっきり行動も同じかと思いこみ、この動画もカシノシマメイガ♀のコーリングを撮ったつもりでいました。
ところが、どうも違うようです。

DMOTHサイトを参照するとカシノシマメイガ性別の見分け方が解説されていました。

触角♂は微毛状, ♀は糸状. 一般に♂は小さく, ♀は大きいが, 大きさの変異は著しい. 成虫は家屋内で見られ, 壁などに静止しているときは,腹部を強く曲げて特異な姿勢をとる.

♂♀ともにしゃちほこのような海老反り姿勢になる、という解釈で良いのかな?
英語版wikipediaにも次の記述がありました。

At rest, adult moths (imagines) typically hold the tip of their abdomen at 90° to their body.

顔を接写してみると、複眼が緑褐色で美しいですね。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



車庫で連日捕獲したカシノシマメイガを片端から容器に投入して、計17匹もなりました。
しかし容器内での求愛・交尾行動はなぜか見られないまま次々に死んでいきます。
待てど暮らせど幼虫が孵化してこないのは何故だろうと不思議でした。(採集した成虫の性比が偏っているのか?)
成虫の死骸を調べると、ノシメマダラメイガとは異なりカシノシマメイガ成虫には口吻があることにようやく気づきました。
ノシメマダラメイガは口吻が退化しており成虫の餌は不要でした。
それに対してカシノシマメイガの場合は成虫にも餌(花蜜、砂糖水?)を与えないと飼えないのだと分かりました。


【追記1】

桑原保正『性フェロモン:オスを誘惑する物質の秘密』によると、
(シマメイガ亜科カシノシマメイガの)性フェロモンの存在が生物試験で確認できており、マダラメイガ亜科とは性フェロモンの構造が違うだろうと予想していた(中略)。この虫は飼育ができないためか、現在もまだフェロモンの化学構造はわかっていない。 (p122より引用)



【追記2】
2015年12月上旬

飼育を諦めて容器を放置していたら、容器の蓋の裏に3匹の老熟幼虫が糸を綴った巣を作り、中で越冬していました。
片手間に飼育していたので、幼虫の成長を見逃してしまったのが残念です。


DMOTHサイトでカシノシマメイガの解説を参照すると

幼虫は貯穀, 菓子, 干果, 乾燥した動物の糞などを食べ, 幼虫態で越冬する.

2015/12/09

ニホンザルとガードレール



2015年9月中旬

山間部の峠道で遭遇した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れ。
路肩からガードレールにひらりと跳び乗り腰掛けたり、ガードレールの上を四足で平均台のように伝い歩いたりする様子をまとめてみました。
鞍馬のようにガードレール上で座る向きをひらりと180°変える技も披露してくれました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



寄生蛾に食害されたセグロアシナガバチ?の巣



2015年9月中旬

セグロアシナガバチ巣の定点観察#7


※ このコロニーの蜂はセグロアシナガバチ(Polistes jokahamae)ではなく、キアシナガバチ(Polistes rothneyi)の前伸腹節の黄紋が無い斑紋変異なのかもしれません。

4週間(27日)ぶりに様子を見に行くと、状況は一変しひっそりと静まり返っていました。
恐れていたように、今年もいつの間にか巣に寄生蛾が産卵し蛾の幼虫に食害されてしまったようです。
育房内に寄生蛾の幼虫の張り巡らした糸や糞が見え、汚らしい状態です。

前回の写真を見直すと蜂が多数居る時から既に寄生されていたようで、コロニー解散後の空き巣になってから寄生されたのではありません。
空き巣かと思いきや、巣盤の上(画面左上)に1匹の♀がちらっと見えました。
このコロニーは全滅する前に少数でも新女王を輩出したのでしょうか?
古巣を採集できれば寄生蛾の成虫が羽化するまで飼育して正体を突き止められるでしょう(例年通りならおそらくマダラトガリホソガの一種Anatrachyntis sp.と予想)。
しかし、とても手が届かない高所に営巣しているので、指を咥えて見ているしかありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完



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