2015/11/19

ニラの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♂



2015年9月中旬

郊外の住宅地の道端に生えたニラの群落でフタモンアシナガバチ♂(Polistes chinensis antennalis)が訪花していました。
雄蜂の特徴である白っぽい頭楯とカールした触角がチラッと見えます。
群飛というほどの規模ではありませんが、複数個体が飛び回っていました。
訪花している同種の♂だけでなく、他種の蜂にも誰かれ構わず飛び付くのを目撃しています(誤認交尾)。



2015/11/18

ジョロウグモ(蜘蛛)亜成体♀をガードするα♂:求愛とパトロール



2015年9月上旬

ジョロウグモ♀♂の定点観察#2


窓の外に張られた網にジョロウグモNephila clavata)♀亜成体とα♂成体が同居しています。
α♂はライバル♂から♀をガードしつつ交接のチャンスを待っている(交接前ガード)はずですが、♀から離れ再び活発に網を徘徊し始めました。

♀の下部に小さなクモが見えるのですけど、α♂も追い払ったりせず黙認しています。(別種の居候クモなのかな?)
パトロールを終えたα♂が♀の少し上で落ち着きました(下向きに占座)。
その場でα♂が網を爪先で頻りに弾く行動を始めました。(@2:15〜)
これは♀への求愛行動なのでしょうか?(近づいて交接する前に♀の攻撃衝動を宥めるための信号?)
しかし♀の琴線に触れなかったようで、全くの無反応でつれない様子。(このとき♀は脱皮前の亜成体だったと後に判明します。)
α♂にズームインすると、身繕いではなく辺りの網から糸屑を掻き寄せて食べているようにも見えます。(@2:38〜)
網を壊しながら(?)♀に接近するものの、♀が嫌がって歩脚を動かし、♂は退散しました。
すぐにまた同じ恋のアプローチを繰り返すα♂に対して、♀は歩脚で牽制しています。

なぜかα♂が上を向いて網を移動し画角から消えました。(@7:40)
後で思うとライバルのβ♂が上から侵入してα♂はそれを撃退に向かったのかもしれませんが、撮影時の私は未だ気づいていません。
しばらくすると、α♂が♀の近くに戻ってきました。(@7:45)
♀の斜め後方で下向きに占座し、漸く落ち着きました。
しかしまたα♂がピクピク動き始めました。
網に振動を与えるのは、必ずしも♀への求愛ではなく、ライバル♂に対して威嚇の信号を送っているような気がしてきました。
α♂が再び網の上部へパトロールに向かいました。
♀の近くに戻ってくると、爪先で網を弾いています。
向きを変えながら(横向き→上向き)糸をかき鳴らしています。
♂が落ち着きなくパトロールを繰り返すのは、別の♂が来たと♀に思わせて交接するチャンスを上げようとする作戦なのか?と妄想を逞しくして見ていました。

♂が♀を口説き落とすために網を弾いて一体どのような音色を奏でているのか、マイクを使って録音してみたいものです。(具体的にどう設置すればよいか分かりませんが)
求愛信号と威嚇信号の音色やリズムはどう違うのか、非常に興味があります。

落ち着きのないα♂とは対照的に亜成体♀はその間、知らぬ顔で静止しています。(全く無反応)


※ ガラス窓越しに撮ったやや不鮮明な映像に対して、動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:ジョロウグモ(蜘蛛)の交接前ガード【10倍速映像】

【追記】
『自然の観察事典21:網をはるクモ観察事典』p20によれば、

(ジョロウグモの)♀が脱皮して成体になるのは、9月の上旬すぎです。それまでは、♂は結婚したくてもできません。成体になるまえの♀の生殖孔は、皮ふでおおわれ、交接できないようにふさがっています。






夕刻の巣で♀同士キスするキアシナガバチ【暗視映像】



2015年7月中旬・午後17:50

キアシナガバチ巣の定点観察@トウカエデ枝#5


同じ日の16:00頃から雷雨(夕立)が降りました。
雨が上がってからキアシナガバチPolistes rothneyi)の様子をまた見に行くと、昼間より在巣の蜂が増えていました。
巣盤からはみ出して巣柄の上のトウカエデの枝に掴まっている♀個体もいます。
トウカエデの枝葉が生い茂っているおかげで大雨の後でも巣は濡れていないようです。
したがって、期待した排水行動は見られませんでした。

夕暮れ時の木陰は光量不足なので赤外線の暗視カメラで撮ると、蜂は未だ寝静まってはおらず、各自が化粧(身繕い)しています。
暗がりで♀同士が口づけを交わし栄養交換していました。
この場合、食事というよりも社会的な挨拶の意味合いがありそうです。

ちなみにこの日の公式な日没時刻は19:02。

つづく→#6:ビニール傘を警戒する巣上のキアシナガバチ♀


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