2015/10/30

夜の田んぼで鳴くケラ♪



2015年8月下旬・夜19:40〜19:45

夜の田んぼで畦道からケラGryllotalpa orientalis)が「ビー♪」と鳴く連続音が聞こえています。
姿は見えないものの、鳴き声だけでも暗視ビデオカメラで録音しました。
横の車道を車が通っても気にせず地中で鳴き続けています。
ケラは♀も鳴けるらしい。(他の直翅類とは異なり、鳴いている個体が♂とは限らない。)
こんな身近な場所でケラが生息しているとは知りませんでした。
この辺りの水田は減農薬なのだろうか?
一度その存在に気づくと、数カ所で鳴いていることが分かりました。(動画では2匹撮影)
後半の耳障りなノイズはビデオカメラが至近距離で鳴くケラの声に共鳴・共振したのですかね?

ケラの鳴き声を声紋解析してみる?


2015/10/29

ノブドウの花蜜を吸うキアシナガバチ黄紋変異♀



2015年8月中旬

山間部の峠道の横に生えたノブドウの群落でキアシナガバチPolistes rothneyi)のワーカー♀が訪花していました。

前伸腹節に黄紋が無い点はセグロアシナガバチと似ているものの、他の特徴はキアシナガバチっぽくて※、非常に悩ましいです。
キアシナガバチの黄紋変異なのでしょうか?
「この蜂は斯々然々の理由でこっちだ!」と玄人っぽく断定できるようになりたいものです。(後述)
実はこの近くの軒下に営巣したコロニーを定点観察していて、そのコロニーは創設女王、ワーカー♀、♂ともに同じ形質※を有しています。
したがって、この家系で遺伝する安定した形質のようです。
今回見つけたワーカー♀を一時捕獲して個体識別のマーキングを施せば、軒下の巣から通って来ていることが証明できたかもしれません。

▼関連記事(平地で観察した正真正銘のセグロアシナガバチ)
ノブドウの花蜜を吸うセグロアシナガバチ♀

【追記】
『日本の昆虫3:フタモンアシナガバチ』のp154から「日本産アシナガバチ属の検索表」が掲載されていたのを思い出して、該当部分を参照してみました。
後頭の隆条(occipital carina)は完全で大腮のつけ根に達する。前伸腹節の背面と側面の境界は角ばり、横走線条は強く完全で後胸側板との境界に達する。♂の触角先端は顕著なうちわ状。……Polistes rothneyi CAMERON


後頭隆条は不完全で大腮つけ根には達しない。前伸腹節の側面への角ばりはゆるく、横走線条は不完全で後胸側板との境界には届かない。♂の触角先端は正常。……Polistes jadwigae DALLA TORRE

後頭隆条がどこを指しているのかよく分からないのですが、前伸腹節に関する記述(下線)と下の写真を見比べてみました。
中胸背および前伸腹節の黄色い2縦線を欠いても、キアシナガバチと同定して良さそうです。


比較のために、セグロアシナガバチ♀の写真を再掲します。

中胸背に黄色の縦線が見られない黄斑変異の雄蜂も昔見かけています。
▼関連記事キアシナガバチ♂(黄斑変異)vs.栗のイガ

ジョロウグモ♀♂(蜘蛛)の交接



2015年8月下旬・午後16:04〜16:11

家屋の軒下に張られた馬蹄形の網でジョロウグモNephila clavata)♀♂が同居していました。
♀はやや小さ目の個体で、網に居る♂は1匹のみでした。
徐ろに♂が♀に接近して交接を始めるシーンを目撃したので、慌ててカメラを持って来ました。
すぐ横に脱皮殻がぶら下がっているので、♀は脱皮して成体になったばかりなのでしょう。

♂は左側の触肢の尖った先端を♀腹面の外雌器に挿し込んでいます。
触肢の基部血嚢を風船のように伸縮させて精子を送り込んでいます。
せっかくマクロレンズで接写したのに、風で網が揺れで苦戦しました。
※ 接写パートは動画編集時に自動色調補正を施してあります。

それまでおとなしくしていた♀が急に動き始め(@4:50)、交接は打ち切られました。
交接が完了しても性的共食いは見られず、♂は無事に♀から離れました。
別れの瞬間を記録できたのは収穫です。
逃げた♂は♀の網の少し離れた位置で落ち着きました。
♀は背側を向けて下向きに占座。

全景を撮ると、網には針葉樹(メタセコイア?)の落ち葉が多数付着していますが、取り除かれていません。
♀の上に居る♂が再び交接を挑むのではないかと期待したものの、休んでいるだけで動きがありません。
最後はもう一度接写したら網にマクロレンズが触れてしまったようで、♂が移動を始めました。



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