2015/02/11

雑木林のニホンカモシカ



2014年10月下旬

里山の雑木林で野生ニホンカモシカCapricornis crispus)と遭遇しました。
私が斜面を静かに登っていると、向こうが先に気づいた模様。
カモシカの方が斜面のやや上に位置しており、こちらを真っ直ぐに見つめています。
角の根元の角輪が目立つものの、角自体は細いようです。
耳介に個体識別できそうな特徴はありませんでした。

長いにらめっこの末に根負けしたようにカモシカが先に視線を外しました。
体の向きを変え、左半身を見せつつ歩き去り始めました。(@1:50)
木立の陰(死角)に入った所で立ち止まり、フシュ♪と威嚇の鼻息を鋭く発しました。(@1:57)
私が横に少し動いて全身像を映像に収めると、連続して鼻息で威嚇してきます。
やがて腹立たしそうに鼻息威嚇を続けながら逃走開始。(@2:13)
斜面を駆け下り、森の奥へ姿を消しました。
その後もしばらく、鼻息威嚇の音が響いてきました。

贅沢な話ですが、カモシカと遭遇しても一連の行動が毎度毎度ワンパターンであまり面白くありません。
鼻息を真似してこちらもシュッ♪と鋭い歯擦音
を発してみると、しばらく鳴き交わしの応酬になりました。(映像なし)
▼関連記事野生ニホンカモシカと鼻息で鳴き交わしてみる


2015/02/10

破風板に集結して休む夜のチャイロスズメバチ【暗視映像】



2014年9月下旬
▼前回の記事
屋根裏に営巣したチャイロスズメバチ

屋根裏に営巣したチャイロスズメバチの定点観察#2

チャイロスズメバチVespa dybowskii)の巣を見つけた日の晩に神社を再訪してみました。(午後18:48)
暗視ビデオカメラに内蔵された赤外線LEDではとても光量不足で、赤外線投光機の助けが無ければ撮れない高さでした。
(映像後半は赤外線投光機のバッテリー切れで急に光量が弱くなってしまいました。)


昼夜を問わず外役活動するモンスズメバチ(昼行性かつ夜行性)とは異なり、チャイロスズメバチのコロニーは日が暮れると(暗くなると)外役活動を止めていました(昼行性)

巣の外を飛んでいる蜂は1匹もいません。
巣口付近の破風板にワーカー♀が身を寄せ合って休んでいます。
個々の蜂は完全に静止しているのではなく、身繕いするなどの動きがあります。
夜が更ければ寝静まって完全に静止するのかな?



動画撮影後に記録のためストロボを焚いて写真も撮りました。
写真を拡大して数えると58匹もの成虫が破風板に集結していました。
昼間見た時よりも明らかに個体数が多いのは、外役に飛び回っていたワーカー♀が全て帰巣したためでしょう。

巣内にはあと何匹の蜂がいるのかな?
ピント合わせのため赤色LEDライトで照らしながら写真を撮りました。(2枚目の写真が全体に赤っぽいのはそのせいです。)
通常の白色LEDライトで照らすと寝ていた蜂を起こしてしまうのではないかと恐れて、虫の目に感知されにくい赤色光ライトを使用しました。


チャイロスズメバチの巣を夜に観察するのは初めてです。

それにしても、なぜ巣内で寝ないのか不思議でなりません。
巣盤・育房作りなどの内役作業をしないで良いのでしょうか?
これほどの数の門衛(夜警)が必要なのでしょうか?
つまり巣口付近で何か特別に警戒を要する外敵の脅威があるのでしょうか?
蜂の子を狙う夜行性哺乳類に夜な夜な襲撃されているとか?
やはりこの巣は、最近誰かに駆除されたばかり(削り落とされた巣)で、残党のコロニーを見ているだけかもしれません。
オオスズメバチに襲撃された可能性もありますね。
それとも何らかの理由でここに引っ越してきたばかりのコロニーなのかな?
どうもチャイロスズメバチの巣の典型例を見ている気がしないのですけど、混沌とした謎を読み解けるようになるには地道に観察を積み重ねるしかありません。

つづく→シリーズ#3


飛べ!シロモンノメイガ【蛾:ハイスピード動画】



2014年8月中旬

里山の遊歩道で見つけた小さな蛾です。
一瞬マドガかと思ったのですが、違いますね。
黒い羽に白い斑点が散りばめられています。
触角の先が白く、静止している時もその触角を震わせています。
飛翔力が弱いみたいで、歩くのが主で遠くまで飛べません。
下草や幼木の葉に止まるとすぐ葉裏に隠れようとします。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
採寸代わりに指を写し込んだついでに翅に触れて飛び立たせました。
映像後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


いつもお世話になっている新・蛾像掲示板 にて問い合わせたところ、里山遊さんよりシロモンノメイガBocchoris inspersalisではないかとご教示頂きました。
また、私が初めに書いた「ミクロ蛾」という用語に関してibota_mothさんから以下のようなご指導を頂きました。
ミクロ蛾の定義は国内外で異なりますが、日本だと大きさではなく分類群(コバネガ上科からツトガ上科までがミクロ、それ以降がマクロ)で分ける事が多いと思います。
シロモンノメイガはツトガ科ですから、ミクロ蛾と呼んで差し支え無さそうです。



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