2015/01/21

カボチャ泥棒のニホンザル♂



2014年9月下旬

山麓の杉林でニホンザルの群れの気配を感じました。
耳を澄ませて鳴き声を探っていると、用水路沿いの柵で1頭の野生ニホンザルMacaca fuscata)を発見。
口にカボチャの実を咥え、四足でフェンスの上を歩いて来ます。
背を向けて鉄パイプに腰掛けました。
ふと振り返った瞬間に私の姿を認め、ギョッとしたように慌てて下に降りました。
右腕に南瓜を抱えながら林縁の地面を走り去り、ときどき立ち止まっては暗い杉木立の隙間から何度も振り返ってこちらを覗き見ています。

近くの畑を荒らしてカボチャの実を盗んできたのでしょうか?
必ずしもそうとは言い切れません。
実はこの近くに猿を捕獲する罠が仕掛けられており(猿害対策)、誘き寄せるために撒かれた餌だけを失敬してきた可能性もあるのです。
盗みの犯行現場を見ていないので、いずれにせよ想像でしかありません。
カボチャは山野に自生しない農作物ですから、人間界との関わりで得た食料であることは確かです。

撮影アングルを求めて私がそっと追いかけると、猿は再びフェンスの上に登りこちらを頻りに気にしていました。
この立派なフェンスは農地を囲う物ではなく、用水路にヒトが落ちないよう設置された安全柵です。
四足で柵の上を歩き去る猿の後ろ姿を撮り続けました。
股間に赤い睾丸の発達した♂成獣のようです。
口に咥えて運んでいる丸い緑色の物体が何なのか、初め分かりませんでした。
チラッと一瞬見えた切り口が黄色かったので、ようやくカボチャと判明しました。
猿は座り込んでこちらを凝視しています。
警戒声を発しているのかもしれませんが、遠くて全く聞こえませんでした。
最後はフェンスから下りて雑木林の奥に姿を消しました。
おそらく群れの仲間を追って行ったのだと思いますが、他の個体は見かけませんでした。
いわゆる「離れ猿」だったのかもしれません。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。



2015/01/20

コカマキリ♂がジョロウグモ(蜘蛛)の網から脱出



2014年9月下旬

山裾のお寺の境内でジョロウグモNephila clavata)があちこちに網を張っていました。
どういう訳か、その一つにコカマキリ♂(Statilia maculata)が引っかかっていました。
地上からの高さは目測で約2m。
死んでいるのかと思いきや、動きました。
クモに悟られないよう擬死しているのかな?
枠糸に近い部分なので、糸に粘着性がないようです。

一体どうしてコカマキリはこんな窮地に陥ったのでしょう?
決して私がジョロウグモに給餌するためにコカマキリをクモの巣に投げつけた訳ではありません。
ジョロウグモの網にかかった獲物を横取りしようと自分の意志でやって来たとしたら非常に興味深いのですが、わざわざ屋根から枠糸を伝い歩きして辿り着いたとは思えません。
おそらく単に屋根から飛び降りようとして網に引っかかったのでしょう。

一方、網が振動しているのに左上に占座したジョロウグモ♀もなぜか反応しません。
獲物としては危険過ぎると察知しているのでしょうか?

しばらくするとコカマキリ♂は恐る恐る(?)網から脱出を始めました。
糸に粘着力はあまり無さそうですが、上手く歩けない様子。
なんとか苦心して方向転換すると不安定な足場で体勢を立て直しました。
羽ばたいて下の草むらに飛び降り、無事に生還。

※ 白飛び気味の前半だけYouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

細いクモの糸も少し強調されました。



【追記】
初め私はこのコカマキリをなぜか♀だと思い込んでいたのですけど、YouTubeのコメント欄でバナナ王国の王バナナイズジャッチメントさんから♂だとご指摘を頂きました。
触角が長いとオスでメスはオスより短いです後は腹が細いほうがオスでメスはやや太ってますあとオスは遠くまで飛べてメスはそんなに飛べません
という訳で、性別を♀から♂に訂正しておきます。


ミゾソバと野菊の花蜜を吸うセスジハリバエ



2014年9月下旬

里山の草地でセスジハリバエTachina nupta)が花蜜(と花粉)を舐めていました。
初めはミゾソバの群落で訪花していましたが、隣に咲いた野菊(種名不詳)の群落にも飛んで行き、吸蜜しています。



複数個体を撮影した後、1匹だけ採集できました。
以下は標本写真。




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