2014/10/01

オレガノを訪花するキオビツチバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2014年7月中旬

民家のガレージ脇に咲いたオレガノの白い花でキオビツチバチ♀(Scolia oculata)が吸蜜していました。
顔が白い花粉で汚れています。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:24〜)

複数個体を撮影。
猫の額ほどの小さな群落なのに千客万来で、どの昆虫を撮るか目移りするほどでした。


関連記事(9年後の撮影)▶ 吸蜜後にオレガノの花から飛び立つキオビツチバチ♂【ハイスピード動画】



斜面の草を食むニホンカモシカ



2014年7月下旬

久しぶりに野生のニホンカモシカCapricornis crispus)と遭遇しました。
入山してすぐ山道の横の急斜面でカモシカが出迎えてくれました。
手前に生い茂る背の高い雑草が邪魔で、初めはカモシカの顔がよく見えません。
草葉の陰からこちらを見下ろしています。
ようやく顔をはっきり見れたものの、耳や角などに個体識別できる特徴は見当たりません。

こちらが一歩も動かずに立ち尽くしていると、カモシカは警戒を解いて斜面の草を採食開始。
シロツメクサ以外の採食メニューは残念ながらはっきり見えませんでした。

虫に刺されて左腰が痒いのか、自分で噛んだり舐めたりするような仕草をしました。(@3:25〜3:35)
後半は高々と顔を上げて風の匂いを何度も嗅ぎました。(@4:02-)
性別も不明ですし歯茎が見えないので、まさかフレーメン反応ではないと思います。

(※ 飼育下でカモシカのフレーメン反応を撮った連続写真がこちらのサイトで掲載されていました。)
カモシカはひどい近眼で私の姿がよく見えないため、匂いを嗅いで様子を探っているのでしょう。

やがて、こちらに向かって斜面をトラバースしながらゆっくり登り始めました。(@5:05)
林縁に達すると茂みに隠れながらこちらを覗き見てます。
最後は雑木林の奥に姿を消しました。

撮影中にカモシカは鼻息による威嚇を一切行いませんでした。
常に私よりも上に位置しているので(上から目線)、比較的落ち着いていたのかもしれません。



2014/09/30

メスグロヒョウモン♀に求愛するミドリヒョウモン♂(異種間求愛と交尾拒否行動)



2014年7月中旬

山間部の道端に咲いたオカトラノオの花でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana liane)が吸蜜していました。
そこへミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)が飛来すると、驚いたことに別種の♀に対して求愛を始めました。
♂は♀の背後に止まり交尾器を連結しようとするも、♀が翅を全開にし腹端を上げた交尾拒否姿勢をとりつつ花の上で逃げ回ります。
吸蜜どころではなく♀の口吻はゼンマイ状に縮んでいます。
嫌がる♀が遂に飛んで逃げ出し、♂もすかさず追飛

近くのオカトラノオ群落に訪花していた他のミドリヒョウモン♂も反応して乱舞になりました。
メスグロヒョウモン♀は近くのオカトラノオ花に着陸しました。
一連の行動を1/4倍速のスローモーションでリプレイ。


今回♀が交尾拒否したのは、異種の♂から求愛されたからとは限りません。
同じ日に同じ場所でミドリヒョウモン同士の求愛と交尾拒否を観察しています。
▼関連記事ミドリヒョウモン♀の交尾拒否
♀は未だ性的に成熟していないのかもしれませんし、生涯で交尾するのは一度だけなのかもしれませんし、交尾する♂を選り好みしている可能性もあります。

異種間の誤認求愛は珍しいと思ったのですが、交尾に至り雑種が生まれる例はあるのでしょうか?
生殖的隔離はどうなっているのかな?

メスグロヒョウモンは翅の色が性別によってまるで異なる性的二型です。
人間であればメスグロヒョウモン♀とミドリヒョウモン♀の翅の色と見間違えることは絶対にありませんが、蝶(ミドリヒョウモン♂)の目からはどのように見えているのでしょう?
例えばモンシロチョウの場合、可視光ではなく紫外線スペクトルでの見え方が種内の性別を見分けるのに重要であることが知られています。
もしかすると、紫外線で見ればメスグロヒョウモン♀とミドリヒョウモン♀の翅の色や斑紋は意外に紛らわしいのかもしれません。
それともメスグロヒョウモン♀が放つ性フェロモンの化学構造がミドリヒョウモンの性フェロモンと似ていて、どうしても♂が騙されてしまうのかもしれません。

逆の組み合わせ(メスグロヒョウモン♂とミドリヒョウモン♀)ではどうなのでしょう?

実はこの2種は分類学的に近縁で、メスグロヒョウモン属 Damoraは近縁のミドリヒョウモン属 Argynnis に組みこまれていたことがあるそうです(wikipediaより)。
メスグロヒョウモンとミドリヒョウモンの二種間では生殖隔離の仕組みが未だ甘いのかもしれませんね。



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