2014/07/14

スズバチ♀の変態:蛹から羽化まで【スライドショー】



2014年5月中旬〜6月上旬


▼前回の記事
スズバチの蛹化【微速度撮影】

スズバチOreumenes decoratus)の蛹を小さなプラスチック容器に入れ、室温(常温)で飼育してきました。
昔は気を使って遮光していたのですけど、今回は特にしていません。
毎日記録した写真からスライドショーの動画を制作しました。
(日々の撮影時刻はまちまちです。)
スズバチの蛹が黄色から黒へと次第に色素沈着し、脱皮(羽化)して成虫♀になるまでの様子をご覧ください。
前蛹が蛹化する際に捻れてしまった左翅は回復しませんでした。(介入すべきだったか?)
羽化が近づくと黒い蛹の表面下に空気が入り(?)、全体が白っぽくなります。
その白い薄皮を脱ぎ捨てると成虫になります。
脱皮(羽化)の前後の肝心の日に写真を撮れなかったことが悔やまれます…。

理想を言えばスズバチの変態を付きっきりできっちりと微速度撮影したかったのですが、三脚やカメラなどの機材が足りず他の目的でも使い回す必要があったので仕方がありませんでした。

▼つづく

スズバチ蛹の蠕動と成虫♀の羽化


ヒレハリソウの花蜜を吸うベッコウハナアブ



2014年6月上旬

山麓に咲いたヒレハリソウ(=コンフリー)の群落でベッコウハナアブ♀(Volucella jeddona)が訪花していました。

ベッコウハナアブ(標本写真はこちら@ハナアブ写真集サイト)はおそらくトラマルハナバチにベーツ擬態しているのでしょう。
しかし、このとき一緒に訪花していたのはクロマルハナバチとコマルハナバチで(映像公開予定)、トラマルハナバチは来ていませんでした。



【追記】
『マルハナバチの謎〈下巻〉 (ハリフマンの昆虫ウオッチング・社会性昆虫記)』p37によると、
ベッコウハナアブの一種で、マルハナバチに形や色など外見が似ているだけではなく、飛びかたも、羽音も、体にちょっと触れれば仰向けになってあしを上にあげるところまで似ています。(中略)体の形や色はもちろんのこと、住む地域の変化による色の変化さえ、このベッコウハナアブの成虫はマルハナバチに似ている。
特に下線部の行動擬態に興味が湧いたので、日本産ベッコウハナアブ類でも見られるかどうか、いつか生け捕りにして試してみたいものです。



【追記2】
石井誠『昆虫のすごい瞬間図鑑: 一度は見ておきたい!公園や雑木林で探せる命の躍動シーン』の擬態を扱った章にベッコウハナアブも登場します。
生態写真そのものはとても素晴らしく、私ごときが文句のつけようがありません。
しかし、擬態のモデルがコマルハナバチと書いてあるのは問題です。
ベッコウハナアブは全身にコマルハナバチのような毛が生えている。花の蜜を吸う姿はほとんど見分けがつかない。(p106より引用)
ベッコウハナアブと並べて掲載された「コマルハナバチ」の写真はトラマルハナバチの誤同定だと思います。
コマルハナバチ♀の胸部は黒いのでベッコウハナアブの配色とは全く似ていません。
筆者の単純な勘違いでしょう。
私は個人的にベッコウハナアブの擬態のモデルは(あえて言うなら)トラマルハナバチではないかと思います。
この本はあちこちに勇み足や誤同定が散見されるものの、筆者が長年撮りためた生態写真の価値は下がりません(素晴らしい労作です)。
私の拙動画ブログも誤同定が多いはずなので、他人のことをとやかく偉そうに言えません。
皆がお互いに間違いを指摘し合って粛々と全体の質を高めていく(訂正する)しかありません。

2014/07/13

ヤマトゴキブリ♀が羽化殻を完食するまで【10倍速映像】



2014年6月上旬・室温22℃→21℃


▼前回の記事
羽化直後に抜け殻を食すヤマトゴキブリ♀b

羽化直後のヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)成虫♀bが自分の抜け殻を食べる様子を10倍速の動画で微速度撮影してみました。
脚の抜け殻の砕けた欠片もほぼ残さずに食べています。
ときどき挟む食休みでは触角を舐めて身繕い。
幼虫時代から給餌していた生の人参には全く見向きもしません。
映像の後半では体の色素沈着(黒化)が進み、クチクラ全体が薄い褐色になってきました。

翌朝までに羽化殻を完食していました。



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