2014/01/05

ニホンザルの死骸に群がるハエと幼虫



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#02

檻に捕らえられて死んだ2頭の若い野生ニホンザルMacaca fuscata)にハエの幼虫(蛆虫)が大量に群がり屍肉を貪っています。
次々に飛来するハエ成虫の同定は私の手に負えないのですが、ニクバエやクロバエ、キンバエの仲間など死肉食性の種類が来ているようです。
死骸から滲み出る体液を舐めたり産卵したりしています。


『日本動物大百科9昆虫II』p149によると、
腐肉に集まる代表はクロバエ科やニクバエ科のハエで、クロバエの♀は卵塊を、ニクバエは1齢幼虫を産みつける。



つづく→#03(ベッコウヒラタシデムシ)



石垣に産卵するミドリヒョウモン♀暗色型



2013年9月下旬

林縁で山裾を法面補強するコンクリートブロックの辺りを飛び回る暗色型のミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が居ます。
石垣に止まると驚いたことに腹端を曲げて擦り付けるように産卵していました。
忙しなく飛んで石垣を横に移動しながら産卵を続けます。

その後は草むらに下りて産卵していました。(映像なし)
どうやら産卵基質は何でも良いみたいで、手当り次第あちこちに産んでいます。
しかし、よくよく見ると無機質なコンクリートブロックそのものではなく、その隙間に生えたコケ(地衣類?)を選んでその上に産卵しているようです。

本種の幼虫はスミレ類を食べて育つそうですが、食草に産み付ける親心も無い放任主義とは意外でした。
きわめて多産のr戦略なのでしょうか?
雪国で越冬するための知恵なのかもしれません。(本種は卵または若齢幼虫で越冬するとのこと。)

動き回る蝶を追っていると産卵場所を見失いがちで、卵そのものは確認していません。


【追記】
私が知らなかっただけで、実はこのような産卵行動は別に珍しくないのかもしれません。
『日本動物大百科9昆虫II』p48によると、
1卵ずつ産む産卵様式は大型ヒョウモンチョウ類でも見られるが、このグループでは卵は食草に産みつけられるのではなく、食草の自生する生息場所内の立木、枯れ枝、小石、コケ類、その他に産みつけられる。


【追記2】
『チョウのはなしII』p13より
ミドリヒョウモンは秋になって食草のスミレがありそうな樹林の中にやってくると、あたりの立木の樹皮などに卵を産むのです。春になって孵化した幼虫は、木を伝ってスミレにたどりつくのですが、わずか2mmくらいの仔虫にとって、ときには10m以上もの道のりは苦難の旅立ちといえましょう。



サラシナショウマを訪花するクロマルハナバチ♀



2013年9月下旬

鎮守の森(スギ林)の林床に生えたサラシナショウマの群落でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が飛び回り花蜜を吸っていました。
後脚の花粉籠に花粉団子の有無はよく見えませんでした。

背の高い茎の上部に咲いた白い花には強い芳香がありました。


サラシナショウマ花
サラシナショウマ葉
サラシナショウマ・全景

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