2013/11/01

イタドリの花から飛び立つシロテンハナムグリ



2013年8月下旬

用水路の脇に生い茂ったイタドリの群落でシロテンハナムグリProtaetia orientalis submarumorea)らしき甲虫が花に止まって食事中でした。
撮り始めると葉に登ってから飛び去りました。
葉に残った食痕が果たしてこの個体によるものか、疑問です。
(ハナムグリの成虫は葉を食べるのか?)

後半は飛翔シーンを1/8倍速のスローモーションでリプレイにしてみました。
ハイスピード動画ではないので余り上手く撮れていませんけど、前翅(鞘翅)を閉じたまま後翅だけを広げて羽ばたいていることが判ります。

(シロテンハナムグリが属する)Protaetia属等は他のほとんどの甲虫のように鞘翅を展開せず、内側に傾けて腹部との間に隙間を作ってここから後翅を広げる。これによって多くの甲虫に比べて格段に機敏な飛翔をすることが可能になっている。(wikipediaより)





ツルマメを訪花するセイヨウミツバチ♀



2013年8月中旬

湿地帯の草原でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀がツルマメに忙しなく訪花していました。
可憐な花からせっせと吸蜜して回ります。
複数個体を撮影。

他にはトモンハナバチも見かけたのですけど、残念ながら撮り損ねました。



2013/10/31

桑の葉に巣網を張って集団食害するアメリカシロヒトリ若齢幼虫(蛾)



2013年8月下旬

道端に生えたヤマグワの株にアメリカシロヒトリHyphantria cunea)の幼虫が大発生していました。
葉が網目状の葉脈を残すのみで激しく食害されています。
多数の毛虫が吐いた糸で枝葉が覆われ、巣が作られています。

巣網内で集団生活をしながら徘徊・食害する様子を微速度撮影できたら面白そうです。
しかしこの辺りで更に食害の被害が広がると困るので、撮影後は枝ごと切り落として駆除しました。
枝を家に持ち帰って水差しにして飼育しようかと一瞬迷いましたが、アメリカシロヒトリの幼虫はやがて分散するので阿鼻叫喚の惨事(バイオハザード!)になるのを恐れ断念しました。

『アメリカシロヒトリ:種の歴史の断面』p12によると、

どんな植物を加害していても、幼虫はかならず巣をつくる。葉の裏にうみつけられた数百ないし一千個の卵から幼虫がかえると、かれらは糸を吐いて巣網を張り、そのなかで葉を食って集団生活をはじめる。(中略)巣網は、外気の影響を多少は遮断する効果を持っている。



3齢虫までは白い巣網の中で成長する。(wikipediaより)



【追記】
廣岡芳年『アメリカシロヒトリが飛ぶと、匂いが見える』によると、
刺すこともかぶれることもない毛虫なのに、アメリカシロヒトリは嫌われ者の代名詞に使われている。街路樹や庭木を食い荒らし、家の中まで入り込んで迷惑がられ、クワの害虫として養蚕農家から嫌われる (『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』 第2-3章p77より引用)


【追記2】
渡部仁『微生物で害虫を防ぐ (ポピュラー・サイエンス)』という昆虫病理学の本を読んでいたら、面白いことが書いてありました。
 アメリカシロヒトリの幼虫は雑食性で、クワ、サクラ、ポプラ、ヤナギ、カキなど多くの植物の葉を食害しますが、どの植物の葉で育ったかによって幼虫の核多角体病ウイルスに対する抵抗力ははっきりと違ってきます。クワで育った幼虫の抵抗力が強いのは、クワの葉の栄養価が高く、幼虫が丈夫に育つためと考えられます。アメリカシロヒトリの生育密度が高くなったときに、よく核多角体病が大発生します。これは虫の接触によってウイルスの感染する機会が増えたばかりでなく、餌の奪い合いが起こって、栄養不足になり、ウイルスに感染しやすくなるためなのです。 (p104より引用)





ランダムに記事を読む