2013/10/31

茄子の受粉を助けるクロマルハナバチ♀



2013年8月下旬

家庭菜園の畑でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀がナス(茄子)に訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
花にぶら下がると腹面に落ちた花粉を脚で掻き集めています。
おそらく胸部の飛翔筋で葯を揺する振動集粉を行っていると思われますが、セミの鳴き声がうるさくて聞き取れません。

近年、世界中でミツバチが激減して大騒ぎになっていますが、マルハナバチも作物の受粉を媒介して育てるきわめて重要な縁の下の力持ちです(送粉者)。
クロマルハナバチはトマトのハウス栽培などで活躍しているそうです。


ナス科植物の花など、花蜜を出さず、豊富な花粉をマルハナバチに与えて花粉の一部を送粉してもらう特殊なマルハナバチ媒花もあります。
(『マルハナバチ・ハンドブック』p40より)



2013/10/30

樹液酒場で争うシロテンハナムグリと小便排泄



2013年8月中旬

柳の幹から滲み出る樹液を巡ってシロテンハナムグリProtaetia orientalis submarumorea)同士で争うシーンをまとめてみました。

喧嘩の初めは脚で蹴飛ばし合い、次第にヒートアップすると頭突きで押し相撲になります。
カブトムシやクワガタムシのような闘争専用の武器こそ無いものの、敗者は幹から追い落とされることがあります。
小競り合いの末に、回り込んでなんとか2匹が共存して同じ樹液スポットから吸汁することもあります。
虫の居所が悪かったのかライバルを頭突きでしつこく幹の上に追い上げたかと思うと、その隙に3匹目が横から登場してちゃっかり漁夫の利を得ることもあり、なかなか興味深いですね。

個体標識して樹液の占有行動や喧嘩の勝敗を克明に記録したらとても面白そうです。
なんとなく眺めている限りでは、勝ったり負けたりを繰り返し「常勝の最強個体」という者は居ない印象を受けました。
発酵した樹液で酔っ払っているのかな?
個体間の序列(力関係)が余りはっきりしないのは、樹液が幹のあちこちから出ているせいでしょうか。
喧嘩に負けても一箇所に固執せずに探し回ればどこかで樹液にありつけるようです。(樹液酒場の質に差があるのかもしれませんけど。)

闘争行動に関連してハナムグリの性別を見分けられるようになりたいのですが、判定法を知りません。
樹液酒場で交尾を始めることはありませんでした。
見られる行動レパートリーは食事(樹液吸汁)か喧嘩、徘徊、飛翔、排泄だけでした。

樹液を舐めながら腹端からピュッと立ち小便するシーンが偶然撮れました!(@4.48)
欲を言えばハイスピード動画でオシッコを記録したかったですけど、暑さで頭がボーッとしてしまい長撮りする根気がありませんでした。




カワミドリに訪花するハラアカヤドリハキリバチの飛翔【ハイスピード動画&HD動画】



2013年8月下旬

山道脇に咲いたカワミドリの群落でハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ、Euaspis basalis)が少なくとも2匹、訪花していました。
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。

普通のハキリバチならスコパ(花粉運搬毛)の有無で性別が分かるのですけど、ハラアカヤドリハキリバチは労働寄生種なので、たとえ♀でも腹面にスコパがありません。



ついでに通常のHD動画でも撮っています。



ちなみに、前年もこの辺りで撮っています。

関連記事→「ハラアカヤドリハキリバチがカワミドリに訪花吸蜜

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