2013年7月中旬
山道の横に生えたアカショウマの群落でオオマルハナバチ(Bombus hypocrita)のワーカー♀が訪花していました。
何匹も忙しなく飛び回っており、映像でも2匹がニアミスするシーンが写っています。
動きが早くてよく見えませんが、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けているようです。
ときどき羽音よりも甲高い振動集粉の音が聞こえます。
関連記事→「アカショウマの花で振動集粉するトラマルハナバチ♀」
アカショウマで採餌した同一個体が隣に咲いたアジサイにも訪花したのですが映像はカット。
必ずしも一種類の花から専門に採餌する訳ではないようです。
2013年7月中旬
民家の庭木として植えられたイヌエンジュをスミゾメハキリバチ♀(別名ムナカタハキリバチ、Megachile sumizome)が訪花していました。
背面は真っ黒の蜂ですが、腹面に生えた赤褐色のスコパに白い花粉を少し付けています。
この白い花の樹種を知らなかったので、「このきなんのき掲示板」にて写真鑑定してもらったところ、総状花序なのでエンジュではなくイヌエンジュだろうとご教示頂きました。
2013年7月中旬・気温31℃@日陰
コンクリート製電柱の穴に自然営巣しているニホンミツバチ(Apis cerana japonica)の定点観察。
気温は日陰での測定値で、直射日光に晒された電柱の温度はもっと熱いはずです。
巣口のネジ穴内部に2匹のワーカー♀(門衛)が頭を外に向けて居座り、その場で激しく羽ばたいています。※
これは巣内を冷却するための扇風行動です。
冷房以外の可能性として、巣内のCO2濃度の上昇を感知したミツバチが換気しているのかもしれません。
240-fpsのハイスピード動画でその羽ばたきを撮ってみました。
帰巣する蜂の花粉籠はいずれも空っぽでした。
夏は花が少なくなり、ハナバチにとって苦しい時期です。
帰巣する蜂が巣口に近づきすぎると、扇風行動による乱気流に巻き込まれて体勢を崩していました。
扇風行動に専念する門衛は、出入りする蜂にぶつかった時だけしか羽ばたきを止めません。
もしかすると、扇風行動しながら花蜜を吐き戻して濃縮していたかもしれません。
近づいて接写するには服装や装備が不十分で断念。
『ミツバチ学』の著者が扇風行動を解説したホームページによると、
ニホンミツバチが頭を外に向けて羽を震わせるのに比べ(入口から風が巣の中に入る)、セイヨウミツバチは頭を巣の入り口に向けて羽を震わせるのです(入口から巣内の暑い空気が引き出される)。
この違いは巣の匂いを天敵であるスズメバチに悟られないためニホンミツバチが編み出した扇風法なのだそうです。
【追記】
『ニホンミツバチ:北限のApis cerana』p34によると、
(ニホンミツバチは)セイヨウミツバチと扇風の向きが逆で、新鮮な冷気を外から中へ入れるように、頭を巣門の外に向けて気流を巣内に導くように翅を羽ばたく。1秒間に150回前後と飛翔時より少しビート数が少ない。