2013/09/01

ノブドウに訪花吸蜜するツマグロケンヒメバチ♂【ハイスピード動画&HD動画】



2013年7月中旬

山道の地面を匍匐するノブドウの群落で見慣れない華奢な蜂が訪花していました。
一瞬ホソアシナガバチの仲間かと思いきや、よく見ると違います。
後脚と真っ直ぐの触角が非常に長いです。
複眼は黒で頭楯は黄色、翅の縁紋と先端が黒色。
産卵管が見えないので♂なのかな?
科も分かりませんが、ハバチにしては腰が細い気がします

花から花へと忙しなく飛び回る様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
ノブドウは未だ蕾が多く、ほとんど開花していませんでした。
撮影中に蜂を何度か見失ったものの、おそらく同一個体だと思います。



同一個体の訪花シーンを通常のHD動画でも撮ってみました。
しかしあまりにも蜂が忙しなく飛び回るので、なかなか落ち着いて撮らせてくれません。
こういう時こそハイスピード動画の出番です!
訪花中にクモの糸が体に絡まったようで、葉上で寝転がり身繕いをしました。

ノブドウに訪花吸蜜

寝転がって身繕い?

気になる蜂でどうしても名前を知りたかったので、撮影後に有り合わせのビニール袋でなんとか採集しました。
翅脈から見るに、ヒメバチ科の一種でしょうか。

いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSにて問い合わせたところ、こにしさんより以下の回答を頂きました。
ツマグロケンヒメバチSpilopteron apicalis?の雄だと思います。この種については分類上の問題があり、今年の昆虫学会で発表があります。
長い産卵管を持つ♀はカミキリムシ類をホストにするらしい。







2013/08/31

ヒメクモバチ♂gが泥巣から羽化脱出する瞬間



2013年7月中旬・室温24℃

ヒメクモバチ羽化の飼育記録4

前回のヒメクモバチ♂e(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)が羽化して4日後。
この日も早朝から泥巣を動画で監視記録していると、7匹目の新成虫♂gが羽化してきました。

映像をよく見ると、今回の♂gは脱出直前に育房の内部から水を吐き戻して土壁を柔らかくする行動は見られませんでした。
同じ母蜂から生まれたヒメクモバチ♂でもこの行動をする個体(♂e)としない個体(♂g)がいるという結論になりました。

泥巣の端に作られた育房から順に脱出口が開いています。
育房はあと一つ残っているように見えますけど、その後はもう新成虫の羽化はありませんでした。
計7匹で打ち止め。
今回タニウツギの葉裏から採集したヒメクモバチ泥巣の被寄生率は零でした。

参考記事→「ヒメベッコウの巣から羽化したホシツリアブとヤドリクモバチ
ちなみに、6匹目♂fの羽化脱出は3日前の夜に行われたものの、残念ながら見逃してしまいました。
それでも網室内で無事に蜂を捕獲。

▼つづく

交尾と交尾拒否



ヒメシジミ♂♀の交尾(結合部のアップ)



2013年6月中旬

道端のイネ科の葉に止まって交尾中のヒメシジミPlebejus argus)♀♂ペアが居ました。
左が♂、右が♀。
よく見ると、後翅裏の斑紋に微妙な性差がありますね。

翅を閉じたまま逆向きに静止し、腹端の交尾器を結合しています。
あぶれ♂(またの名をお邪魔虫)が数匹飛来するも、早い者勝ちなのか強引に割り込んだりせずにあっさり諦めて飛び去りました。
風揺れに悩まされながらも、マクロレンズで交尾器結合部を接写してみました。

交尾中にペアの片方が歩いて少し前進すると、それに引っ張られて他方も結合したまま後退します。
♀は脚で顔を拭ったりしています(身繕い)。

よく似たミヤマシジミの分布は東北地方南部〜中部地方南部らしいのですが、レッドデータによれば山形県でミヤマシジミは絶滅(EX)したとされているので除外しました。


全景




あぶれ♂の飛来

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