2022/12/23

リョウブの花穂に飛び移り摂食・身繕いするアカハナカミキリ

 

2022年8月中旬・午後16:00頃・晴れ 

里山の斜面に自生するリョウブ灌木にアカハナカミキリStictoleptura (Aredolpona) succedanea)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

食痕(虫食い穴)だらけの葉をせかせかと歩き回り、少し飛ぶと隣の花穂に移動しました。 
飛び立つ瞬間をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 

リョウブの白い花穂を徘徊しながら、正当訪花で花蜜や花粉を食べています。 
花粉で汚れた顔や触角を食餌の合間に前脚で拭いました。 
カミキリムシ成虫の食餌を専門用語で後食と呼ぶのですが、ハナカミキリ類の吸蜜行動も後食と呼ぶのかな?

2022/12/22

ニホンアナグマの溜め糞を避けて自分たちの溜め糞場で排便するホンドタヌキ「フサ尾」【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月中旬〜下旬 

里山のスギ林道の溜め糞場sに通うホンドタヌキNyctereutes viverrinus)「フサ尾」の記録です。 
個体識別が未熟な私はタヌキの尻尾が折れ曲がっているか否かで見分けているだけなので、「フサ尾」が実は複数個体である可能性もあります。 


シーン1:8/13・午前00:35・気温25℃ 
動画冒頭から右を向いて排便中でした。 
林道を右へそそくさと立ち去ると、溜め糞場には立派な固形糞が残されていました。 
この個体は「垂れ尾」ではなく、尻尾がフサフサした「フサ尾」です。 


シーン2:8/15・午後21:41・気温24℃ (@0:33〜) 
2日前の糞塊は糞虫によって地中に埋められたり分解されたりして、既に跡形もなく無くなっていました。 
林道を右から登場した「フサ尾」が地面の匂いを嗅ぎながら溜め糞場sに近づくと、前脚でひょいと飛び越えて跨ぎました。 
そのまま左を向いて脱糞。 
健康な固形糞をモリモリと排泄すると、林道を左へ勢い良く駆けて行きました。 


シーン3:8/20・午前1:31・気温20℃ (@1:04〜) 
 5日後。 
「フサ尾」がいつものように頭を下げて地面の匂いを嗅ぎながら右から歩いて来ました。 
アナグマがスクワットマーキングした下草の匂いを嗅いでいます。 
次にタヌキ「フサ尾」はアナグマが残した溜め糞を見つけると、少し匂いを嗅いだだけで迂回しました。 
画面中央にある自分たちタヌキの溜め糞場(糞虫が処理した後)に跨ると、カメラを見上げながら排便しました。 
脱糞時にはフサフサした尻尾を後ろに伸ばして、便が付かないようにしています。 
ここでカメラが一旦録画終了してしまいました。 
20秒後にトレイルカメラが再起動して録画を再開したときには、排便を済ませたタヌキが右に引き返して行くところでした。 
溜め糞場sには新鮮な糞が残されています。 

今回タヌキがアナグマの匂い(溜め糞およびマーキング)を嗅覚で認識したことは間違いありません。
しかし、それに対抗するように自分の糞で覆い隠したり匂い付けするような行動は全く見られませんでした。 
アナグマとタヌキは少しだけ離れた位置に別々の溜め糞を作り、そこで行儀良く排便します。 
互いに干渉しないという紳士協定を結んでいるようです。 
ともに夜行性ですが、溜め糞場に現れる時刻は厳密に決まっている訳ではありません。 
もしタヌキとアナグマが暗闇の溜め糞場で鉢合わせしたらどうするのでしょう? 
小競り合いや追い払う行動(占有行動)があるのでしょうか?
もしも溜め糞場だけでなく営巣地も共有していたら「同じ穴のムジナ」が証明されて最高に面白いのですが、まずは巣穴をどうやって見つけるか考えないといけません。 


シーン4:8/23・午前2:12・気温22℃ (@2:10〜) 
3日後も「フサ尾」が右から登場。 
画面中央にあるタヌキの溜め糞sに跨がると、カメラを見上げながら排便。 
すっきりしたフサ尾は林道を右に戻って行きました。 
この溜め糞場sはタヌキの縄張りの境界線なのでしょう。 
なんとか巣穴の位置を突き止めたいものです。 

イヌツゲ灌木をうろつくシラキトビナナフシ♀

 

2022年8月中旬・午後13:10頃・晴れ 

若い二次林に覆われた里山の斜面で、イヌツゲの枝にシラキトビナナフシ♀(Micadina conifera)を発見。 
生きた状態のシラキトビナナフシを見つけたのは初めてです。 
関連記事(11年前の撮影)▶ シラキトビナナフシ♀の死骸と卵 
雑木林の木洩れ日が眩しくて白飛びしてしまい、虫撮りしにくい条件でした。 
周囲ではエゾゼミ♂がジーと単調にやかましく鳴いています♪ 

意外と活発で、イヌツゲの枝葉をせかせかと歩き回ります。 
シラキトビナナフシ♀はイヌツゲの枝を少し登ったところで静止。 
隠蔽擬態で周囲に上手く紛れたつもりなのでしょうか? 
常緑樹イヌツゲの濃い緑色の葉の上に静止すると、確かに保護色の効果が少しはありそうです。 
しかし、細長い体型が周囲と馴染んでいないので、ばれてしまう気がします。 

岡田正哉『ナナフシのすべて』という本でシラキトビナナフシについて調べると、
単為生殖をする。(♂は未知) 
生息環境:産地のブナ林やブナ科植物(とくにブナ・ミズナラ類)を含む雑木林内。トビナナフシ類のうちで、もっとも高い標高まで分布する種類。 
食植物:ブナ・ミズナラ類など。(p26より引用)
常緑樹イヌツゲはシラキトビナナフシの食樹ではないので、おそらく近くに自生するミズナラやリョウブの木から下のイヌツゲに落ちてしまったのではないか?と推測しました。 
このままでは食事シーンは期待できません。 

頭部をよく見ると、右の触角が根本から欠損している個体でした。 
ナナフシは捕食者に襲われると脚を自切して逃げることが知られていますが、触角も自切・再生するのでしょうか? 
この個体は成虫なので、再生は無理ですね。

静止していたナナフシに軽く触れると、慌てて逃げ出します。 
翅がある成虫なのに、飛んで逃げることはありませんでした。 
採寸代わりに私がしつこく右手の中指を差し出すと、今度は素直に乗り移ってくれました。(手乗りナナフシ♪) 
隣に自生する広葉樹ハルニレ幼木の枝葉にそのまま移してやりました。 

ナナフシを飼育してみたいと長年思っていた私は、採集して持ち帰るか悩みました。 
しかし、この時期はあまりにも忙しくて新たに虫を飼育する余力が無かったので、断念。

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