2018/07/08

カキドオシの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2018年5月上旬

日当たりの良い河原の土手に咲いたカキドオシの大群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
花から花へ忙しなく飛び回り、吸蜜しています。
後脚の花粉籠に白っぽい(灰色)花粉団子を付けていました。


セイヨウミツバチ♀@カキドオシ訪花採餌

樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)



2018年4月下旬

川沿いでトビMilvus migrans)が飛来してアカマツの樹冠の横枝に止まりました。
背後は杉の木で守られていますが、怯えたように辺りをキョロキョロ見回しています。
その周囲を数羽のカラスが飛び回り、樹上のトビを繰り返し襲い始めました。
近くの河畔林にカラスの営巣木がありますから、天敵の猛禽類を縄張りから追い払おうと激しいモビング(擬攻撃)を加えているのでしょう。
防戦一方のトビはピーヒョロロ♪と甲高い悲鳴を上げています。(威嚇の鳴き声?)
空からカラスが高速で向かってくると、頭を下げてお辞儀のような迎撃体勢になります。
ぶつかりそうになる寸前でトビが翼を広げて威嚇しました。
このとき翼裏面の白斑が見えたので、襲われている猛禽類の正体がトビと判明しました。
カラスもトビに対して神風特攻隊のように嘴でぶつかって行く意図は無く、あくまでも脅しのための擬攻撃で、トビの頭上すれすれを飛び交います。

モビングするカラスの動きが速過ぎて、なかなか外見から種類を見分けられません。
騒ぎの間、カーカー♪澄んだ声で鳴いていたので、ハシボソガラスではなくハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のようです。
仲間を呼び寄せる声なのか、トビに対する威嚇の鳴き声なのでしょう。
3羽のカラスが代わる代わるモビングしていました。
つがいとヘルパーなのか、あるいは隣の縄張りのカラスが加勢しに来たのかもしれません。

途中から240-fpsのハイスピード動画に切り替えてカラスのモビング行動を記録してみました。(@1:50〜3:21)
カラスはとにかく天敵の猛禽類を飛び立たせて縄張りから追い出したいようです。
トビの頭上をかすめるように飛んだり、トビが止まっている横枝のすぐ下を高速でくぐって飛ぶこともあり、なかなかスリリングです。
トビが翼を広げて威嚇した拍子に白い羽毛が1枚抜け落ちて飛び散りました。

スローモーションでじっくり見てもなかなかカラスの種類を同定できません。
しかし一羽が樹間の空を背景に飛んだ瞬間に横向きの頭部のシルエットが一瞬見え、ようやくハシボソガラスと分かりました。
ということは、ハシブトガラスだけでなくハシボソガラスも共同戦線を張って共通の天敵に対してモビングしているようです。

今思うと、直接トビに飛びかかっている個体と遠巻きで鳴き騒いでいるだけ(野次馬)の個体とを区別して見分けるべきでしたね。(動画撮影に集中していると、なかなかそこまで気が回りません)

後半はHD動画に戻しました。
カラスの中には空中戦に加勢せずにすぐ左のアカマツの枝に止まって鳴き騒ぎ、トビに圧力をかける個体も居ます。(松葉の茂みに隠れて映像ではよく見えません)

頭上スレスレのモビングをかわす際にトビが堪りかねたようにフワリと飛び上がり、右の枝先へ移動しました。(@3:35)
枝先は細いので、ますますトビの足場が不安定になります。(トビが動く度に枝が激しくしなります)
再びトビがフワリと飛び上がり、横枝の中間部へ戻りました。(@4:05)
ここなら足場が比較的安定しています。

一層激しくなったカラスの波状攻撃に耐え切れず、遂にトビがアカマツ樹上から飛び立ちました。(@4:28)
空中でもカラスが容赦なく襲いかかります。
急激な方向転換など飛翔時の敏捷性はトビよりもカラスが上手です。
トビはピーヒョロロ♪と甲高く鳴きながら羽ばたきと旋回(滑翔)を繰り返し、必死で逃げ惑います。
追い回すカラスがガーガー♪と濁った声で鳴いていたので、やはりカラスの連合軍にはハシボソガラスが混じっているようです。
最後に右手(川の上流)へ飛び去るつがいのシルエットもハシボソガラスでした。
一方、アカマツの樹上には2羽のハシブトガラスが残っていました。
このつがいは左手(下流へ)へと澄んだ声で鳴きながら飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

7日前に対岸から撮影したモビングも丁度この辺りで行われたことに気づきました。
トビとカラスは人知れず連日のように神経戦を繰り返しているのでしょう。

▼前回の記事
河畔林でトビを追い回すカラスのつがい(野鳥)



【追記】
中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』という本を読むと、2種類のカラスの関係性について興味深い記述がありました。

ボソとブトの両種は鳴き声が違うだけでなく、お互いの言葉が通じていないという説もあります。ただ、悲鳴の声(Distress Call)などは種を超えて理解しあっているようにも思います。 (p48より引用) 
大人のボソとブトが仲良くすることはない。 p66より引用)


トビ(野鳥)@アカマツ樹上

トビ(野鳥)@アカマツ樹上vsカラスsp@モビング
トビ(野鳥)@アカマツ樹上vsカラスsp@モビング

ハシブトガラス2(野鳥)@アカマツ樹上+モビング後

2018/07/07

室内で冬越し中のオニグモ(蜘蛛)がカーテンレールを徘徊【暗視映像】



2018年3月中旬・午後18:40頃・室温20.6℃
▼前回の記事
室内越冬中のオニグモ(蜘蛛)と寄生蜂の繭

18日ぶりの撮影です。
晩に部屋を点灯してカーテンを閉めようとしたら、室内で越冬中のオニグモAraneus ventricosus)がカーテンレール上を徘徊していました。
オニグモは本来夜行性なので、初めは赤外線の暗視カメラでクモの動きを記録しました。
後半は補助照明の白色LEDを点灯して撮影しました。
赤外線でも白色光でも、角度によってはオニグモの単眼が白く光って見えます。
これはタペータム(輝板)が反射していいるためです。
クモは眩しい白色光を嫌ったのか、最後はカーテンレールに引き返してしまいました。

今思うと、個体識別するためのマーキングを施すべきでしたね。
昼間は換気のためにこの窓を少し開けていたので、新たに別個体が侵入した可能性も否定できません。

シリーズ完。

果たして飼育と言えるのかも分かりませんが、このオニグモの元気な姿を見たのはこれが最後でした。
採寸やステージの確認(亜成体?)などをずるずると先延ばしにしていたら、結局やらずじまいになってしまいました。

再び何日も見失った後に、床で干からびた死骸を見つけました。
個体標識していなかったので確信はもてませんが、おそらく同一個体だと思います。
やはり寒冷な野外よりも遥かに暖かい室内ではかえって体力が消耗してしまい(休眠が妨げられ)、いくらクモの飢餓耐性が強いとは言え、飲まず食わずでは春まで生き残れなかったのでしょう。
冬の室内は乾燥しがちなので、せめてクモの体や不規則網に霧吹きして水分を与えようとしたのですが、その度にクモは驚いて天井から落下するばかりで体力の消耗を早めてしまいました。
夏季のような円網は一度も張らなかったため、生き餌を給餌してやることもできませんでした。
良かれと思って保護しても生き物のためにはならない、というありがちな結果になりました。
クモを思うなら、冷蔵庫に保管するか屋外に追い出すべきだと分かりました。
冬の冷気にしっかり晒した方が無事に休眠越冬できたのでしょう。


動画とは別の日に撮影(6日前)@天井

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