2017年8月中旬
川沿いに生えたヨシの葉にヒメウラナミジャノメ(Ypthima argus)が翅を広げて休んでいました。
このときの天気は曇りで、日光浴と呼べるほど晴れていませんでした。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみましょう。
更に1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
数回羽ばたいて飛び立つと、翅を閉じて空気抵抗を減らした状態で草の間を慣性で飛んでいることが分かります。
『ヤマケイポケットガイド9:チョウ・ガ』p176によると、本種は「はねを立てたまま、草の上を低く跳ねるようにリズミカルに飛ぶ」らしい。
『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』を紐解いてヒメウラナミジャノメの項目を参照すると、まさに私が観察した通りの習性が記述してありました。
飛び方は軽快で、翅を立てたまま一定のリズムをもって跳躍するような飛翔をする。緑葉の上に翅を半開きにしてよくとまる。樹冠や枝には一般にはとまらない。(p243より引用)
飛び立たせるために物を投げつけて撮影を繰り返すと、あちこち移動しました。
しばらく様子を見ていても、近くに咲いていたボタンヅルを訪花・吸蜜することは、なぜかありませんでした。
2017年8月中旬
河畔林から河川敷に伸びてきたフジ(藤)の蔓の葉に乗って交尾中の虻を発見。
これは、以前に観察したことがあるルリイロハラナガハナアブ(またはルリイロナガハナアブ)の一種(Xylota sp.)だと思います。
▼関連記事(5年前の撮影)
ルリイロハラナガハナアブの一種の交尾と連結逃走
背側に続いて側面から撮ると、2匹は互いに逆を向き結合部の腹端を上下に小刻みに揺らしていました。
この行動は5年前の映像にも記録されていたので、精子を送り込む運動なのでしょう。
マクロレンズを装着して、背面から接写してみます。
右の個体は左右の複眼が接しているので♂、左の個体は複眼が離れているので♀と判明。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
撮影後に、ありあわせのビニール袋を素早く被せて、この♀♂ペアを採集しました。
以下は採集した標本の写真。
2017年8月中旬
河川敷の片隅に蔓延るノブドウの群落でコガタスズメバチ(Vespa analis insularis)のワーカー♀が訪花していました。
花蜜を舐めると、獲物を探索する探餌飛翔に切り替え、飛び去りました。
すぐ隣に咲いたボタンヅルの白い花では吸蜜しませんでした。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。