2016/02/13

菊の花蜜を吸うキンケハラナガツチバチ♂



2015年10月中旬

道端の民家の花壇に咲いた菊の花(種名不詳)でキンケハラナガツチバチ♂(Megacampsomeris prismatica)と思われるツチバチが訪花していました。
真っ黄色の花で明らかに園芸種のようですが、名前が分かりません。
吸蜜を終えた雄蜂は、触角を拭ってから隣の花に移動しました。
頭楯の色は確認できませんでした。



2016/02/12

網に付いたノコンギクの花を取り除くジョロウグモ♀(蜘蛛)



2015年10月上旬

花を食べる造網性クモの謎#9:

ジョロウグモ♀(Nephila clavata)は花を食べることがあるのでしょうか?
近くに咲いていたノコンギクの花を摘んでジョロウグモの馬蹄形円網に投げつけ給餌してみました。
甑に占座していたクモは直ちに駆けつけ、歩脚で慎重に触れて花を調べています。
ジョロウグモにとっては未知との遭遇のはずです。
ようやく獲物ではなく異物と判断したらしく、周囲の糸を切り始めました。
クモは何か食べかけの獲物(体外消化で黒変している)を口に咥えたまま作業しています。
花に噛み付いたり梱包ラッピングしたりすることもありませんでした。
もしこのとき音叉を使って花に振動を与えたらラッピングが解発されたでしょうか?
花の茎が長いせいで、網から完全に外すのに手間取っています。
ようやく花を捨てると(@2:37)、その場で網を歩脚で弾き、他の異物が付いていないかどうか確認しました。
居候の♂が待つ甑に戻ると♀は下向きに占座し、身繕いを開始。

つづく→#10:アメリカセンダングサの花を食すジョロウグモ♀(蜘蛛)の謎


給餌前の♀♂ペア

サルビアの花に潜り込むニホンミツバチ♀



2015年10月中旬

郊外の歩道を歩くと、街路樹の下にパッチ状の花壇があります。
この時期は真紅のサルビアの花が満開でした。
そこにニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が何匹も通って忙しなく訪花しています。
花筒の形状からして、穿孔盗蜜するのではないかと期待したのですが、どの個体も毎回律儀に正当訪花していました。
窮屈そうに花の奥に潜り込むと時間をかけて吸蜜しています。
中で方向転換するのは無理で、苦労して後ろ向きに抜け出ます。
サルビアは送粉者にミツバチを指名しているかのように、ミツバチの体に対して花筒の狭さが絶妙にフィットしています。
花筒から出ると少し身繕いしてから飛び立つシーンも撮れました。

サルビアの花の外に長い雄しべが伸びています。
花筒に潜り込むミツバチの体に葯が触れるようになっているようです。(※追記参照)
しかし、どの個体も後脚の花粉籠は空荷でした。

花期も終わりかけで、花粉はハナバチに採餌し尽くされ枯渇したのだと思います。

意外にも盗蜜する個体は居ませんでした。
クロマルハナバチやクマバチなど穿孔してくれる一次盗蜜者が居ないとミツバチは自力で盗蜜できないのかもしれません。(二次盗蜜者)

ミツバチは幾つか訪花しても吸蜜せず飛び去ることがありました。
花蜜が枯れていると判断したのでしょう。
花筒を覗きこむだけで蜜の多寡をミツバチはどうやって見分けているのか、不思議ですね。
蜜の匂いを嗅ぎ分けているのか、それとも最近訪花した蜂の残り香があるのでしょうか?

複数個体を撮影。



※【追記】
『マルハナバチの謎〈上巻〉 (ハリフマンの昆虫ウオッチング・社会性昆虫記) 』p103に掲載された挿絵の解説が秀逸でした。
サルビアの花の断面。マルハナバチが花の中にはいり込むと、てこ仕掛けのおしべが、花粉をその背中にまぶしつける。


【追記2】
もっと洗練されたイラストがベルンド ハインリッチ『マルハナバチの経済学』という書籍(翻訳書)の図11.4に掲載されていました。
サルビアの花の送粉のしくみ。雄段階の花で雌ずいは持ち上げられていて、ハナバチと接触しない。昆虫が雄ずいのシャベル状の部分を基部にある可動部方向に押すと、二つの癒合した雄ずいが下方に動き、ハナバチの腹部に花粉をまぶす。ハナバチの腹部に付着した花粉は雌段階に達した花が雌ずいを湾曲させて拾いあげる。 (p189より引用)



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