2016/02/11

高圧線の鉄塔とノスリ(野鳥)のつがい:(排泄・羽繕い・飛翔)



2015年10月中旬

田園地帯に聳え立つ高圧線の鉄塔に猛禽類が2羽止まって鋭い眼光で外界を見下ろしています。
後にノスリButeo japonicus)と判明します。
つがいなのかな?

オスよりもメスの方が大型になる。(wikipedia:ノスリより)

左に止まっている個体Lはこちらを向いていて、胸の羽根が白く目立ちます。
一方、右側の個体Rは後ろ姿。

冒頭でノスリLが前屈みになり糞を噴射すると、後方の鉄骨に鳥糞が直撃しました。(@0:15〜0:18)
飛翔に備えて軽量化したのかな?と思いきや、なかなか飛び立ちません。

▼関連記事ノスリ(野鳥)の排泄と飛び立ち【ハイスピード動画】

Lは左足を持ち上げて顔(左頬)を掻いています。×2
遂にLが鉄塔からフワリと飛び上がると滑空を始めました。(@3:42)
空に対して逆光のシルエットですが、翼の下面が白いことからノスリと判明しました。
ほんの数回しか羽ばたかず、省エネ飛行に徹しています。(滑翔)

そのまま流し撮りすると、遠くの電柱の手前で急上昇して天辺に止まりました。
この間、鳴き声は一切聞き取れませんでした。
振り返ると鉄塔にRが未だ残っていました。
(映像はここまで)

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

その後ハシボソガラスの群れが飛来し、鉄塔の下を走る通常の電線に止まりました。
カラスにモビングされるのを恐れたのか、いつの間にかノスリRは居なくなっていました。
(実を言うと、Rがノスリである確証は無くて、例えばトビかもしれません。尾羽根の形状からトビは否定できそう?)

▼関連記事

高圧線の鉄塔から飛び立つノスリ(野鳥)



2016/02/10

網にかかったツマグロオオヨコバイを捕食するイシサワオニグモ♀(蜘蛛)



2015年10月上旬・午前9:57〜10:04

イシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)で色々と実験したお詫びとして、今度は本当の獲物を給餌することにしました。

近くの草むらに飛来したツマグロオオヨコバイBothrogonia ferruginea)を生け捕りにし、垂直円網(甑の少し左下)に付けてやりました。
キイチゴ?葉裏の隠れ家に潜んでいたイシサワオニグモ♀は網に急行すると、まずは獲物の胸部に噛みついて毒液を注入しました。
つづいて獲物を網から外しながら大量の捕帯を繰り出して梱包ラッピングします。
糸を噛み切りながら、円網に開いた穴を補修するため糸で最小限の修繕を施しています。
網全体が崩壊しないよう、切った縦糸を張り直しているようです。
甑から新たな信号糸を糸を張りながら、獲物を隠れ家に持ち帰りました。
隠れ家に落ち着くと、捕食を始めました。
ちなみに午前10:00に測った気象状況は、気温19.1℃、湿度73%。

さて、イシサワオニグモが円網を張り替える行動を観察したくて前日から徹夜で監視したのに空振りに終わりました。(待ちぼうけ)
夜間に網を張り替えなかったのは、私が花や虫を次々に給餌したり音叉を使った実験を繰り返したからでしょうか?
もし何も獲物がかからなければ、「この網ではもう駄目だ」と判断して張り替えたのかな?



2016/02/09

イシサワオニグモ♀(蜘蛛)の網にノコンギクの花を給餌すると…?



2015年10月上旬・午前6:52〜8:10

花を食べる造網性クモの謎#8:花の種類を変えてみると?


イシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)はアメリカセンダングサを特に好んで食べてくれたのでしょうか?
アメリカセンダングサ以外のキク科の花を対照実験として給餌してみることにしました。

近くに生えていたノコンギクの頭花を摘んできて垂直円網に投げつけても、隠れ家(キイチゴ?葉裏)のクモは無反応でした。
鳴らした音叉で花に440Hzの振動を与えると、ようやくクモが甑まで出てきました。
もう一度花に振動を与えると、獲物が暴れていると騙されてクモが花の所まで駆けつけました。
花に触れて調べている間にあともう5回、繰り返し振動を与えてみます。
しかしクモは菊の花に噛み付いたまま静止しているだけで、期待した梱包ラッピングをしてくれませんでした。

ようやく噛んでいた花を手放すと、その花を網に放置したままで甑に素早く戻りました。
信号糸を登り、隠れ家に帰りました。
花を噛んでいる間に花蜜や花粉を摂取したかどうか、外から見ているだけでは分かりません。
隠れ家に持ち帰ってゆっくり食べるほど気に入った味ではなかったのかな?
餌ではなく異物だと認識したにせよ、異物を除去しないで放置するのは初めての反応です。

更にしつこく音叉でノコンギクの花を震わせても隠れ家のクモは無反応でした。
「狼少年の嘘にはもう騙されないぞ!」と学習したようです。
そこで今度は音叉を直接網に付けてやると、クモはすぐに網に降りてきました。
その先はもうクモは騙されず、異物の花を放置したまますぐ隠れ家に戻ってしまいました。

諦めかけたら、何故かしばらくするとイシサワオニグモ♀が隠れ家から網へ自発的に戻って来ました。
先程は何か身の危険を感じて逃げ帰ったのかもしれませんね。
甑に占座したクモは網を歩脚でしゃくり、異物の在処を探り当てると、ようやくノコンギクの花を網から外して捨てました。
その場で網を引き締め、もう他には異物が付いていないことを確認しています。
糸を切ったことによる網全体への影響(張力のバランスなど)を調べているのかもしれません。
甑に戻ると、朝日を浴びながら歩脚の先を舐めて身繕いしています。
捨てられたノコンギクの花はシダの葉に落ちていました。
しばらく日光浴してから、ようやく隠れ家に戻りました。

ちなみに午前8:08に測った気象状況は、気温19.2℃、湿度85%。

つづく→#9:網に付いたノコンギクの花を取り除くジョロウグモ♀(蜘蛛)


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