2016/01/29

巣の外被を増築するキイロスズメバチ♀【微速度撮影】



2015年10月上旬・午後12:25〜14:26

キイロスズメバチ巣の定点観察#3


翌日の昼過ぎ、軒下でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が巣の外被を増築している様子を微速度撮影してみました。
夜の静けさとは打って変わって昼間のコロニーは活発です。
50倍速の早回し映像をご覧ください。
多数のワーカー♀が各自の判断で外被上のあちこちで巣材を鱗状にせっせと付け足しています。
巣口では門衛が中から見張っています。

ところで、軒下で巣が固定されている垂木をウロウロと歩き回っている黒っぽい昆虫が気になります。
スズメバチの巣に寄生するハネカクシやゴキブリだとしたら面白いのですけど、越冬場所を探しているカメムシかな?

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

おまけの動画1:60倍速映像


おまけの動画2:10倍速映像(オリジナル)


同じ素材で早回し速度を変えたバージョンをブログ限定で公開します。

つづく→#4:巣の外に捨てられたキイロスズメバチ幼虫の謎



2016/01/28

オオヒメグモを捕食するユカタヤマシログモ(蜘蛛)



2015年10月上旬

ユカタヤマシログモの飼育記録#2


ユカタヤマシログモScytodes thoracica)を地下室で採集して以来、少なくとも19日間は絶食していたのに平気で生きていました。
飢餓耐性が強いという前評判通りでした。

さてこの日は、本種独特の狩りの習性を観察するために、予め室内で捕獲しておいたオオヒメグモParasteatoda tepidariorum)幼体を与えてみました。

ともに地下室などの室内で見かけるクモですから、獲物として不自然ではありません。
オオヒメグモが不規則網を張ったところにユカタヤマシログモを投入したのではなく、ユカタヤマシログモの飼育容器にオオヒメグモを投入したので、アウェイ環境のオオヒメグモに勝算はありません。
獲物が近くに歩いて来た瞬間にユカタヤマシログモが電光石火で仕留めたようで、オオヒメグモはすぐに動けなくなりました。
狩りの瞬間は撮り損ねてしまい、直後からの撮影です。

接写してみると、獲物は強力な粘着糸で容器底面に貼り付けにされていました。
ユカタヤマシログモが噴射した糸が透明プラスチック容器の底にジグザグに付着しています。
ユカタヤマシログモの頭胸部が巨大(頭でっかち)で奇怪な印象を与えるのは、吐糸器官が収まっているからなのでしょう。

ユカタヤマシログモは獲物の傍らで悠然と身繕いしています。
まず触肢の先を舐めて掃除を始めました。
触肢を互いに擦り合わせています。
次は歩脚の先(跗節)を舐めて掃除。
大顎で足先を甘噛みする動きに合わせ触肢を素早く開閉しています。

オオヒメグモは初めにピクリとかすかに動いただけで、その後は動かなくなりました。
ユカタヤマシログモが噛んで毒液を注入しなくても、吐糸に含まれた毒液に触れただけで獲物の体が麻痺してくるのでしょうか。

化粧が済むとユカタヤマシログモはようやく獲物に噛み付いて捕食(体外消化と吸汁)を開始。
噛み付く場所はオオヒメグモの歩脚の膝?関節でした。

色々とアングルを変えて接写してみても、食餌中はクモの動きが乏しくあまり面白くありません。
よく見るとユカタヤマシログモの触肢と牙が微かに動いています。
映像後半は採寸のため、飼育容器の下に方眼紙を敷きました。(@5:35〜)
今回は室内でも自然光下で接写したら明るく色調も自然で良い感じになりました。

次回はユカタヤマシログモが獲物をめがけて口から高速で吐糸する瞬間をハイスピード動画で記録してみます。

つづく→#3:獲物を捕食・吸汁するユカタヤマシログモ(蜘蛛)


給餌直前のオオヒメグモ
【追記】
22日後に撮った食べ滓の写真です。


巣の外被で寝るキイロスズメバチ♀【暗視映像】



2015年10月上旬・夜21:20頃


キイロスズメバチ巣の定点観察#2


前回の観察から4日後の夜、軒下を見に行くとキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣は寝静まっていました。
赤外線の暗視カメラで撮ると、巣口横の外被に3匹の蜂が静止しています。
その全員が頭を巣口に向けています。
当然ながら夏の暑さも過ぎたこの時期に、扇風行動はやりません。
モンスズメバチとは異なり、昼行性のキイロスズメバチは夜間活動しません。
ストロボを焚いて撮った写真を見直すと、数匹の蜂が自らの体で巣口に栓をするように塞いでいます。
門衛なのでしょう。
キイロスズメバチがこれほど警戒している夜行性の仮想敵は一体何でしょうか?
写真を見る限り、雄蜂の姿はありませんでした。

門限を破って帰宅が遅くなってしまったワーカー♀が巣に入れてもらえずに、巣口の横で泣きながら夜明かししているのだろうか?と擬人化したお笑い妄想を膨らませてしまいました。
巣の中は寝苦しいから涼しい外で寝るほうが好きだという暑がりの蜂がいたりして…?

映像の冒頭で巣の右横にある垂木を謎の黒い昆虫が歩いて巣に接近しているのが目を引きました。(画面右から登場)
コガタスズメバチの巣の外被に潜んでいたゴキブリを思い出して興味深く思いました。
謎の虫はすぐ死角に隠れてしまった上に、この営巣地は高所過ぎて、果たしてゴキブリなのかどうかよく見えませんでした。
なんとなく、長い触角を持つカマドウマのような気もします(自信なし)。
それに応じて外被上左下のキイロスズメバチ♀個体が覚醒し触角を動かしました。

※ 前半のみ動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→#3:巣の外被を増築するキイロスズメバチ♀【微速度撮影】



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