2016/01/12

夜の隠れ家で身繕いするアカオニグモ♀b【蜘蛛:暗視映像】

2015年10月上旬

アカオニグモ♀の定点観察#21


1週間ぶりの午前中に様子を見に行くと、アカオニグモ♀b(Araneus pinguis)は垂直円網を張ったまま、隠れ家(クルミ葉裏)に潜んでいました。
腹背は未だ赤く色づいていません(黄色っぽい)。
クルミ幼木の葉はもう枯れています。
糸で綴っているから落葉しないのかな?





午後19:16〜19:40

日没後に再訪すると網を取り壊した後でした。
網を畳む行動をまたもや見逃してしまいました。
隠れ家のクルミ葉先とアメリカセンダングサの葉先を水平に結ぶ強靭な枠糸以外はきれいさっぱり破網済みです。
クモは隠れ家に潜んで身繕いしていました。

もし前回と同様に夜間も円網の甑に占座しているのであれば、生き餌を給餌したり色々とやってみたいことがあったのに、あてが外れました。
網に居るのかどうか?という素朴で単純な問題ですら、クモは気紛れというか掴みどころがなく、モヤモヤしたままです。

ビデオカメラや赤外線投光機のバッテリーも切れたので、夜の観察を打ち切り帰りました。

残念ながらこの個体を観察できたのは、この日が最後でした。
辺り一帯が草刈りされてしまったのです。
網の取り壊しや卵嚢作りなど残るテーマの撮影は来季以降の宿題になります。
2匹のアカオニグモ♀を見比べてみると行動の細かい点で個体差があるような印象を受けたので、追求し始めると奥が深そうです。
造網性クモの飼育も避けて通れないみたいで挑戦してみたいのですが、どうなることやら…。

シリーズ完。


クロスズメバチ♀の吸水



2015年10月上旬

山麓の参道で沢から流れる水で濡れた轍にクロスズメバチの一種が来て水を飲んでいました。
飛ぶとハエのようなやや甲高い羽音を立てます。
背側しか見れなかったのですが、後胸部に2対の白紋があることからクロスズメバチ♀(Vespula flaviceps)または滅多に見かけないホンシュウキオビホオナガスズメバチ♀(Dolichovespula media sugare)でしょうか?
肝心の頭楯は見えませんでした。
ワーカー♀なのか新女王なのか微妙な時期です。
キオビホオナガスズメバチの女王蜂は黄色のはずなので除外。



2016/01/11

音叉でアカオニグモ♀bを騙してみよう【暗視映像】



2015年9月下旬・深夜23:36

アカオニグモ♀の定点観察#20


垂直円網の下側を一部だけ取り壊したアカオニグモ♀b(Araneus pinguis)は網を離れ、クルミ幼木の黄葉した葉を糸で綴った隠れ家に身を隠してしまいました。
隠れ家は円網の左端にあり、葉裏に潜むクモは円網の中心から伸びた信号糸を常に触れています。

本当は何か虫を網に給餌して捕食する様子を観察したかったのですが、現場で獲物を調達できませんでした。
仕方がないので、音叉で実験してみます。
持参した音叉を叩いてキーン♪(ラ音 440 Hz
)と鳴らしてからアカオニグモの円網に付けてみると、途端にクモが隠れ家から信号糸を伝って滑り降りるように網の中心に駆けつけました。
歩脚で四方の網を引き締め、網にかかった位置を確認しています。
ところが音叉に触れないまま、すぐに隠れ家に戻ってしまいました。
音叉の先を捕帯でラッピングしたり噛み付いたりするのを期待したのですが、やりませんでした。
音叉の振動がすぐに減衰してしまったせいか、本物の獲物ではないと見破ったのか、分かりません。
網から音叉を引き剥がそうとすると、横糸の粘着性が強くて苦労しました。
その際の振動に対しては隠れ家のクモは無反応でした。
以上、音叉に対する反応は、近くで営巣していた別個体♀aで試したときと同じ結果です。

今思うと、対照実験として、鳴らしていない音叉を網に付けてもクモは決して反応しないことを示す必要がありますね。

明け方に行われるはずの破網の続き→造網を観察したかったのですけど、ビデオカメラのバッテリーも切れたので、後ろ髪を引かれつつ観察を打ち切って帰宅しました。(深夜23:58)


つづく→#21:夜の隠れ家で身繕いするアカオニグモ♀b【蜘蛛:暗視映像】



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