2015/10/29

ジョロウグモ♀♂(蜘蛛)の交接



2015年8月下旬・午後16:04〜16:11

家屋の軒下に張られた馬蹄形の網でジョロウグモNephila clavata)♀♂が同居していました。
♀はやや小さ目の個体で、網に居る♂は1匹のみでした。
徐ろに♂が♀に接近して交接を始めるシーンを目撃したので、慌ててカメラを持って来ました。
すぐ横に脱皮殻がぶら下がっているので、♀は脱皮して成体になったばかりなのでしょう。

♂は左側の触肢の尖った先端を♀腹面の外雌器に挿し込んでいます。
触肢の基部血嚢を風船のように伸縮させて精子を送り込んでいます。
せっかくマクロレンズで接写したのに、風で網が揺れで苦戦しました。
※ 接写パートは動画編集時に自動色調補正を施してあります。

それまでおとなしくしていた♀が急に動き始め(@4:50)、交接は打ち切られました。
交接が完了しても性的共食いは見られず、♂は無事に♀から離れました。
別れの瞬間を記録できたのは収穫です。
逃げた♂は♀の網の少し離れた位置で落ち着きました。
♀は背側を向けて下向きに占座。

全景を撮ると、網には針葉樹(メタセコイア?)の落ち葉が多数付着していますが、取り除かれていません。
♀の上に居る♂が再び交接を挑むのではないかと期待したものの、休んでいるだけで動きがありません。
最後はもう一度接写したら網にマクロレンズが触れてしまったようで、♂が移動を始めました。



2015/10/28

セグロアシナガバチ?巣上の偽交尾



2015年8月中旬

セグロアシナガバチ巣の定点観察#6

※ このコロニーの蜂はセグロアシナガバチ(Polistes jokahamae)ではなく、キアシナガバチ(Polistes rothneyi)の前伸腹節の黄紋が無い斑紋変異なのかもしれません。

20日ぶりに様子を見に行くと、♂が羽化していました。
巣盤の側面から狙うと、在巣の蜂は見える範囲で♂2♀2。
ほとんど動きが無く、ときどき身繕いするぐらいでした。
突然、♂が♀の背後からマウントして偽交尾を始めました。
正式な交尾には至らず、すぐに別れました。
♀がワーカーなのか新女王なのか、個体識別していないので不明です。

つづく→#7:寄生蛾に食害されたセグロアシナガバチ?の巣




【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
社会性ハチは、どの種も、巣の中や巣上で交尾をしないのが原則である。アシナガバチ属では、8〜9月ごろ、巣の上に静止している新女王にたいして、♂が、交尾器を新女王の腹端に接触する行動がひんぱんにみられる。これは“偽交尾”ともいうべき行動で、交尾には進まない。(p72より引用)



オニグモ♀の散歩、略して鬼散歩。



2015年8月中旬

車庫のコンクリート壁に立派なオニグモ♀(Araneus ventricosus)が横向きにへばりついていて、ギョッ!としました。
たまたま別の作業中でゴム手袋をしていたのですが、採寸代わりに左手の指を差し出して並べてみました。
(オニグモに噛まれると危険、と用心してゴム手袋を着用した訳ではありません。)
クモの左第2歩脚に軽く触れると驚いて垂直の壁面を登り始めました。
辺りに円網は見当たりません。
昼間は網を畳んでしまうことがあるそうです。

車庫入り口のトタン屋根を横に歩いて移動しています。
オニグモが網の外でこれほど長い距離を徘徊するシーンは初見です。
造網性クモの歩行はぎこちないです。
クモバチなどの天敵に襲われて、命からがら逃げてきたのかもしれません。
歩脚に欠損はなく、五体満足の個体でした。
腹部がぺしゃんこだったので、獲物があまりかからない場所に見切りをつけて新天地に造網しようと移動しているのかもしれません。
どこに造網するのか行く先を見届けるべきでしたが、少し目を離したら見失ってしまいました。

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