2015年8月中旬
セグロアシナガバチ巣の定点観察#6
※ このコロニーの蜂はセグロアシナガバチ(Polistes jokahamae)ではなく、キアシナガバチ(Polistes rothneyi)の前伸腹節の黄紋が無い斑紋変異なのかもしれません。
20日ぶりに様子を見に行くと、♂が羽化していました。
巣盤の側面から狙うと、在巣の蜂は見える範囲で♂2♀2。
ほとんど動きが無く、ときどき身繕いするぐらいでした。
突然、♂が♀の背後からマウントして偽交尾を始めました。
正式な交尾には至らず、すぐに別れました。
♀がワーカーなのか新女王なのか、個体識別していないので不明です。
つづく→#7:寄生蛾に食害されたセグロアシナガバチ?の巣
【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
社会性ハチは、どの種も、巣の中や巣上で交尾をしないのが原則である。アシナガバチ属では、8〜9月ごろ、巣の上に静止している新女王にたいして、♂が、交尾器を新女王の腹端に接触する行動がひんぱんにみられる。これは“偽交尾”ともいうべき行動で、交尾には進まない。(p72より引用)
2015年8月中旬
車庫のコンクリート壁に立派なオニグモ♀(Araneus ventricosus)が横向きにへばりついていて、ギョッ!としました。
たまたま別の作業中でゴム手袋をしていたのですが、採寸代わりに左手の指を差し出して並べてみました。
(オニグモに噛まれると危険、と用心してゴム手袋を着用した訳ではありません。)
クモの左第2歩脚に軽く触れると驚いて垂直の壁面を登り始めました。
辺りに円網は見当たりません。
昼間は網を畳んでしまうことがあるそうです。
車庫入り口のトタン屋根を横に歩いて移動しています。
オニグモが網の外でこれほど長い距離を徘徊するシーンは初見です。
造網性クモの歩行はぎこちないです。
クモバチなどの天敵に襲われて、命からがら逃げてきたのかもしれません。
歩脚に欠損はなく、五体満足の個体でした。
腹部がぺしゃんこだったので、獲物があまりかからない場所に見切りをつけて新天地に造網しようと移動しているのかもしれません。
どこに造網するのか行く先を見届けるべきでしたが、少し目を離したら見失ってしまいました。
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ジョロウグモ♀の遠出
2015年8月中旬
コアシナガバチ♂(Polistes snelleni)がクズの葉に乗って身繕いしています。
顔が白く触角の先がカールしているので雄蜂で間違いありません。
飛び立った先で捕獲しました。
雄蜂は毒針を持たないため、素手で翅を摘んで持っても刺されません。
腹部の動きは♀が毒針で刺す動きと同じで、これは♀に擬態したブラフと表現できるかもしれません。
華奢な大顎で噛まれても痛くありません。
全くの無害で無闇に恐れる必要はないことがお分かりいただけるでしょう。
(もちろん、相手が♀だったら私もこんな無茶はしません。)
以下は標本写真。
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腹端には毒針の代わりに毛が生えていました。 |