2015/06/24

ヒオドシチョウの羽化【微速度撮影a】



ヒオドシチョウの飼育記録#11

▼前回の記事
触られて暴れるヒオドシチョウ垂蛹

2015年6月上旬・室温25℃

10日前に蛹化したヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)個体a黄が遂に羽化しました。
朝起きたら、錆色だった蛹が黒っぽくなっていました。
蛹の外から成虫の翅の赤いヒオドシ模様が透けて見えるので、羽化が近いと分かりました。
羽化の様子を記録するために、カメラ2台で別アングルの微速度撮影をしてみました。
垂蛹の腹端が竹の棒に対して斜め向きに(45°)付着しているため、真っ直ぐなアングル(背面、側面)で撮ろうとすると苦労しました。
羽化した成虫がどちらを向いて翅を伸ばしてくれるのかは運次第ですが、二方向から撮ればなんとかなりそうです。

まず初めにご覧頂く映像は、背側を狙った10秒インターバル撮影の連続写真を素材に制作したものです。
ヒオドシチョウの垂蛹は自発的な蠕動など羽化の前兆は一切ないようです。
羽化開始時刻は午後14:39:24でした。
突然に蛹の胸背が割れました。
成虫の脱出はあっという間で(1分半)、午後14:40:56には蛹から完全に抜け出て抜け殻にしがみつきました。
午後14:43:14には翅も伸び切りました。
とにかく大急ぎで羽化が完了しました。

続いてお見せするのは、側面を狙い、初めから動画で撮った10倍速の早回し映像です。
成虫は羽化殻にしがみついたまま、ゼンマイ状の口吻を伸縮させています。
室内の微風に翅があおられてユラユラ揺れています。
ヒオドシチョウ成虫の性別の見分け方を私は知りません。

蛹の中で折り畳まれていた翅がまっすぐに伸びるのは、翅脈に送り込む体液の圧力によるものです。
翅伸展が完了すると、余分な体液を排泄します。
蛹便とか羽化液と呼ばれるのですが、ヒオドシチョウの場合は血のような色をしていました。
早回し映像でも蛹便を排泄する瞬間が撮れていました。
複数回に分けてポタポタと滴り落ちて、下に敷いた白紙で赤い滴がわずかに大きくなりました。

新成虫は夜になると、羽化殻から竹棒に登って下面にしがみつき、眠りに就きました。
初めて飛ぶ瞬間は見逃してしまいました。
紙面に残った蛹便の雫が乾いて、血の色になっていました。
本当にヒトの血痕と間違えそうです。


翌日に乾いた蛹便痕

以下は羽化殻の写真です。
垂蛹を腹端を固定するため竹棒に張り巡らした足場糸を剥がすとシート状になっていました。


側面
側面
背面
腹面
腹端を固定するため竹棒に張り巡らしたシート状の足場糸を剥がす

つづく→#12:個体cの羽化【10倍速映像】



【おまけの動画1】
記事冒頭の映像では動きのない部分を編集でカットしましたが、10秒インターバル撮影で長時間(午後12:03:36〜16:04:34)監視した記録映像をブログ限定公開します。
垂蛹が激しく蠕動するなど羽化の兆候は認められませんでした。
不意に羽化するので驚きます。



【おまけの動画2】
別アングルの10倍速微速度撮影でも、羽化の直前まで垂蛹に動きはありませんでした。


ツルマンネングサの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀



2015年6月上旬

堤防の階段を営巣地としているフタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が、そのコンクリート階段のあちこちに蔓延るツルマンネングサの花を訪れていました。


大小2タイプの蜂は、創設女王とワーカー♀なのでしょう。
近くに営巣しているはずですが、巣を見つけられず残念。

背側から撮ってるだけなので肝心の口元が見えず、吸蜜かどうか厳密には不明です。
ただの日光浴だったりして?
身繕いしている個体もいます。


2015/06/23

水溜りで水浴するムクドリ(野鳥)の群れ♪【HD動画&ハイスピード動画】



2015年6月上旬

前日の雨で遊歩道にできた水溜りでムクドリSturnus cineraceus)の群れが騒がしく鳴きながら水浴びしていました。
浅い水溜りに身を屈めると、激しく羽ばたいて体に水を跳ね散らしています。
水浴というよりも泥浴びと呼ぶべきかもしれません。
水を飲んでいる個体もいます。
後半は(@1:19〜)240fpsのハイスピード動画に切り替えて、水浴の激しい動きを撮ってみました。
行水した後は激しく身震いして濡らした羽毛を水切りします。

群れが飛び去った直後に現場検証してみると、浅い水溜りでややドブ臭く、決してきれいな水質とは言えませんでした。
前日の雨とは打って変わり、この日は晴天で暑かったです。
少し前に現場の近くで測った気温は30℃でした。(アシナガバチが木陰の巣を冷やす扇風行動するほどの暑さ)



【追記】
宮崎学『水場 (森の写真動物記 2)』p8によると、
野鳥たちにとって水場は、水を飲むだけの場所ではありません。「水浴」といって、水たまりを風呂のようにもつかいます。(中略) そのためには、水たまりはふかくないほうがよく、小鳥の足の長さが3cmほどですから、水深は1~2cmくらいがちょうどよいのです。





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