2015/03/11

卵鞘を産み始めたヤマトゴキブリ♀の水飲み行動



2014年6月上旬

ヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)飼育個体♀aの記録です。

腹端に産みかけの白い卵鞘をぶら下げていました。
この個体が産んだ7個目の卵鞘です。
まさに産卵マシーン!
そのまま飼育容器内を歩き回り給水皿(ペットボトルの蓋)に近づいて水を飲む様子を接写できました。
この日の晩になると卵鞘は見慣れた黒褐色に変わりました。

夜間にヤマトゴキブリ♀が卵鞘を朽木に産み付けその表面に木屑をまぶす興味深い行動を暗視カメラで撮影するのが今後の目標です。



七面鳥の死骸に群がり貪り食うハシブトガラス(野鳥)



2014年11月中旬

郊外の某農園でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が広い畑の奥に群がり、何か黒っぽい死骸を啄んでいました。
この時点で死骸の正体は不明ですが、翼があるのでおそらく鳥類でしょう。
まさか共食い?
肋骨に残った肉が赤く見えて生々しいです。
ハシブトガラスばかりが最大で9羽も死骸に集まっていました。
意外にも餌をめぐる喧嘩は起こらず、仲良く分かち合っている印象です。
ハシブトガラスに特有の澄んだ声でカーカー♪鳴く声も聞こえてきます。
(食べながら鳴いているのではなく、食事にありつけず遠巻きにしている個体の鳴き声です。)
獲物が何か知りたくても他所の畑にずかずか勝手に入り込む訳にはいきません。
事情を聞いて回ると、近くで飼養しているシチメンチョウMeleagris gallopavo)が2羽ネコに襲われたとのことでした。
実際に、カラスが群がる現場の近くで野良猫を目撃しました。(映像は撮り忘れ)
もしかすると初めはネコが食べていた獲物をカラスが群れで強奪したのかもしれません。
死骸が黒焦げに見えたのは、七面鳥の丸焼きを焼き過ぎたのではなく、もともと七面鳥の羽毛は黒いらしい。



ハシボソガラスが英語でcarrion crowと呼ばれているからと言って屍肉食がハシボソガラスの専売特許ではない、ハシブトガラス(英名:jungle crow)もまた屍肉を食べる、ということを再認識しました。

▼関連記事(2013年5月下旬)
川で死肉を漁るハシブトガラスのつがい(野鳥)

『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p170によるとハシブトガラスは

死体や腐肉、他の動物の糞なども食べ、サバンナのハイエナのような掃除屋(スカベンジャー)としてのはたらきもしている。



2015/03/10

ニホンミツバチ♀門衛の振身威嚇とキイロスズメバチ♀の狩り【ハイスピード動画】



2014年9月上旬
▼前回の記事 
ニホンミツバチ♀を待ち伏せするキイロスズメバチ♀の停空飛翔【ハイスピード動画】
古い木造建築の床下に長年ニホンミツバチApis cerana japonica)のコロニーが営巣しています(自然巣)。
板壁の裏の床下で勝手に居候しているだけなので、ミツバチの人工巣箱のように分かりやすく設計されていません。
板壁の隙間以外にも巣口が複数ありますし、巣の構造などが分かりにくくなっています。
(刺されないような防護服があれば床下に潜り込んで積極的に調べられるのですが…。)
キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が一匹、帰巣するミツバチを迎撃しようと巣の手前でホバリング(停空飛翔)しながら待ち構えていました。
狩りの瞬間または蜂球形成による反撃が見れるかと期待して、240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。

外役に出かけるニホンミツバチのワーカー♀は板壁の隙間から出入りしています。
本に書いてある通り、キイロスズメバチは帰巣するミツバチを捕らえようと、巣とは逆方向を向いてホバリング(停空飛翔)しつつ待ち構えています。
天敵キイロスズメバチの接近に対して、巣口付近の板壁にニホンミツバチの門衛♀が数匹集まって振身威嚇を行っています。
振身行動の群れが大きいほどスズメバチを幻惑する効果は高いはずです。

ところが、今回はなぜか門衛の集合性が弱い(まとまりに欠ける)ので、威嚇の迫力や切迫感がありません。
一応、門衛たちの振身運動はほぼシンクロしていることが分かります。

しばらくすると、ホバリングするキイロスズメバチはそれまでとは逆に板壁を向いて飛ぶようになりました。(@1:42〜)

これは定説に反した狩猟行動です。
巣口付近のニホンミツバチ門衛に狙いを定めたようです。
至近距離から慎重に品定めしています。
うかつに飛び込むとニホンミツバチから一斉に反撃され蜂球形成で蒸し焼きにされるリスクをキイロスズメバチは知っているかのようです。
振身威嚇の援軍に駆けつけるニホンミツバチ個体も居て、
巣口から飛び出してすぐ板壁に着地しました
キイロスズメバチが何度か板壁のミツバチに飛びつこうとするも、寸前でミツバチが落下したり飛んで逃げたりしています。
襲われるギリギリで板壁から飛び立ち巣口(板壁の隙間)に逃げ込む門衛もいます。

息づまる神経戦の末にようやくキイロスズメバチがニホンミツバチを捕らえました。
残念ながら狩りの瞬間は撮り損ねてしまいました。
板壁の手前に置かれた材木の上でミツバチを噛み殺すと、キイロスズメバチは獲物を咥えて飛び去りました。
どこかで近くで止まり直し肉団子に丸めてから帰巣するはずですが、見失ってしまいました。
ニホンミツバチにしてみれば一匹が犠牲になった瞬間こそ仇を討つ絶好のチャンスなのに、キイロスズメバチに一斉に飛び付いて群がり蜂球を作ることはありませんでした。(私は未だ実際に見たことがありません。)
なんとなく、このニホンミツバチのコロニーは個体数が少ないような気がしました。


『ニホンミツバチ:北限のApis cerana』を紐解いて「キイロスズメバチに対する防衛行動」と題した一節(p148〜150)を読んでみました。
・スズメバチが巣門に飛来したことを羽音ではなく視覚的に感じている。(羽音だけ聞かせても無反応)

・門番蜂は振身行動で対応する。腹部を高く差し上げて、これを大きく左右に振るので、腹部の白いバンドが大きく弧を描いて残像のように映る。

・振身行動をとられるとスズメバチは明らかに嫌がり、的を絞れないか、目が眩んで距離を測れない効果があるらしい。



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