2015/01/13

夜もミズナラ樹液酒場に通うモンスズメバチ♀【暗視映像】



2014年9月中旬

定点観察しているミズナラの樹液酒場は夜になるとモンスズメバチVespa crabro flavofasciata)の天下になりました。
昼間ここを我が物顔で占有していたオオスズメバチやチャイロスズメバチは日が暮れると姿を見せなくなります。
昼と夜の時間帯によってうまくニッチを棲み分けているなーと感心します。
むしろモンスズメバチが昼も夜も貪欲に(疲れ知らずに)活動しているのが印象的です。

赤外線の暗視カメラで撮っていると(時刻は18:30 pm)、同じ巣の出身と思われる2匹のワーカー♀が来ていました。
前回の観察では2匹が餌場で出会うと口移しで挨拶していましたが、今回は栄養交換は見られませんでした。

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夜のミズナラ樹液酒場で栄養交換するモンスズメバチ♀【暗視映像】
クロオオアリとムナビロオオキスイも樹液酒場に集まって来ています。
モンスズメバチは暗くなっても自在に飛び回ることから、闇夜でも目が見えているはずです。
しかし夜の樹液酒場で他の昆虫とニアミスしても追い払う素振り(占有行動)を示さないので、実はよく見えていないのでは?という気もしてきます。
樹液を独り占めせずに寛容なのかしらん?
一方、クロオオアリは触角でモンスズメバチの存在を探知して避けている(遠慮している)ことが映像から窺い知れます。
モンスズメバチは幹で念入りに身繕いしてから飛び去りました。


ホシヒメホウジャク(蛾)の停空飛翔【ハイスピード動画】




2014年9月下旬

用水路沿いに生えたアザミ(種名不詳)の花で小型のスズメガが飛び回り吸蜜していました。
ホバリング(停空飛翔)しながら長い口吻を伸ばして吸蜜する様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
ところが夕暮れ時のため、光量不足の厳しい条件です。※

1/8倍速のスローモーションでも羽ばたきは速過ぎて見えませんでした。
後翅の橙色紋だけが目立ちます。
少なくとも2頭が入れ代わり立ち代わり訪花していました。
ときどき出会い頭に軽い空中戦も勃発したのですが、その面白いシーンは撮れませんでした。

同定用にストロボを焚いた写真は上手く撮れ、ホシヒメホウジャクNeogurelca himachala sangaica)と判明しました。

※ 本種成虫は薄明時の数時間しか活動しないらしい。
英語版wikipediaの記述を引用すると

Adults do not fly very much and are active for only a few hours just after day-break and/or at dusk.
薄暗い時の写真撮影はストロボを焚くだけで済みますけど、動画で記録するのは困難な挑戦になります。(強い照明を使うと蛾の自然な行動に影響を及ぼしてしまうでしょう。)



花の名前もしっかり調べたかったのですけど、用水路の対岸の藪に咲いている群落なので、近づいて接写したり採集したりできませんでした。

つづく→HD動画&暗視動画



クロヒカゲの水難事故



2014年9月下旬

稲刈りシーズンとなり、農業用水路は水抜きされていました。
一部に残った溜まり水でキジバトが喉を潤していたようです。
私が気づかずに近づくと、驚いた鳥がバサバサと慌てて飛んで逃げて行きました。(映像なし)
おそらくその急な羽ばたきに煽られたせいだと思うのですが、クロヒカゲLethe diana)が水に落ちてしまいました。
後翅裏面の「くの字」からヒカゲチョウではなくクロヒカゲと判明。
左前翅が破損しているのは野鳥に襲われたビークマークかな?
だとすれば、自慢の眼状紋に自衛の威嚇効果は無かったことになります。
もしかすると先程見かけたキジバトに捕食されそうになり、逃げている途中で水面に緊急不時着したのでしょうか。
翅の鱗粉に撥水性があるため、浮力もあって沈まずに水面で暴れています。
鱗粉が浮いた水面でクロヒカゲが暴れる度に波紋が同心円状に広がります。
自力で岸に辿り着けば助かりそうですが、パニック状態で暴れても体力が消耗するばかりです。
安全対策上、深い用水路の底には下りれないようになっていたので、助けてやることが出来ませんでした。

映像後半は水面が反射して白飛び気味なので、YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。
今思うと、レンズに偏光フィルターを装着すべきでしたね。(せっかく買ったのに未だ使ったことがありません…。)



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