2015/08/15

ゲンジボタルの発光による配偶行動と交尾未遂【暗視映像】



2015年6月中旬・夜20:30頃

道端の草むらで2匹の蛍が発光しています。
暗闇で光る蛍にピントを合わせるのは、私のビデオカメラでは無理です。
光りながら互いに飛んで接近したようです。

赤外線の暗視映像に撮ってみると、ようやく状況が分かるようになりました。
初めは少し離れ、ヨモギの葉に止まっています。
左がゲンジボタルLuciola cruciata)♀で右が♂と後に判明します。
なぜか♂のほうが大型です。(普通は♀>♂)
♀に尻を向けていた♂が急に飛び立ち、♀の下に移動しました。
風に流されるほどの強風は吹いていなかったのに、どうしてそちらに飛んだのか謎です。
光りながら♀に接近する♂に♀も気づいて互いに歩き回ります。
途中で接触したのにすれ違いました。
やがて2匹とも初めと同じ場所に戻ってしまいました。

やがて再び右の♂が飛び立ち、光りながら♀の下から接近すると、背後からマウントしました。
ところが交尾には至らなかったらしく、すぐに別れてしまいました。
体長が不釣り合い(♂>♀)だったせいでしょうか?
♀が逃げ出しました。

白色LEDを点灯すると、胸背の斑紋からゲンジボタルと判明しました。
驚いたことに、眩しい照明下でも発光しながら再びマウントしました。
慌てて暗視モードに戻すと交尾器の結合が外れ、互いに光りながら歩き去りました。
♂の交尾器が伸びて見えたのが生々しかったです。
暗視モードに戻すと葉表に戻った♂が再び♀の背後から近づくも、マウントせずに歩き去りました。
最後は隣りの葉に並んで止まりました。
その間、奥の草むらでも別個体が光っていました。

ホタルの観察は今季から始めたばかりなので、何をしているのかよく分かりません。
家に帰ってホタルの本で復習すると、今回私が観察したのは交尾未遂だったようです。
撮影直後にペアを採集してホタルの種類と性別をしっかり見分けなかったのは痛恨のミスでした。
てっきり♀だと思っていた小型の個体も映像をよく見直すと腹部2節が光っていたので、小型の♂のような気がしてきました。
だとすれば同性愛のような行動になりますが、もしかすると♂同士の争いだったのかもしれません。
小型の♂がスニーカー戦略で♀のふりをしていて、その結果として大型の♂が誤認交尾したとしたら、非常に面白いのですが…。


『カラー自然シリーズ46:ホタルのくらし』p10によると、

相手が♀だと分かってから、強い光を何度も激しく発光するのは、明らかに自分の存在を相手に知らせようとする信号です。言い換えれば、「光による言葉」です。
ぴかぴか…と5回ぐらい連続して、何度か光る様子は、写真を撮るときのフラッシュのようなので、「フラッシュ発光」と呼ばれます。

ホタルの成虫は、♀1匹に対して、♂が3匹ぐらいの割合です。ですから、♂は、少ない♀を一生懸命探さなければなりません。
やっと♀に巡り会えた♂は、フラッシュ発光でプロポーズしますが、そのとき♀からも、強い光の答えがないと近づけないのです。1回、ぴかーっと♀が光ると、♂は、すぐに歩いて行って交尾します。すると、両方とも光は弱くなり、かすかに光るだけになります。交尾は、次の日の朝まで続きます。

『科学のアルバム:ホタル 光のひみつ』p9によると、ゲンジボタルは

交尾の間も、弱くずっと光り続けています。

『日本の昆虫12:ゲンジボタル』によれば、
♂の放つ光に別の♂がアプローチすることもあり、非常にまぎらわしい。♂が♂に接近したときには、しばらく相互に発光してからどちらかの個体が飛び去る。(p48)

 ♂は♀にマウントし、交尾する。その後、♂は♀の背から降りて反対向きの体勢となる。この交尾体勢はゲンジボタルが含まれるLuciola属の大きな特徴といえる。(中略)交尾時間は数時間にわたることがある、かなり長い。(p53-54)

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