2019/03/19

電線から脱糞後に飛び立つチョウゲンボウ♂(野鳥)



2018年10月中旬

▼前回の記事
チョウゲンボウ♂の羽繕いと鳴き声(野鳥)♪

電線に止まったチョウゲンボウ♂(Falco tinnunculus)になかなか飛び立つ気配がないので、急いでカメラに一脚を取り付けました。
望遠レンズで見ている画面の手ブレがこれで少し安定しました。

相変わらず横を向いたり正面を向いたりと辺りをキョロキョロ見回しています。
頭を上下に動かす謎の行動も依然としてやっています。
不意に、尾羽根を持ち上げながら勢い良く脱糞しました。(@0.43)
糞は白っぽくて粘り気がありました。
離陸前の軽量化かな?と予想していたら案の定、ようやく電線から飛び降りました。
近所の農耕地や家庭菜園で何か獲物を見つけて狩りをしたのかもしれませんが、残念ながら見失ってしまいました。
頭と尾が灰色なので♂と判明しました。
翼の先は指状に開かず尖っていました。

排泄および飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2019/03/18

イラガ(蛾)終齢幼虫が小枝の樹皮を剥いで営繭準備【100倍速映像】



イラガ(蛾)の飼育記録2018年:#3



▼前回の記事
営繭前のイラガ(蛾)終齢幼虫の眠:寝相の10倍速映像

2018年10月上旬

朝からカキノキの小枝に静止していたイラガMonema flavescens)の終齢幼虫の腹面が橙色に変わっていました。
今までの飼育経験から、これは営繭の前兆であることが分かっています。
小枝の登り降りを繰り返していた幼虫が遂に営繭場所を決めたようです。
今回の個体は、あまりワンダリングせずにあっさり営繭場所を決めてくれました。
小枝が三叉になった部分に繭を作るだろうという私の予想はまたもや外れました。
斜めに伸びた小枝の下側表面を口で念入りに齧り始めました。
これから吐く絹糸が接着しやすいように基質表面を整えているのでしょう。
この段階でイラガ幼虫の食欲は無くなっているはずですが、削った木屑を食べているのかどうか、しっかり観察できていません。


名著『わたしの研究:イラガのマユのなぞ』によると、

 糸をはくまえに、はしの表面をかじることがありますが、かじることは、マユをつくるために、どうしてもひつような動作ではありません。シャーレや試験管はガラスですから、これをかじることはできませんが、マユはつくれます。 (p62より引用)
(筆者の石井象二郎氏は飼育下でイラガ幼虫に箸を与えてマユを作らせています。) 


2年前に飼育した際も同様の行動を観察したのですが、このときはせっかく樹皮を剥いだ場所になぜか繭を作りませんでした。
▼関連記事小枝をかじり脱糞するイラガ(蛾)幼虫

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

遂に繭を本格的に紡ぎ始めました。
つづく→#4:繭を紡ぐイラガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】


イラガ(蛾)終齢幼虫@カキノキ小枝+営繭準備
イラガ(蛾)終齢幼虫@カキノキ小枝+営繭準備

2019/03/16

チョウゲンボウ♂の羽繕いと鳴き声(野鳥)♪



2018年10月中旬・午後15:44〜15:55・天気:小雨が降った後の曇り空

郊外の住宅地で猛禽類が甲高く鳴き続ける声が聞こえました。
鳴き声の主を探してみると、田んぼ(稲刈り後の刈田)に隣接した電線に小型の猛禽類が止まっています。
チョウゲンボウFalco tinnunculus)です。
ところが私が物陰からそっと望遠レンズを向けると、警戒したチョウゲンボウ♂は鳴き止んでしまいました。
獲物を狙っているのであれば電線から農地を見下ろしていそうなものですが、逆側の住宅地(および家庭菜園)の方を向いているのが不思議です。
横を向いたり正面を向いたり、キョロキョロ見渡していました。

電線に止まったチョウゲンボウが頭を上下に動かす謎の行動を繰り返しているのは、どういう意味があるのでしょう?
まるでご機嫌な音楽を聴いてそのリズムに乗っているような動きです。

宮崎学『鷲鷹ひとり旅―孤高の猛禽を追って』という名著を読むと、謎が解けました。
 岩場のわずかなつきだしにちょこんととまって、頭を上下にぴくんぴくんと動かすしぐさになんともいえない愛嬌があった。しかし、これはチョウゲンボウ独特の警戒ないしは、相手を少し疑っているときのポーズである。 (p58より引用)


やがて羽繕いを始めました。(@1:30)
小さ目の嘴で背中の羽毛を整えています。

ようやく頭を上下しながらキッキッキッキッ♪と甲高く鳴きました。(@1:45)
残念ながらすぐに鳴き止んでしまいました。
試しにこの鳴き声を声紋解析してみたものの、鳥までやや遠くて録音された音量が小さいためか(S/N比が悪い)、お見せできるほどきれいなスペクトログラムを得られませんでした。

『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』でチョウゲンボウの鳴き声を調べると、

キッキッキッ(繁殖期。非繁殖期はほとんど鳴かない。)(p51より引用)
と書いてありました。
繁殖期はもう終わっていますから、囀りさえずりではないはずです。
縄張り宣言なのか、それとも若鳥が親鳥に餌乞いしているのですかね?


ちなみに、遠くから救急車のサイレン♪が聞こえても、電線で休むチョウゲンボウは無反応でした。(編集でカット)

※ 動画編集時に自動色調補正を施し、音声を正規化して音量を上げています。

再び鳴いてくれるのを待ちながらチョウゲンボウが飛び立つまで記録するつもりで手持ちカメラによる長撮りを続けました。

しかし10分間で私の腕の筋肉が限界を迎えました。
急いでカメラに一脚を取り付けることにします。

つづく→電線から脱糞後に飛び立つチョウゲンボウ♂(野鳥)


チョウゲンボウ♂(野鳥)@電線
チョウゲンボウ♂(野鳥)@電線+羽繕い

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