2016/12/21

ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】



2016年9月上旬・午前9:14〜9:47

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#2

▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫が脱皮場所を探し歩き、落ち着くまで


2日後の朝、眠から目覚めたウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の幼虫が遂に脱皮を始めました。

幼虫の蠕動が目に見えて激しくなり、体の前から脱皮します。
体表のクチクラだけでなく、体内の細い気管も一緒に脱皮します。
最後に引きちぎった白くて細い紐状の物が気管の抜け殻です。
前進して古い皮から完全に抜け出るとすぐに方向転換し、白くて薄い抜け殻(脱皮殻)に向き直りました。
その場で激しい蠕動を続けています

これで無事に亜終齢の幼虫になりました。
体内寄生されているのかもしれないという不安は杞憂に終わりました。



【おまけの動画】
2016年9月上旬・午前5:36〜9:14

時間を少し遡ります。
眠状態のウスムラサキイラガ幼虫が脱皮直前にときどき蠕動運動する様子を微速度撮影で記録した10倍速の早回し映像です。
退屈と言えば退屈な動画かもしれませんけど、未来の誰かにとっては何か資料価値があるかもしれませんので、ブログ限定で公開しておきます。
マクロレンズで接写していると室内の微風でもミズナラの葉が揺れるので、文鎮で葉を固定しました。
撮影用の照明を早朝から当て続けながら愚直に録画していたので、もしかすると幼虫の日周リズムが狂ってしまったかもしれません。

つづく→#3:脱皮直後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】


脱皮直前:2日前より表面が白っぽく変化(脱皮の前兆)。左が幼虫の前方。

ナミハンミョウの狩り捕食



2016年9月上旬


▼前回の記事
ナミハンミョウの道教え【HD動画&ハイスピード動画】

舗装された峠道を走り回るナミハンミョウCicindela japonica)に注目していると、運良く狩りの瞬間を撮影することができました。
活動中のハンミョウは恐ろしげな鋭い大顎を常に開閉しています。
本で読んだ知識によるとハンミョウはアリを狩るらしいのですが、路上でクロアリと遭遇しても無視しています。


その代わりに、路上で蠢いている白っぽい(桃色?)微小の幼虫を繰り返し捕食しました。
獲物を見つけるとがっついて地面に牙を突き立てています。
ただし目の前で獲物が動いているのに見逃して捕食しないこともありました。
木漏れ日がチラチラして路面が非常に見えにくい上に、ハンミョウの背面を見下ろすアングルではちょっと分かり難いですね。
立ち止まって大顎を開閉していた斑猫が、なぜか食べかけの幼虫を吐き出して捨てるシーンも撮れました!(@3:38)
味が気に入らなかった、あるいは有毒の幼虫だったのでしょうか。

(意図的に吐き出したのか、それともうっかり口から落としてしまったのか、不明です。)

獲物の正体を明らかにするために、謎の幼虫をマクロレンズで接写すべきでしたね。
後でやろうと思いつつ、道教え行動の撮影の方に夢中になってしまい、ハンミョウを追い回していたらすっかり忘れてしまいました…。
白っぽい糸屑のような微小の幼虫でした。

2匹のハンミョウが遭遇したら何が起こるのかと期待して見守ったのですが、互いに無関心で別行動をとっていました。


※ 動画編集時にいつものように手ブレ補正しようとしたら、風で揺れる枝葉の影で不自然な映像になる(副作用)ので、今回は止めました。



2016/12/20

ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫が脱皮場所を探し歩き、落ち着くまで

2016年9月上旬

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#1


峠道の横に生えたミズナラの灌木で葉裏に止まっている黄緑色の見慣れない幼虫を見つけました。
葉に食痕があるので、ミズナラが食樹植物なのでしょう。
飼育するため枝ごと採集して持ち帰りました。
採集する際に不注意で幼虫に指で触れてしまったものの、痛みは感じませんでした。

帰ってから調べても、この幼虫の正体がしばらく分かりませんでした。
アカシジミなどゼフィルスの幼虫にしては変だし…などと散々迷いました。
ようやくウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の幼虫だろうと判明。


同じ枝にオオトリノフンダマシの卵嚢が2個吊り下げられていました。



採集から3日後。
ミズナラの葉が萎れてきたので、新鮮なミズナラの枝を近所で採取してきて与えます。
ピンセットの先をアルコール消毒してから幼虫を摘み上げて葉裏に乗せてやりました。
葉を食べるシーンを観察したかったのに、なぜか食欲がありません。
葉裏をうろうろと徘徊するばかりです。
姿形が奇妙なだけでなく、動き方も普通の芋虫がやるような蠕動運動や尺取り運動とは違います。
なんとなく自動掃除機ルンバの動きを連想しました。

後で思うと、既に脱皮前の眠状態に入りかけていたのに私が余計なお節介で新鮮なミズナラに移動させてしまったことになります。

脱皮する安全な場所を探し歩いていたのだと後に判明します。
ようやく葉裏の主脈の横に落ち着きました。
静止しているように見える幼虫を10倍速の微速度撮影してみると、微動だにしていることが分かりました。(@2:32〜)
背面からでは何をしているのかよく見えませんが、もしかすると脱皮に備えて足場として絹糸を薄く張り巡らしていたのかもしれないと想像しました。
その場でクルクル回るのが可愛らしいですね。
接写してみると、体の背面あちこちでペコペコと不規則に凹んだり膨らんだりする動きが見られます。

ただし、これは10倍速映像であることにご注意下さい。
体内寄生されているのか?(体内でエイリアンが暴れている?)と心配になりました。

これから脱皮前の眠に入ります。

つづく→#2:ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】







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