2016/01/13

軒下で大きく育つキイロスズメバチの巣:増築中



2015年10月上旬・午後15:42〜15:52

キイロスズメバチ巣の定点観察#1


山麓に佇む木造家屋の南西に面した軒下にキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣を見つけました。
この時期に営巣中のコロニーは初見です。
ワーカー♀は外被を増築中でした。
10月になっても未だ活発に巣を拡張していることに驚きました。

下から見上げると巣の外被は楕円球でした。
薄暗い軒下で屋根の棟木と垂木の接続部に吊り下げられています。
スズメバチの古巣を除去した痕跡が隣の垂木に見えるので、毎年のように代々ここで営巣しているのかもしれません。
外被中央に一つだけある巣口に蜂が何匹も出入りしています。
常に門衛が中から巣口を守っていますが、たまに門衛が居なくなると巣内に白い繭が見えました。
後半は、外被右下で造巣中のワーカーを狙って撮影します。
巣材を使い切ると、入れ替わるように別個体が近くで造巣を始めます。

キイロスズメバチは攻撃性が高いとされているので不安でしたが、巣の真下でカメラのストロボを焚いても怒って攻撃してくることはありませんでした。
動画撮影時には気づかなかったのですけど、写真を見直すと雄蜂がときどき外被を徘徊してるようです。(♂は触角が長く腹部の体節も♀より1節多い)
このコロニー出身の♂なのか、それとも交尾相手の新女王を求めて他のコロニーから訪問してきた♂なのでしょうか?

営巣地の目の前はスギの大木が2本立ち、横に沢が流れている自然豊かな環境です。
キイロスズメバチ♀はこの杉の木から巣材の樹皮を採取してくるのではないかと予想したものの、実際には確かめられませんでした。

※ 軒下で撮った薄暗い映像を動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2:巣の外被で寝るキイロスズメバチ♀【暗視映像】


全景
全景
別アングル
♀♂
♀♂

イヌサフランの花粉を舐めるオオハナアブ♀



2015年10月上旬

道端の花壇に咲いたイヌサフランオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。
花蜜ではなく雄しべの葯から花粉を舐めています。
(※ 雄しべが6本なので、3本のクロッカスは除外できます。)
食事の合間に脚を擦り合わせて身繕いしています。
粘って撮り続けると、花から飛び立ち見事なホバリングを披露してくれました。



2016/01/12

夜の隠れ家で身繕いするアカオニグモ♀b【蜘蛛:暗視映像】

2015年10月上旬

アカオニグモ♀の定点観察#21


1週間ぶりの午前中に様子を見に行くと、アカオニグモ♀b(Araneus pinguis)は垂直円網を張ったまま、隠れ家(クルミ葉裏)に潜んでいました。
腹背は未だ赤く色づいていません(黄色っぽい)。
クルミ幼木の葉はもう枯れています。
糸で綴っているから落葉しないのかな?





午後19:16〜19:40

日没後に再訪すると網を取り壊した後でした。
網を畳む行動をまたもや見逃してしまいました。
隠れ家のクルミ葉先とアメリカセンダングサの葉先を水平に結ぶ強靭な枠糸以外はきれいさっぱり破網済みです。
クモは隠れ家に潜んで身繕いしていました。

もし前回と同様に夜間も円網の甑に占座しているのであれば、生き餌を給餌したり色々とやってみたいことがあったのに、あてが外れました。
網に居るのかどうか?という素朴で単純な問題ですら、クモは気紛れというか掴みどころがなく、モヤモヤしたままです。

ビデオカメラや赤外線投光機のバッテリーも切れたので、夜の観察を打ち切り帰りました。

残念ながらこの個体を観察できたのは、この日が最後でした。
辺り一帯が草刈りされてしまったのです。
網の取り壊しや卵嚢作りなど残るテーマの撮影は来季以降の宿題になります。
2匹のアカオニグモ♀を見比べてみると行動の細かい点で個体差があるような印象を受けたので、追求し始めると奥が深そうです。
造網性クモの飼育も避けて通れないみたいで挑戦してみたいのですが、どうなることやら…。

シリーズ完。


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