2015年7月下旬・室温31℃、湿度61%
ノシメマダラメイガの飼育記録#27
▼前回の記事
飼育容器から脱出を試みるノシメマダラメイガ(蛾)終齢幼虫
厨房で採集したノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)とニンニクを密閉容器に入れて飼育してみたら、幼虫の体がぴったり収まる球根表面の溝のような窪みで繭を紡ぎ始めました。
背景(ニンニクの皮)が白っぽいので絹糸が見えにくいです。
後半からは(@3:35〜)10倍速の微速度撮影を始めたものの、天井部に絹糸を固定する物が無いので、いつまで経っても繭の上部が安定しません。
この場所は諦めたのか、作りかけの繭の端から出て行ってしまいました。
撮影用の強い照明に慣れていないせいかもしれません。
この飼育容器内はあまりにも清潔で無味乾燥な空間のため、巣材に使えるゴミが周囲に乏しいことも問題のようです。
▼関連記事
ゴミを綴り繭を紡ぐノシメマダラメイガ(蛾)終齢幼虫【微速度撮影】
つづく→#28:産卵行動
2015年8月上旬・深夜3:46〜3:47
深夜未明、山際の農村部でヨタカ♂(夜鷹;Caprimulgus indicus jotaka)の単調な鳴き声がキョキョキョキョ♪と辺りに響き渡っていました。
書店で立ち読みした鳥の鳴き声図鑑によると、これは囀りらしい。
野鳥の声だと知らない人は妖怪を想像したり不気味に思うかもしれません。
真っ暗で遠いしヨタカの姿は全く見えませんが、大木の梢から聞こえる鳴き声だけでもビデオカメラで録音しました。
映像には外灯の光しか写っていません。
近くで鳴いている虫の声(ハヤシノウマオイなど直翅目)の方がうるさいので、欲張ってヨタカが居ると思われる木にこっそり近づいたら鳴き止んでしまいました。
こういうときはパラボラ集音器を使えば指向性が改善するのでしょう。
ヨタカの鳴き声を声紋解析してみる。
いつものようにオリジナルのMOV動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから適当に切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
16kHzおよび8kHz付近に見られる持続的なシグナルは、使用したビデオカメラに固有の内部ノイズです。
20kHz以上の高周波数域の声紋は虫の音だと思います。
【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば、
ヨタカをキュウリキザミと呼ぶ地方がある。夜、キョキョキョキョとまな板で野菜を刻むような声で鳴くからで、昔は夕方になると山のあちこちからキュウリを刻む声が聞こえてきたものだった。(p41より引用)
興味深い豆知識ですが、私はそのような俗称は聞いたことがありません。