2014/06/24

水を飲むヤマトゴキブリ♂



2014年5月下旬

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水を飲むヤマトゴキブリ♀

最近捕獲した2匹目の♂も一緒に飼っています(♂2♀1の計3匹)。
長翅のヤマトゴキブリ♂成虫(Periplaneta japonica)が水を飲む行動もようやく撮影に成功しました。
新しい水を皿に入れてやると、時間をかけて水をたっぷり飲みました。
撮りながら補助照明を点灯しても気にしませんでした。



鳥の糞を吸汁するセアカツノカメムシ♀



2014年5月下旬

雑木林の下草にセアカツノカメムシ♀(Acanthosoma denticaudum)が乗っていました。
よく見ると口吻を伸ばして葉に付いた鳥の糞を舐めています。
ミネラル摂取のためと思われますが、カメムシでは初めて見る行動でした。
蝶の場合は獣糞に集まる個体は大体♂と相場が決まっています。
今回のように、昆虫の♀が食糞するのも珍しいのではないでしょうか?
マクロレンズで接写すると、口吻を小刻みに動かして鳥糞を削っているようにも見えます。
カメムシも吸い戻しをするのかな?
捕獲して裏返すと腹端に鋏状突起が無いので、♀と判明。

ところで、最近観察したセアカツノカメムシの交尾でも、交尾している隣のオオバクロモジ葉に鳥の糞が付着していました。
果たしてこれは偶然でしょうか?
想像を逞しくすると、鳥糞を吸汁していた♀の元に♂がやって来て交尾を始めたのかもしれません。




2014/06/23

ヒメハナバチの一種♀を捕食するヤミイロカニグモ♀(蜘蛛)



2014年5月下旬

林縁の用水路脇に生えたニガイチゴの葉にヤミイロカニグモ♀(Xysticus croceus)が乗って食事中でした。
木苺の花で獲物を待ち伏せし、訪花した小型のハナバチを素早く捕らえたのでしょう。

接写しようと近づくとクモは警戒して枝の裏側に隠れようとします。
クモは獲物の腹端を噛んでいました。
餌食となった蜂は既に絶命(毒液で麻痺)しており、ピクリとも動きません。
蜂は後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
ニガイチゴの花粉なのかな?



撮影後にナイフで枝ごとそっと切り落とし、獲物と一緒にクモを採集しました。
採集したクモを飼育する余力がなかったので、70%エタノール液浸標本にしました。
以下の標本写真には全て自動色調補正を施してあります。
腹面に外雌器をもつ成体♀でした。
ヤミイロカニグモXysticus croceus)には同属の近縁種が多く斑紋では区別し難いので、念の為に外雌器の形状を調べて確認しました。

本種の雌成体では外雌器が輪郭がはっきり硬化し、中央で仕切られないハート形をしており、その点で他種と区別できる。(wikipediaより)

外雌器

次はクモの餌食となった蜂の標本写真です。
翅脈を調べると前翅の基脈が真っ直ぐであることからコハナバチ科ではなく、ヒメハナバチ科と判明。

日本産ヒメハナバチ科の属の検索表と見比べて、ヒメハナバチ属の一種(Andrena sp.)だろうというところまでなんとか絞り込みました。


翅脈(翅が曲がってしまい全体が上手く撮れない)

乾燥標本の翅が湾曲してしまい、翅脈の全体をうまくデジカメで記録できません。
押し花を作るみたいに、しばらく重しをかければ真っ直ぐに戻るのかな?

試しにフラットベッドスキャナで取り込んでみました(2400 dpi)。
翅を平面に押さえつけてスキャンするというアイデアは良かったのですけど、機材が古いせいか期待外れの画質でした。
おまけに作業中にくしゃみで後翅が飛んでしまい紛失…。
クリアファイル等に翅をはさんでからスキャンすべきかもしれません。

いつもお世話になっている「蜂が好き掲示板」にて問い合わせたところ、青蜂@管理人さんより以下の回答を頂きました。
胸の赤っぽい毛と、面長な顔で特定できそうでしたが、結局特定できませんでした。ムネアカハラビロヒメハナバチにしては小さいですし・・・。
ハチの乾燥標本を軟化するには、70%程度のアルコールを使用するとよいと思います。ハナバチなど体毛が濡れるときれいな標本に戻すのは大変ですが、翅だけでしたら柔らかくなった翅を押さえて乾燥させればまっすぐになると思います。
ちなみに、私は同定できればよいので、カールするくらいでしたらそのままにしています。

一方、クモが居た木苺の灌木はニガイチゴ(別名ゴガツイチゴ)と判明。


ニガイチゴ花
ニガイチゴ花・全景



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