2014/05/06

カワラヒワ♂(野鳥)のさえずりを声紋解析してみる



2014年4月中旬

平地の住宅地でカワラヒワ♂(Carduelis sinica)が電線に止まって頻りに鳴いています。
車が通り過ぎる間は鳴き止んでいるのが興味深く思いました。
同種間のコミュニケーションとして鳴いている声が騒音でかき消されて伝わらない間は休んでいるのでしょうか?
単に車を警戒したり緊張したりしているのですかね?

『スズメの少子化、カラスのいじめ:身近な鳥の不思議な世界』p169によると

3月になると♂はビーンと濁った声を出すようになるが、これが♂の囀り。(中略)もっともカワラヒワの♂はビーンだけでなく、キリリ、コロロも複雑に混ぜてリズミカルにも歌う。これはちょっとカナリアを思わせるが、じつはカナリアは同じアトリ科というグループなのだ。


同じ日の撮影ですが、映像の前後半で別個体。



【追記】
日本野鳥の会『みる野鳥記3:カワラヒワのなかまたち』を読むと、驚きの事実が書かれていました。

カワラヒワも、春になると、よくさえずります。でも、カワラヒワの場合、相手を探して、結婚相手を決めるのは、実は秋。春、さえずっているのは、秋に相手を決められなかったり、きびしい冬をこす間に、相手が死んでしまった♂です。 (p34より引用)




カワラヒワ♂のさえずりを声紋解析してみる

いつものようにオリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから鳴いている部分を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。



各図の中央付近(t=4〜5秒)の強い声紋がビーン♪(ジューイン♪)という鳴き声。
その前後はキリリコロロ♪
外付けマイクで録音したのに、いまいちきれいな声紋を得られませんでした。
ノイズの多い街中では集音マイク(パラボラ)が必要なのかもしれません。

下の2図は、ビーン♪(ジューイン♪)を連発して鳴いていた例です(別個体)。



飛べ!クロマルハナバチ♀【ハイスピード動画】



2013年7月下旬

平地の堤防に咲いたアカツメクサ(ムラサキツメクサ)の群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花・吸蜜していました。
後脚にオレンジ色の花粉団子を運んでいます。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。


2014/05/05

樹上でさえずる♪ホオジロ♂(野鳥)と声紋解析



2014年4月上旬

平地で道端の潅木に止まったホオジロ♂(Emberiza cioides)が縄張り宣言で鳴いています。
胸を膨らませ、喉を上げて高らかに囀ります。


上田啓介『鳥のなわばりを描く』によると、

ホオジロなどでは、♂は一度なわばりを確立すると、数年にわたって(おそらくその個体の生涯)なわばりを維持することが知られています。 (『動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇』p20より引用)


今回はカメラの内蔵マイクではなく、最近買った外付けのステレオ・マイクを接続して録音しました。
確かに音質やステレオの臨場感は向上しましたけど、せっかく動画を撮ってもマイクの電源を入れ忘れるという痛恨のミスを犯しがちです。
自戒を込めて失敗例をブログ限定で公開します↓。
ホオジロ♂がカメラを向いて鳴いてくれて映像としてはこちらが優れているのに、まさかの無音でした…。
ミスに気づき慌てて引き返して撮り直したのが上の映像です(Take2)。

外付けマイクを使うもう一つの利点として、動画を撮りながらズームするときに拾うノイズが軽減しました。






ホオジロ♂のさえずりを声紋解析してみる

オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから、鳴いている部分を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
風切り音のノイズのせいで、あまりきれいな声紋は得られませんでした。

私が真似事で解析した声紋には16,000Hz以上の高音域(非可聴域)が不自然にカットされている点がいつも気になっていました。
外付けマイクに変えても同じ症状でした。
従ってこれはマイクの性能によるものではなく、動画として録音する際の不可逆圧縮(ac3コーデック)による副作用(カメラの仕様)であることがはっきりしました。
動画の音声を無圧縮PCM(あるいは可逆圧縮形式)で録音するオプションがあれば良いのですけど、私のカメラにはありません。
そんなマニアックな需要は無いのですかね?
これから本格的に声紋解析をやろうと思ったら、仕方がないので無圧縮PCMで録音するサウンドレコーダーを別途購入して、外付けマイクに接続する必要がありそうです…。



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