2011/01/01

コガタスズメバチの初期巣を物色するチャイロスズメバチ女王




2010年6月下旬

いつものようにコガタスズメバチVespa analis insuralis)初期巣の定点観察を始めたら、いきなり大事件が勃発しました。
創設女王が外出中にチャイロスズメバチVespa dybowskii)の女王が飛来したのです。
本種はキイロスズメバチやモンスズメバチの巣を乗っ取り、社会寄生することが知られています。
乗っ取る巣を品定めしているのだろう。
興奮したように羽ばたきながら外被を触角で調べて回ります。
巣内の幼虫の発達状況を外から匂いや物音で探っているのだろうか。
巣の外被を丹念に調べるも、巣内には侵入しませんでした。
入り口を探し当てられないでいるようです。
コガタスズメバチの単独営巣期の巣に特有の長い首の外被が奏効したのかもしれません。
諦めて飛び去ったり戻ったりを何度か繰返しました。


チャイロスズメバチが居なくなってから4分後、巣の主が帰巣しました。
おそるべき天敵と 鉢合わせしたときの防衛行動を見たかったです。
面白い展開になってきました。
これは目が離せません。
果たしてチャイロスズメバチはコガタスズメバチの巣も乗っ取るのだろうか。
つづく

≪参考図書≫
『日本の真社会性ハチ:全種・全亜種生態図鑑』 信濃毎日新聞社 p115
 


コガタスズメバチの初期巣を訪問する謎のクロスズメバチ




2010年6月下旬

祠の軒下に営巣したコガタスズメバチVespa analis insuralis)の初期巣を監視していると、クロスズメバチの仲間(種名不詳)が一匹、飛来しました。
この軒下で獲物を探索しているとは思えませんが、巣材集めなのだろうか。
訪問の目的や意図がよく分かりません。
外被上を徘徊するものの、巣口からの侵入は見られませんでした。
もしかしたら、ニッポンホオナガスズメバチの巣に社会寄生する種(ヤドリホオナガスズメバチ)の女王が乗っ取り先を物色中なのだろうか、と想像を逞しくしてみたり。
しかし採集してみないと見分けが付きません。
このとき巣内に居るはずのコガタスズメバチ女王は気づいていないのか出て来ません。
同様のシーンをこの日はもう一度見ています(2回目は撮り損ねました)。

つづく
 


初期巣の外被を増築するコガタスズメバチ創設女王




2010年6月下旬

初期巣から少し離れた位置でカメラを三脚に固定し望遠でコガタスズメバチVespa analis insuralis)女王の活動を監視し始めました。
初めは撮り損ねもありましたが、慣れると大体全ての出入りを記録できるようになりました。
白っぽい巣材を咥えた女王が巣口から出てきました。
外被を登り、梁との結合部(基礎部分)に巣材を塗り始めたようですが、死角になって殆ど見えません。
作業を終えた女王は巣内に戻りました。
後に女王が留守の間に、外被の増築部を確認できました。


この女王は前に観察した別のコガタスズメバチ初期巣よりも白っぽい巣材を選んで集めて来ているようです。
残りの映像は、外役に出かけたり帰巣したり忙しく出入りする女王の記録です。
つづく


ランダムに記事を読む