2011/02/11

続・ヒメスズメバチvsキアシナガバチ



2009年9月上旬

ヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)の襲撃は容赦なく続きます。
キアシナガバチPolistes rothneyi)繭のキャップを破り育房から蛹を引っ張り出す際は大顎でかじっているようで、ガリガリ凄い音が響き渡ります。
ヒメスズメバチのお陰で、キアシナガバチ蛹の発達段階を観察することが出来ました。
真っ白な蛹から、羽化直前でクチクラが色付いた蛹など、色々あります。
毎回ヒメスズメバチは在巣のキアシナガバチを追い散らすだけで、決して成虫を捕食することはありません。
餌食となるのは蛹だけで、それも他のスズメバチのように肉団子にして持ち帰ることは殆どなく、その場で咀嚼して肉汁を啜るだけです。


松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
ヒメスズメバチの女王は遠慮もなくあがりこんで、あわてふためくアシナガバチの働きバチには目もくれずに、老熟幼虫や若い蛹を選んで育房から引き抜く。それを前脚で抱きかかえると、その場で大腮をつきたて、あふれでる体液を胃袋の中へおさめていく。一回に一頭文をたいらげると自分の巣へもどるが、他のスズメバチと違って、肉団子の状態にしてもち帰ることはない。 (p164-165より引用)
この記述は単独営巣期のヒメスズメバチ創設女王による襲撃シーンですが、ワーカー♀による襲撃も同様です。


つづく→シリーズ#26

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