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2026/03/18

熟果を食べるために枝から枝へ連続して跳んでカキノキを登るカラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月下旬・午後12:05頃・くもり(みぞれ)・気温10℃ 

みぞれがぱらついている昼下がりに、郊外に1本だけ立っているカキノキにカラスの群れが次々に集まって、落葉した樹上に残った熟果を食べ始めました。 
熟柿を嘴で啄み、食べ残しが下に落ちました。 
食事の合間に、嘴を足元の枝に擦りつけて拭っています。 

冒頭で1羽のカラスが左下の雪面からカキノキ樹上に飛び上がると、幹の近くの横枝から横枝へ、連続してピョンピョン跳んで上へ上へと登って行きました。 
カラスのこのような木登り行動は初見かもしれません。 
枝から枝への単発のジャンプは別に珍しくありませんが、カラスが連続して上へ上へ跳んで、まるで梯子や螺旋階段を登るようにしていたのは初めて見たので、珍しく思いました。
樹上で枝が混み合っていると、広げた翼がひっかかりそうで飛びたがらない(だからジャンプを多用する)のかもしれません。
キツツキと違って、カラスは垂直な幹をよじ登ることはできません。 
(鳥がそれを可能にするためには、趾や尾羽根などの形状に木登り専用の適応進化が必要です。) 

手前でカメラを固定してあるオニグルミ落葉樹がガタガタと揺れているということは、別個体のカラスが死角のオニグルミ樹上にも留まっているのでしょう。 
(もしかすると、ニホンザルが横枝に腰掛けていて、カラスを牽制していたのかもしれません。) 

監視カメラからやや遠くて、カラスの種類を形態から見分けられません。 
聞こえる鳴き声は澄んでいましたが、たまに嗄れ声で鳴くこともありました。 
どちらかと言えばハシボソガラスCorvus corone)というよりも、森林性のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)ではないかと予想しています。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
ChatGPTに気になる疑問を尋ねてみました。

Q1: 樹上のカラスが、羽ばたかずに枝から枝へぴょんぴょんジャンプするだけで上にどんどん登っていた。この行動を「木登り」と呼んでもいいか?

A1: その行動を**「木登り」**と呼んでも意味は通じますが、やや広い(やや曖昧な)表現になります。動物行動の描写としては、もう少し具体的な言い方もあります。

まず、カラス(ハシブトガラスやハシボソガラス)が

  • 羽ばたかず

  • 枝から枝へ跳び移りながら

  • 上方へ移動する

という動きは、英語では hop / hoppingbranch-to-branch hopping と表現されることが多く、日本語でも「跳び移る」「跳ね上がる」「枝伝いに上がる」といった記述が近いです。

「木登り」という語のニュアンス

日本語の「木登り」は普通は

  • 幹をよじ登る

  • 爪や手足でつかみながら登る

といったイメージが強く、典型例は

  • リス

  • クマ

  • テン
    などです。

一方、カラスのように枝の上をジャンプして高度を上げる行動は、

  • 幹をよじ登るわけではない

  • 枝を足場として移動している

ので、厳密には少し違うタイプの上昇です。

描写として自然な言い方

文章なら例えば次のような表現がよく使われます。

  • 枝から枝へ跳び移りながら上へ移動した

  • 枝を伝ってぴょんぴょんと登っていった

  • 枝を足場に跳ね上がるように上昇した

カジュアルな文章なら

枝から枝へ跳ねながら木を登っていった

のように、「木を登る」と書くのは特に不自然ではありません。

 

Q2: その行動はハシブトガラスもハシボソガラスも両方やるか? それとも、森林性のハシブトガラスに特有の行動だったりするのか?

A2: そのような 「枝から枝へ跳び移りながら上へ登る」行動は、

ハシブトガラスにもハシボソガラスにも普通に見られる行動で、どちらか一方に特有というわけではありません。

ただし、見られやすさには多少の傾向差はあります。

1. 両種とも普通にやる行動

カラス類(Corvus)は全般に

  • 枝上を 歩く・跳ぶ(hop)

  • 枝から枝へ 短距離ジャンプ

  • 飛ばずに 枝伝いに移動する

という移動をよくします。これは多くのカラス科鳥類に共通する基本的な樹上移動です。
したがって

羽ばたかずに枝を跳びながら上へ登る

という動き自体は、両種とも普通にできます。

2. 観察頻度の差(生息環境の違い)

ただし行動の見え方には違いがあります。

  • ハシブトガラス

    • 樹上活動が比較的多い

    • 森林・樹林・都市の樹冠などをよく使う

  • ハシボソガラス

    • 地上採食が多い

    • 開けた農地・草地で地面を歩く時間が長い

このように、両種は採餌場所や微小環境の使い方が違うことが知られています。(J-STAGE)

そのため実際の観察では

  • 樹上で枝移動をよく見る → ハシブトガラスの印象が強い

  • 地面で歩き回る → ハシボソガラスの印象が強い

という違いが出やすいだけです。

3. 行動の意味

枝ジャンプで上へ登る行動は、状況によって用途が変わります。

典型的には

  • 採餌位置への移動

  • 見張り位置への移動

  • 警戒時の位置変更

  • 遊び(若鳥)

飛ばずに移動する理由は単純で、エネルギー節約+微妙な位置調整がしやすいからです。



幹の近くを伝って上がっていたのであれば、その行動は特に珍しいものではなく、
ハシブトガラスでもハシボソガラスでも普通に見られる樹上移動です。種を区別できる特徴的行動とは言えません。

ただし、幹の近くを使う場合にはいくつかの典型的な理由があります。

1. 安定した足場を使って上昇している

幹の付近には

  • 太い枝

  • 枝の分岐部

が多く、ジャンプの足場として安定しています。
カラスは足で枝をつかんで体を持ち上げるのが得意なので、飛ばなくても

  • 枝に跳び上がる

  • 少し歩く

  • また次の枝に跳ぶ

という動きを繰り返して階段のように高度を上げることができます。

2. 警戒時の移動

幹付近の枝は

  • 体を隠しやすい

  • 外側の枝より安全

という利点があります。人や捕食者を警戒しているとき、いきなり飛ばずに幹側へ移動して上がることはよくあります。

3. 飛ぶ必要がない距離

カラスに限らず多くの鳥は

  • 近距離ならジャンプ移動

  • 長距離なら飛行

を使い分けます。
枝の間隔が近いと、飛ぶより跳ぶ方が簡単です。

補足

この行動がもし特徴的に見えたとすれば、それは

  • 地面でよく歩く印象の強いハシボソガラス
    よりも

  • 樹冠で活動することが多いハシブトガラス

の方で観察機会が多いためかもしれません。ただし行動自体は両種共通です。



Q3: 冬にカキノキに集まり熟果を採食するカラスの群れを撮ったトレイルカメラの映像に写っていました。


A3: その状況なら、その行動はかなり自然な採食行動の一部と考えてよいと思います。

ハシブトガラスでもハシボソガラスでも、果実を食べるときに枝を跳びながら樹冠内を上下移動する行動は普通に見られます。

カキ(カキノキ)の熟果を食べる場合、カラスはたいてい次のような動きをします。

  1. 木の低い枝または外側に止まる

  2. 枝を跳びながら上や内側へ移動する

  3. 熟している実のある位置へ移る

  4. 採食しながらまた別の枝へ移動する

このとき、枝間距離が短ければ飛ぶよりジャンプ移動の方が効率的なので、

  • 羽ばたかず

  • ぴょんぴょん枝を移動し

  • 結果として上へ登っていく

という動きになります。

また、カキの木ではもう一つ理由があります。
熟した実は枝先だけでなく上部や内側にも残ることが多いので、カラスは

  • 外側 → 内側

  • 下 → 上

へと枝を伝って順番に探索することがよくあります。

したがって、トレイルカメラ映像に写った

羽ばたかずに枝から枝へジャンプしながら上へ登る

という行動は、木の中で採食位置を探している移動と解釈するのが自然です。


Q4: そのカキノキは完全に落葉していましたが、枝が混み合っていると、樹上のカラスは広げた翼がひっかかりそうで飛びたがらない(だからぴょんぴょんジャンプして登る)のかもしれませんね。

A4: その解釈はかなり妥当だと思います。枝が密な場所では、鳥はしばしば飛ばずに枝を伝って移動します。

理由はいくつか考えられます。

1. 翼が障害物に当たるリスク
枝が混み合った樹冠内部では

  • 翼を大きく広げる余裕が少ない

  • 枝葉に接触して失速する可能性がある

ため、短距離ならジャンプ移動の方が安全です。

2. 飛行は意外と大きな空間が必要
カラス(ハシブトガラスやハシボソガラス)のような中型鳥は、離陸時にある程度の翼振りの空間が必要です。
枝間距離が短い場合は

  • 足で蹴る

  • 少し跳ぶ

  • 次の枝に着地

という移動の方が簡単です。

3. 採食探索との相性
果実採食のときは

  • 枝先

  • 分岐

  • 葉の陰

などを順に調べる必要があります。
この場合、飛んでしまうと探索が飛び飛びになるので、枝を伝って移動する方が効率的です。

4. エネルギー節約
短距離では

  • 飛行よりジャンプや歩行の方がエネルギー消費が小さい
    こともあります。

そのため、あなたが観察したような

枝から枝へぴょんぴょん跳びながら上へ登る

という動きは、樹冠内部で採食している鳥ではかなり典型的な移動様式です。

実はこの行動はカラスだけでなく、

  • ヒヨドリ

  • ムクドリ
    など、果実を食べる中型の鳥でもよく見られます。

Q5: 枝から枝への単発のジャンプは別に珍しくありませんが、カラスが連続して上へ上へ跳んで登っていたのは初めて見たので、珍しく思いました。

A5: その印象はもっともだと思います。

枝間の単発ジャンプは多くの鳥で普通に見られますが、カラスが連続して高度を上げるようにジャンプし続ける場面は、確かに観察機会がそれほど多くありません。

ただし行動としては特別に珍しいものではなく、条件がそろうと **ハシブトガラス や ハシボソガラス でも普通に起こります。今回それがはっきり見えたのは、状況がうまく揃っていた可能性が高いです。

主に次のような条件です。

1. 枝が階段状に配置されている
カキ(カキノキ)は

  • 太い枝から短い側枝が多数出る

  • 枝間距離が比較的近い

ため、鳥にとっては**“足場の階段”のような構造**になりやすい木です。
この場合、飛ぶよりジャンプ連続の方が自然になります。

2. 採食位置が上方にある
冬のカキでは

  • 上部の実が最後まで残る
    ことが多く、鳥は下→上へ探索する動きになります。

3. 樹冠内での短距離移動
樹冠内部では

  • 飛ぶ距離が短い

  • 空間が狭い

ため、跳びながら移動する方が合理的になります。

4. トレイルカメラの視点
地上からの人の観察だと

  • 木の内部の移動は見えにくい

のですが、固定カメラは偶然その一連の動きが連続して写ることがあります。

つまり今回の

連続して上へ跳びながら登る

という動きは

  • 行動自体は普通

  • しかし連続した形で見える機会はそれほど多くない

というタイプの観察だった可能性が高いです。

なお、少し興味深い点があります。
もし映像を見返せるなら、ジャンプの方向を一度確認すると面白いかもしれません。

カラスはこのような場合

  • 幹の側に向かって上がるパターン

  • 枝先に向かって上がるパターン

のどちらかを取ることが多く、これで**採食していた場所(果実の位置)**がかなり推測できます。



つづく→

2026/03/16

雪に覆われたタヌキの営巣地で餌を探し歩くハシブトガラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月中旬

シーン0:12/5・午後12:36・晴れ・気温23℃(@0:00〜) 
休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)家族が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張るプロジェクトを今季も再開しました。 
枯野で分かりにくいのですが、3〜4個の巣穴が開口しています。 


シーン1:12/17・午後20:51・降雪・気温-1℃(@0:03〜) 
根雪が積もった後の状況です。 
営巣地を歩き回ったタヌキなど野生動物の足跡が雪面に残っています。 


シーン2:12/20・午前9:19・晴れ・気温4℃(@0:07〜) 
この期間、昼間に撮れていた唯一の映像です。 
雪原にはタヌキの巣穴を中心に足跡が縦横無尽に付いています。 

画面手前の雪面に1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が来ていました。 
雪面で何か餌を啄んでいるようですが、肝心の嘴が死角で見えません。 
ホッピングとウォーキングを併用して奥に少し移動すると、立ち止まって雪面を嘴で軽くかき分けました。 
最後は左に立ち去りました。 

平地性のハシボソガラスに対してハシブトガラスは森林性のカラスなので、平原(雪原)に出てくるのはちょっと珍しいと思いました。 
しかし、カメラの背後は落葉した二次林なので、このハシブトガラス個体はあくまでも林縁に留まっていたことになります。 
画面の奥にはスギ防風林が見えています。 


つづく→

2026/03/13

カキノキ樹上の熟果や雪原の落果を採食しながら、後から集まってくるカラスを牽制するニホンザル【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月中旬〜下旬 

シーン0:12/13・午後13:11・くもり・気温18℃(@0:00〜) 
農地の端に1本立っているカキノキを自動撮影カメラで見張っています。 
完全に落葉した枝には熟した果実がまだ残っているだけでなく、木の下の雪面には落果が散乱しています。 
熟柿という餌資源を巡るニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラスの競争関係・緊張関係が続いています。 


シーン1:12/19・午前8:50・気温-1℃(@0:04〜) 
初めからニホンザルがカキノキ樹上に登っていました(赤い矢印→)。 
右端の枝先から手を伸ばして熟柿をもぎとり、次々に採食しています。  
(右手前に自生するオニグルミ落葉灌木の幹が邪魔ですね。) 

カキノキの梢に止まって猿を見下ろしていたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が、中程の高さの横枝に止まり直しました。 
まさかカラスが猿の背後から奇襲してライバルを追い払うのかと思ったのですが、猿が気配を感じて振り返りました。 
(カラスにそんな攻撃的な意図はなくて、ただ自分もこっそり樹上の熟果を食べたかったのかもしれません。) 
やがて、そのハシブトガラスはカキノキの枝から手前のオニグルミ落葉樹へ飛んで移動しました。 
猿は振り返ってカラスを見ましたが、カキノキの横枝に座ったまま、もぎ取った熟柿を食べ続けています。 
猿が怖くてカラスは餌場に近づけないのでしょうか? 
逆に、カラスが未練がましくニホンザルに心理戦・神経戦を仕掛けていて、牽制しているのかもしれません。 
(居心地を悪くしてライバルを追い払いたい)
音量を上げると、カラスの鳴き声が遠くから聞こえます。 


シーン2:12/19・午前9:11・くもり・気温0℃(@2:07〜)
子猿がカキノキの左下の雪面に来ています。(赤い丸○) 
樹上で採食している成獣と母子関係であることが後に分かります。 
地上の子猿は、雪面の落柿を拾い食いしているようですけど、画角の下端でよく見えません。 

一方、カキノキ樹上の成獣♀が横枝で立ち上がって手を伸ばし、熟柿を手元に引き寄せました。 
熟果をもぎ取らずに、後足で立ったまま食べ始めました。 
完食せずに、樹上で少し移動すると、別の熟果を次々に味見しています。
猿が手を離すと、たわんだ枝が弾性で戻ります。
猿が食べ残した果実は、激しく揺れても落ちずに枝に残ったままです。 

地上に居た子猿がヤマグワの落葉灌木によじ登り、隣接するカキノキの枝先に残っていた熟柿を自力で採食できました。 

1羽のカラスaが左から右に横切り、手前のオニグルミ樹上に留まりました。(@2:38〜) 
さらに別個体のハシブトガラスbが左奥から飛来し、カキノキ樹上に留まりました。 
採食中のニホンザル成獣とほぼ同じ高さの別の枝にカラスbは留まりました。 
熟柿を採食中のニホンザル母子を、順番待ちのカラスたちが牽制しているようにも見えます。 

ニホンザルの成獣♀は慎重に横枝を枝先に移動して、細い枝先に残った熟柿を食べようとしています。 
細い枝先まで行くと猿の体重で折れそうなので、細い横枝ごと熟柿を力任せに引き寄せました。 

カキノキ樹上に居たハシブトガラスbが、左下の雪面に飛び降りました。 
雪面の落柿を拾い食いする様子がなんとか撮れています。 

ヤマグワの落葉灌木によじ登っていた子猿が、アクロバティックな方法で隣接するカキノキに見事に移り、母親に駆け寄ってその胸に収まりました。 
子猿は近くに来ていたカラスが少し怖いのかもしれません。 
しばらくすると、子猿は母親♀から少し離れ、自力で樹上の熟柿を採食しました。
コザルはオトナに比べて噛む力が弱いため、硬いものはあまり食べられない。また、体重が軽いので必要な食物量が少なくてすみ、オトナだと折れてしまうような細い枝先にまでアクセスできる。 (辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』p93より引用)
耳を澄ますと、ニホンザルたちがクーコール♪(コンタクトコール♪)を鳴き交わしている声がかすかに聞こえました。 
(画面に写っている母子の鳴き声とは限りません。)
母親♀は、食べ残しの熟柿を惜しげなく下にポイ捨てしました。 


シーン3:12/20・午前8:12・気温0℃(@4:09〜)
翌日も朝からニホンザルがカキノキに登って熟果を食べていました。 
発情して顔が真っ赤な成獣が、カキノキ幹の中ほどから右上に伸びた枝の先まで登ると、熟柿を手繰り寄せて食べました。 
手元に引き寄せた熟果に直接かぶりつくこともあれば、手でもぎ取って食べることもありました。 
熟し過ぎた果肉の断片が落ちた他、外側の果皮は食べずに捨てました。 
食べかけの果実を口に咥えたまま、ニホンザル成獣がカキノキの幹まで戻りました。 
安定した太い横枝に座って、熟柿を美味そうに食べています。 
果汁が滴る熟柿をちょうど完食したところで、2分間の録画が終わりました。


シーン4:12/21・午前9:51・くもり後晴れ・気温2℃(@6:09〜) 翌朝はうっすらと雪化粧していましたが、雪は降り止んでいました。 

黒い首輪を装着したニホンザルの成獣がカキノキ幹をよじ登った後で、左から計4頭の子猿が走って登場しました。 
子猿はカキノキに比べて幹が細いヤマグワやアンズの落葉灌木を経由してカキノキ樹上に移りました。 
これは子猿に特有の移動経路です。 
成獣よりも体格の劣る子猿は、太い幹のカキノキを直接よじ登ることがまだ苦手なのでしょう。 
カキノキの幹に巻き付いている蔓植物を掴んで登る若い個体もいました。 

左から飛来したカラスがアンズの横枝にひょいと止まりましたが、近くに居た子猿をカラスが襲うことはありませんでした。 
子猿たちも特にカラスを警戒しないで、木登り遊びを楽しんでいます。 

ニホンザルたちはカキノキに続々とよじ登り、樹冠部に残った熟果を食べ始めました。 
右下の地上に残っていたニホンザル個体は、雪面の落果を拾い食いしています。 

奥からカラスが次々と飛来し、カキノキの枝に留まる個体もいました。 
樹上で柿の実を食べていたニホンザル成獣が振り返ってカラスに気づくと、追い払いました。(@7:39〜) 
逃げたカラスは、少し飛んだだけで、左隣りのアンズ落葉樹に留まり直しました。 


シーン5:12/21・午前9:53・晴れ(@8:09〜) 
子猿は満腹のようです。 
遊び仲間(兄弟姉妹?)の2頭の子猿が、左の落葉したヤマグワ灌木の辺りで一緒に遊んでいます。 
右から飛来して近くの雪原に舞い降りたカラスが、ウォーキングで雪原を歩くと、子猿たちが遊ぶ様子を近くで眺めています。 
子猿と一緒に遊びたいのか、構って欲しいのかな? 
柿の実という貴重な餌資源を巡ってカラスが猿を牽制しているようには見えなくなってきました。 
(ここだけ見ると、敵対関係には見えません。) 


シーン6:12/21・午前9:56・晴れ(@10:10〜) 
カキノキ樹上に2頭のニホンザルが登って熟柿を採食しています。 
左奥で遊ぶ子猿は計3頭になりました。
(シーン5の最後で1頭の子猿が柿の木から下りて、遊び仲間と合流。) 

雪原をうろついていたカラスが、落葉低木の横枝に跳び乗りました。 

左手前のオニグルミ樹上に居た猿が木を下り始め、至近距離で写りました。(@10:58〜) 
前足の肉球が一瞬写ったぐらいです。 
少し奥の雪原に跳び下りたようです。
幸い、猿に監視カメラを悪戯されずに済みました。 


シーン7:12/21・午前10:26・くもり・気温6℃(@12:12〜) 
ニホンザルの群れはいつの間にかカキノキから居なくなっていました。 
(カキノキから少し離れていただけだと後に判明します。)
入れ代わりで、カラスの群れが雪原に散開して、雪面の落柿を食べています。 
地上採食中のカラスたちが少し逃げ惑ったので、何事かと思いきや、首輪を装着したニホンザル成獣が手前から柿の木の下にゆっくり歩いて登場しました。(@12:40〜) 
カキノキの真下の雪面から落柿を拾うと、近くの灌木に腰掛けながら食べ始めました。 
尻だこがあるニホンザルでも雪面に直接座ると冷たいのか、樹上で座るようにしています。 
その猿が食べながら振り返って一瞥しただけで、背後の雪原を忍び寄っていたカラスたちが慌てて逃げました。(@14:00〜) 

左では子猿がヤマグワの落葉灌木によじ登って遊び始めました。 
カキノキの梢(画角の外)で別個体のニホンザルが採食しているようで、ときどき食べ残しを捨てています。 


シーン8:12/21・午前10:28・くもり・気温8℃(@14:12〜) 
カキノキの樹上からニホンザル成獣が頭を下にして幹を下りてきました。 
やんちゃな子猿なら飛び降りるところですが、成獣は怪我するのが怖いのか、慎重に雪原へ降りました。 

右の落葉灌木では、首輪を装着した成獣♀個体が落柿を食べながら、その様子を見ていました。 
食べかけを捨てて振り返ると、雪原を背後まで来ていたカラスが警戒して飛び退きました。(@14:28〜15:07) 
このニホンザル個体は、もうだいぶ食欲が満ち足りているのか、それほど攻撃的にカラスを追い回したり追い払ったりすることはありません。 
それでも図々しく近寄ってくるカラスをときどき牽制しています。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 


【考察】
辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』という本によると、
 ・種内の競争関係と同様に、種間関係にも干渉型と消費型の2つがあるのだが、1本の木で2種類の動物が食べものを直接取り合う局面はほとんどないだろうから、この場合は消費型競争が問題になる。 (p115より引用) 
・本州では動物感の種間競争に関するきちんとした研究はまだ公表されていない。 (p116より引用) 


 
この動画シリーズについてChatGPTと問答を長々と繰り返してブレインストーミングしました。
おかげで頭を整理できたのですが、すべてのQ&Aをコピペするのは面倒だし、あまりにも長くなり過ぎます。
今回はChatGPTに観察結果の解釈をまとめてもらいました。


カキノキを巡るニホンザルとカラスの相互作用

農地の端に、剪定がほとんどされていない1本のカキノキが立っており、周囲は収穫後のソバ畑、スギの防風林、休耕地などに囲まれていた。樹高はおよそ10 m前後と推定され、細長い樹形で、熟した果実は樹冠の外側や枝先に多く残っていた。この木をトレイルカメラで監視したところ、昼間には ニホンザル の小さな群れ(10頭未満と推定)が繰り返し訪れて果実を採食していた。

サルが来た直後の段階では、周囲にいた ハシブトガラス(および可能性として ハシボソガラス)に対して強い排除行動が見られた。サルは樹上だけでなく地上でもカラスを追い回し、落果を拾い食いしていたカラスの群れを追い散らしていた。この段階は、餌資源を巡る**干渉型競争(interference competition)**として解釈できる。

しかし時間の経過とともに、サルのカラスに対する攻撃性は次第に弱まった。カラスは近くの木(オニグルミなど)に待機したり、奥のスギ防風林から飛来したりして機会をうかがい、サルが落とした果実を地上で拾って食べた。サルは果実を味見したり、食べかけの果実を惜しげもなく落とすことが多く、それがカラスにとって重要な餌資源となっていた。

このため、この関係には競争と**促進(facilitation)**の両方の側面が存在していた。サルは果実へのアクセスを巡ってカラスを排除する一方で、採食行動の結果として落果や食べ残しを生じさせ、結果的にカラスの採食機会を増やしていた。

最終的に、樹上にはまだ果実が残っている段階でもサルの群れは比較的あっさりとその場を離れた。すると待機していたカラスがすぐに飛来し、樹上および地上で果実を採食し始めた。観察の後半になると、残った果実は細い枝先に集中しており、体重の軽い子ザルやカラスの方が利用しやすい状態になっていた。

カラスの個体数は時間によって変動したが、通常は3~5羽程度で、多い時には10羽以上が集まることもあった。しかし映像ではカラス同士の激しい争いはほとんど見られず、資源量が比較的多かったため同種間の干渉型競争は弱かった可能性がある。



2026/03/12

カキノキの樹上で翼を素早く開閉するシロハラ(冬の野鳥)

 

2024年12月中旬・午後13:30頃・くもり 

郊外の農地の端に並ぶカキノキの大木に見慣れない鳥が来ていました。 
カメラを向けてズームインすると、冬鳥のシロハラTurdus pallidus)でした。 
樹上で熟柿を啄む採食行動を観察したかったのに、警戒心がとても強くて、枝の陰に隠れようとしています。 
翼を素早く開閉する謎の動きを繰り返していました。 
警戒や威嚇のディスプレイなのでしょうか。 
この間、鳴き声(警戒声など)は聞き取れませんでした。 

カキノキ樹上から水が滴り落ちているのは雨ではなく、冠雪した枝からの雪解け水です。 
柿の木の奥にはスギの防風林が見えます。

2026/03/10

熟果の採食を終えたニホンザルが立ち去るのを待って、カキノキに集まって来るカラスの群れ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月中旬〜下旬

シーン1:12/19・午前8:53・くもり・気温1℃(@0:00〜) 
落葉したカキノキの樹上からニホンザルMacaca fuscata fuscata)の成獣が隣接する落葉灌木(樹種不明)を伝って地上に降りました。 
成獣はやんちゃな子猿のように跳び下りずに、慎重に幹を下りました。 

しばらくするとカラスaが飛来し、左手前のオニグルミ樹上に留まりました。 
更に別個体のカラスbが左から飛来し、カキノキの梢に留まりました。
カラスbはもっと上の枝に移動し、画角の外へ一旦消えてから、また下の枝に降りてきました。
カキノキ樹上の熟果を採食しているのでしょう。
次のカラスcが左から飛来し、落葉したアンズの木に留まりました。 
アンズの枝から枝へ少しずつ移動し、慎重にカキノキへ近づいています。 


シーン2:12/21・午前10:29・くもり・気温9℃(@1:06〜) 
2日後、冬至の日の様子です。 
黒い首輪を装着したニホンザル♀個体が、カキノキの根元で落柿を探しています。 
その猿が獣道を手前に歩き去ると、強い競合相手が居なくなったので、雪原に居たカラスの群れがどんどんカキノキに近寄って来ました。 
カラスの歩き方はウォーキングもホッピングも両方見られたので、ウォーキングが得意なハシボソガラスCorvus corone)とホッピングが得意なハシブトガラスCorvus macrorhynchos)との混群かもしれません。 
やや遠いので、嘴の形状でカラスの種類を見分けられませんでした。 
カラスたちは怖い鬼(猿)の居ぬ間に、カキノキの下に散乱している落柿をのんびり啄んでいます。 


シーン3:12/21・午前10:08・晴れ・気温7℃(@2:11〜) 
編集の都合で、少し時間をさかのぼります。 
画面右奥の赤い丸で囲んだ林縁に注目してください。 
(奥には暗いスギの防風林があります。) 
いつの間にか、ニホンザルの母子が来ていました。 
幼い子猿が母親♀のそばで、落葉灌木(樹種不明)に登って独り遊びしています。 
林縁の雪上に座って日向ぼっこしている母親♀の胸に、遊んでいた子猿が飛びつきました。 
子猿の遊ぶ様子は、いつ見ても微笑ましいですね。 

カキノキ樹上にニホンザルが居ないので、カラスが次々に飛来し、集まってきます。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ カラスの鳴き声が聞き取れるように、編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
カキノキの果実という限られた餌資源を巡って、雪国のニホンザルとカラスは競合関係にあります。
猿がカラスを攻撃的に追い払うことはなくなりましたが、依然として緊張関係が見て取れます。
ニホンザルの方が強いという力関係がはっきりしたので、猿が食餌を終えるまでカラスは遠慮して待っているようです。
猿が退去した後は、ようやくカラスの天下になります。
待ちかねたようにカラスの群れがカキノキに続々と集結して、樹上の熟柿や雪面の落柿を採食し始めます。



 



2026/03/08

カキノキの下で拾った落果を運び、雪の下に埋めて隠すハシブトガラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】貯食行動

 



2024年12月中旬〜下旬 

シーン1:12/19・午前9:13・くもり・気温3℃(@0:00〜) 
郊外のカキノキに朝からニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラスの群れが採食に来ていました。 
この記事の主役は、ニホンザルではなくカラスです。

カキノキに登っていたニホンザルの母子が樹上から下り始めました。 
慎重な母親♀はカキノキの横枝から跳び下りず、隣接する蔓と落葉灌木(樹種不明)を伝って地上へ降りるようです。 
これは前回と同じ経路です。 
後から追いかけてきた子猿が途中で母親♀の腰に跳び乗りました。 
母猿は子猿をおんぶしたまま、雪原を手前歩き去りました。 

カキノキの下の雪面に佇んでいたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が、立ち去るニホンザルの母子を見送ると、落柿を啄み始めました。 
1.5倍に拡大してよく見ると、このハシブトガラス個体は熟柿の果肉の欠片を咥えたまま左へ少し歩き(ウォーキング)、ヤマグワの落葉灌木の根本に埋めて隠しました! 
貯食後のカラスは、果汁で汚れた嘴を雪面に擦りつけて拭いました。 
周囲に積もった雪や落ち葉を少し集めて貯食物の穴にかぶせて、隠蔽工作しています。 
貯食作業に満足したハシブトガラスは、雪原を手前に少し歩き、落柿の拾い食いを再開しました。(死角で見えない) 

別個体のハシブトガラスがどこか近くから澄んだ声でカーカー♪鳴く声が聞こえます。 


シーン2:12/21・午前9:58・晴れ・気温9℃(@1:21〜) 
2日後も同様のシーンが撮れていました。 
ニホンザルの群れがカキノキの下の雪面で落果を拾い食いしています。 
奥の雪原を左から(飛び跳ねるようにホッピングで)歩いてきたカラスが落柿を咥えると、奥のスギ林縁に持ち去りました。 
雪原に座って採食中のニホンザルたちは、そんなカラスを横で見ていただけで、追い払ったりしませんでした。 
カラスは猿の群れから離れた安全な場所に運んでから落柿を食べたのか、それとも落葉灌木の根本に埋めて念入りに隠したのか(貯食行動)、定かではありません。 
カメラから遠い上に、手前の落葉灌木の陰になって、しっかり観察できないのです。
しかも、肝心なときに1頭のニホンザルが撮影の邪魔をしました。 
カラスは、もう一つ別な落柿を雪面から拾い上げると、奥に運んで行きました。(@1:55〜)   
このカラス個体はハシブトガラスではなく、ハシボソガラスCorvus corone)かもしれません。(遠くて見分けにくい) 

その間に、サルが雪面から拾ったカキノキ落果を口に咥えたまま、手前に走って来ました。 
トレイルカメラを固定したオニグルミの樹上によじ登ると、興味津々で調べています。 
雨よけ庇をいたずらしている物音がガサゴソ聞こえます。
(雨よけを手を使って横にずらしてしまいました。)
悪戯サルが小声で鳴き♪、監視カメラを覗き込む顔がちらっと写りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
餌が乏しい初冬に、カキノキ果実という限られた餌資源を巡って異種間(ニホンザルvsカラス)の競争が繰り広げられています。 
餌場での力関係は、カラスよりもニホンザルの方が優位にあるようです。 
今回、カラスを追い払うニホンザル個体はいませんでした。 
関連記事(同所同時期の撮影)▶  初冬に雪国のニホンザルがカキノキの熟果を巡ってハシブトガラスの群れを追い払う【野鳥:トレイルカメラ】占有行動

直接的な攻撃を受けなくても、カラスはニホンザルが近くにいると遠慮しています。 

シーン1はどう見ても貯食行動です。 
満腹状態のハシブトガラスが、競合するニホンザルに餌を全部食べられないように、美味しそうな落柿の一部を隠したのかもしれません。 
落果を丸ごと1個隠すのなら分かるのですが、果肉のわずかな欠片をわざわざ手間ひまかけて雪の下に埋めて隠すのが不思議です。 
カラスが普段隠す餌は、クルミの実(堅果)やパンなど乾いた餌です。
甘くて腐りやすいカキノキ液果を貯食しても長期保存できるとは思えないのですが、雪の下に埋めれば腐らずに冷蔵保存できることを雪国のカラスは知っているのかもしれません。

同一個体のカラスが、隠した餌を後で掘り出して食べる様子は、残念ながら撮れていませんでした。 
(その貯食物を別個体のカラスが食べたら、盗み行動になります。)
もし埋めた果肉に種子(柿の種)が含まれていて、カラスが後で食べるのを忘れたら、カキノキの種子散布に貢献したことになります。(貯食型の動物散布) 
カキノキの果実(柿の実)は液果ですから、被食型の動物散布される、というのが定説です。 
定説に反した証拠映像が撮れたかもしれません。 

シーン2のカラスは貯食行動ではなく、ニホンザルから少し離れた位置に落果を運んでから安全な場所で食べただけかもしれません。 


つづく→

2026/03/05

初冬に雪国のニホンザルがカキノキの熟果を巡ってハシブトガラスの群れを追い払う【冬の野鳥:トレイルカメラ】占有行動

 



2024年12月中旬〜下旬

シーン0:12/13・午後13:11・くもり・気温18℃(異常値?)(@0:00〜) 
郊外で畑の端にぽつんと立っているカキノキを自動撮影カメラで見張っています。 
今回はなるべく柿の木の全体が写るように画角を決めました。 
完全に落葉した後も、枝には熟した果実がまだ残っています。 
雪が少し積もって、いかにも冬の雪国らしい風景になりました。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラス間の餌資源のカキノキを巡る小競り合いを以下にまとめました。 
映像ではカラスの種類がハシブトガラスCorvus macrorhynchos)なのかハシボソガラスCorvus corone)なのか見分けられないことがあります。 
主にハシブトだろうと思っているのですが、もしかすると混群なのかもしれません。 


シーン1:12/20・午前8:25・くもり・気温1℃(@0:03〜) 
朝からカキノキに登ったニホンザルが、餌資源の熟柿を占有するために、樹上のハシブトガラスを威嚇して追い払いました。 
枝を揺すってカラスに威嚇誇示しています。 
逆にカラスが鳴いて抗議したり、モビングしたりしないのが意外です。 
カラスが弱い子猿を狙って襲うこともありませんでした。 
逃げたカラスたちは、左隣の落葉したアンズ(杏)や右手前のオニグルミの梢に止まり直しました。 

柿の木から一気に下りたニホンザル♀成獣が、右手前にある落葉したオニグルミの木に勢い良く登り、そこに留まっていたカラスを追い払いました。(@0:30〜) 

地上でカキノキの手前から黒い首輪を装着した♀成獣が現れ、カキノキの低い位置の横枝に登りました。(@0:46〜) 
右の枝先に進むと、枝を激しく揺すって樹上に来ていたカラスを追い払いました。 
左隣りのアンズ梢に逃げたカラスは、これで2羽になりました。 
もしかして、♀♂つがいなのかな? 
その行方を見送ってから、首輪ニホンザル♀が横枝に乗ったまま立ち上がりました。 
熟柿を右手でもぎ取ると、その場に座って食べ始めました。 
食べ残しの熟果は捨てました。 

猿に追い払われて辺りを逃げ回っていたカラスが、猿の隙をついてカキノキ樹上に戻ってきました。(@1:32〜) 
細い枝先で揺れる熟柿を器用に啄みました。 
ニホンザルも諦めてカラスの採食を黙認しています。 

雪原でカキノキ落果を食べていたニホンザル個体が歩いて右に移動し、別の落果を拾い上げてその場で食べ始めました。(@1:50〜)
この猿の地上採食行動は、右下隅の雪原に来ていたカラスを牽制して追い払う効果もあったようで、カラスが少し飛び退きました。 


シーン2:12/20・午前8:36・気温2℃(@2:03〜)
ニホンザルの数が少なくなると、カラスの群れが続々と集まって来ました。 
雪原やカキノキ・オニグルミ樹上などあちこちに散開しています。 

画面の右端でオニグルミ樹上に居たニホンザル♀が地上に降りました。(@2:15〜) 
落葉低木(樹種不明)や蔓植物を経由して、カキノキの横枝に登りました。 
奥の雪原に集まっていたカラスの群れは、猿の急な動きに驚いて一斉に飛び去りました。 
荒ぶった猿は更に上の枝に登り、カキノキ樹上に居たカラス個体を追い払いました。 
その猿は次に右下の横枝へ飛び移り、枝を激しく揺すって威嚇誇示。 
それでも収まらない猿は、雪原に跳び下りて走り回り、カラスを追い散らします。 
しかしカラスは猿をからかっているのか、ちょっと飛び退くだけで、遠くへは逃げません。 
多勢に無勢となったニホンザルは、姿が見えなくなりました。 

今のところ、カラスは樹上に実っている熟柿よりも、雪面の落柿を好んで食べています。 
樹上の熟果は食べにくい細い枝先にしか残ってないからかもしれません。 
ニホンザルがカキノキ樹上から食べ残しをどんどん捨てるので、カラスも(質はともかく)餌には困らないのです。


急にカラスがカァー♪と大声で鳴きました。(@3:02〜) 
警戒声なのかと思いきや、雪原のカラスたちは少し飛んで逃げただけで、すぐにまた戻って来ました。 
カキノキ樹上に留まり直したカラス個体は、熟柿を啄んでいます。 
画面の右端では、雪原から飛び立ったカラスが落柿を丸ごと咥えていました。(@3:45〜) 


シーン3:12/21・午前10:23・くもり・気温4℃(@4:04〜)
翌日も朝からカキノキを巡って猿とカラスの小競り合いが繰り広げられていました。 
若い猿が、カキノキ樹上で採取した熟柿を口に咥えたまま、地上の雪面に降りました。 
集まったカラスの多くは、右奥の雪面に散開して、落柿を拾い食いしています。 

カキノキの梢に独りで座って熟柿を食べていたニホンザル個体が、食べかけを惜しげもなく捨てました。(@4:51〜) 
樹上で立ち上がって振り返ると、近くの横枝に来ていたカラスを威嚇して追い払いました。 
逃げたカラスは少し飛んだだけで、左下の雪面に降り立ちました。 
カキノキ樹上の猿は、次の果実をもぎ取って食べ始めました。 

雪原で落柿を拾い食いするカラスをニホンザルは基本的に黙認しているようです。 
樹上で味見して美味くなかった果実を捨てているからでしょう。 
カラスの方がニホンザルよりも個体数が多いのに遠慮していて、猿が立ち去るまで辛抱強く待っています。 
私が見る限り、力関係はニホンザルの方がカラスよりも上のようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ カラスの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』を読んで、種間関係について少し勉強しました。
・種内の競争関係と同様に、種間関係にも干渉型と消費型の2つがあるのだが、1本の木で2種類の動物が食べものを直接取り合う局面はほとんどないだろうから、この場合は消費型競争が問題になる。 (p115より引用) 
・本州では動物間の種間競争に関するきちんとした研究はまだ公表されていない。 (p116より)

今回私が観察した事例では、ニホンザルとハシブトガラスが柿の実という食べ物を直接取り合っていたので、干渉型の競争関係でした。


つづく→ 


【アフィリエイト】 

2026/03/04

カキノキに集まり樹上の熟果や雪面の落果を食べるハシブトガラスの群れ(冬の野鳥)

 



2024年12月中旬〜下旬

シーン0:12/13・午前13:11・くもり・気温18℃(@0:00〜) 
郊外で農地の端にぽつんと立っているカキノキを自動センサーカメラで見張っています。 
なるべく柿の木の全体が写るようにしました。 
完全に落葉した後も、枝には熟した果実がまだ残っています。 
雪が積もり、いかにも雪国の冬らしい風景になりました。

カラスの登場シーンを以下にまとめました。



シーン1:12/20・午前8:59・くもり・気温2℃(@0:03〜) 
朝からカラスの群れが続々と飛来し、カキノキ樹上や雪原のあちこちに散開していました。 
奥の雪原で落柿を採食している個体がいます。 
熟した果実が樹上から自然に(風で)落ちるだけではありません。 
ニホンザルの群れがここで採食すると、ちょっと味見しただけで食べかけの果実を惜しげもなく捨てるので、カキノキの下に大量の落果が広範囲に散乱するのです。
(猿は柿の実を持ち去ってから食べることもあります。) 

やや遠いため、カラスの種類を見分けられません。 
もしかすると、ハシブトガラスとハシボソガラスの混群かもしれません。 

冒頭から至近距離でガタガタと物音がするのは、監視カメラを固定したオニグルミの木にもカラスが留まったからだと思われます。 
すると予想通り、オニグルミ樹上のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がカメラのすぐ手前を横切りました。(@0:08〜) 
好奇心旺盛なカラスが、トレイルカメラ(見慣れない異物)に興味を示して調べに来たのでしょう。 


シーン2:12/20・午前9:07・くもり・気温3℃(@2:03〜) 
右手前のオニグルミ樹上にハシブトガラス(ハシボソかも?)が止まっていました。 
左の枝にふわりと跳んで移動すると、カーカー♪という澄んだ鳴き声が聞こえます。 
しばらくすると、少し奥の雪面に飛び下りました。

画面右下隅の奥の林縁でカラスが餌を探し歩いています。 
カキノキの下の雪面で落柿を啄み始めました。 
果肉を引きちぎるときは、片足で押さえつけています。 
デジタル処理で1.5倍にズームインしてみると、どうやらハシブトガラスのようです。


シーン3:12/21・午前11:50・くもり・気温11℃(@3:36〜) 
翌日(冬至の日)も昼前に、カラスの群れが来ていました。 
競合者であるニホンザルたちがカキノキ樹上から居なくなると、入れ替わるようにカラスがカキノキ樹上に続々と飛来するようです。 

カラスは早速、熟柿を啄み始めました。 
樹上だけでなく雪原で落柿を採食する個体もいます。 
食事の合間に、足元の雪面や枝で嘴を拭いました。 

嗄れ声も聞こえたということは、ハシボソガラスCorvus corone)も来ているのでしょうか。(@5:00〜) 
ただし、ハシブトガラスもガラガラ声で鳴くことがあるようなので、ややこしいです。 


シーン4:12/21・午前12:05・くもり・気温10℃(@5:36〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
もしかすると、カラスの群れの中にも順位があって、例えば強い個体しか樹上の果実を食べられず、弱い個体は落果を拾い食いするしかないのかもしれません。 
この仮説を検証するには、カラスの群れを一時捕獲した上で全個体を識別できる標識をして長期間観察するしかなさそうです。 

カラスがカキノキの種子散布者かどうか、Perplexity AIを使って検討してみました。

Q1: カラスの糞から柿の種が未消化のまま検出されたことはあるか? つまり、カラスはカキノキの種子散布者か?

A1: 結論から言うと、「カラスの糞から未消化の柿(Diospyros kaki)の種が検出された」と明示した報告は見つからず、カラス類がカキノキの主要な種子散布者だと示す証拠は現状かなり乏しいです。pubmed.ncbi.nlm.nih+2

1. カラス一般の種子散布者としての役割

  • カラス科(カラス類・カケス・ホシガラスなど)は、多くの樹種で散布者として重要であることがよく知られています。academic.oup+1

  • ただしそれは主にドングリ・マツ類などの堅果や大きい種子を嘴で運び貯食する「貯食散布」であり、果実を丸呑みして糞で散布する「内生散布(endozoochory)」とはやや性質が違います。wbsj+1

2. 日本での「カラスの糞中の種子」研究の傾向

  • 日本生態学会の要旨では、ハシブトガラス・ハシボソガラスのねぐら下で糞・ペリットを集めて種子を同定し、季節ごとの利用果実と「糞とペリットで含まれやすい種子サイズの違い」を解析した例があります。[esj.ne]​

  • この研究では春にサクラ、秋にハゼノキやコブシなど複数種の種子が糞やペリットから検出されていますが、抄録の範囲ではカキノキ(Diospyros kaki)への具体的言及はありません。[esj.ne]​

  • また、「種子サイズが大きいほどペリットに含まれやすい=遠くまで飛翔して散布されにくい傾向」が示唆されており、大型種子を内生散布するにはあまり向いていない可能性が示されています。[esj.ne]​

3. カキ属と鳥類による種子散布の既知事例

  • 同属のDiospyros lotus(ナツメガキ)については、哺乳類(ツキノワグマなど)による内生散布が主に調べられており、複数の肉食獣が糞中に未消化種子を排泄し、有効な散布者であることが示されています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • アメリカのタイワンガキ近縁種 D. virginiana では、多数の哺乳類が散布者となり、鳥ではワタリガラスに近縁なアメリカガラス(Corvus brachyrhynchos)が果実を利用するものの、主要な散布者はアライグマなどの哺乳類とされています。[pmc.ncbi.nlm.nih]​

  • つまりカキ類は「いろいろな動物に食べられ、主には中〜大型哺乳類が種子散布者」というパターンが世界的に一般的であり、カラス類は補助的な利用者という位置づけが多いです。pmc.ncbi.nlm.nih+1

4. カラスがカキノキの有効な散布者と言えるか?

  • 大型のカキの種子は、カラスが果肉だけをついばんで種子を落とす・吐き出す可能性も高く、「果実利用者ではあるが種子散布者とは限らない」パターンも考えられます。[pmc.ncbi.nlm.nih]​

  • 少数の種子が丸呑みされて糞から出てくること自体は、十分ありうる(未記載であっても起こり得る)現象です。哺乳類・他の鳥類で同様の例があるからです。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • しかし、現時点で「カラスの糞から未消化のD. kaki種子が検出され、発芽能力も確認された」といった具体的なデータは確認できず、種子散布者としての寄与度を評価した研究も見当たりません。pubmed.ncbi.nlm.nih+2

5. 現状のまとめと扱い方

  • 「カラスが柿を食べること」は観察されているが、「カラスが柿の有力な種子散布者である」とまでは言えない。

  • 「ごく一部の種子を内生散布している可能性はあるが、証拠は乏しく、少なくとも日本のカキノキにおける主要散布者は哺乳類(ツキノワグマ・タヌキなど)とみなすのが妥当」と整理するのが現状のエビデンスレベルだと思われます。pmc.ncbi.nlm.nih+1

もし必要なら、「日本国内でカラスの糞・ペリットから出た樹種リスト」を出している論文や学会発表をもう少し深掘りして、Diospyros属が一切出てこないかどうかを当たることもできます。


Q2: お願いします。確かに糞だけでなくペレットも調べるべきですね。初冬にカキノキに集まり果肉を食べているカラスを観察したのですが、種子散布者かどうか知りたいのです。

A2: 結論として、日本でカラス類の糞・ペリットを系統的に調べた研究では、Diospyros属(少なくともカキノキ D. kaki)ははっきり「利用植物」として出てきており、しかもペリット中に多く含まれていることが示されています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

1. 糞・ペリット中の植物リストにカキノキは含まれるか

  • 静岡市有度丘陵でハシブト/ハシボソガラスの排泄物(糞+ペリット)283個を解析した研究では、16種の植物が同定され、そのうちに「カキノキ Diospyros kaki」が含まれています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • 出現率を見ると、アカメガシワ 47.3%、エノキ 41.7%に次いでカキノキが 29.0%、ムクノキ 27.1%と、かなり頻繁に利用されていることが分かります。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • その16種のうち「カキノキを除く15種では種子や核が含まれていた」と明記されており、カキノキだけは「種子/核は検出されなかった」ことがはっきり書かれています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

2. 糞とペリットのどちらに柿が多いか

  • 同じ研究で、カキノキは「吐き戻し(ペリット)に有意に多く含まれていた」とされ、カイ二乗検定で糞とペリットの偏りが有意(X²=11.72, df=1, P<0.01)と報告されています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • これは、柿を食べたとき、カラスは果肉と一緒に何らかの部分(果皮片など)をペリットとしてまとめて吐き戻すことが多い、ということを示していますが、そのペリットに「柿の種子そのもの」は含まれていなかったと解釈できます。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

3. 礼文島のペリット研究とDiospyros属

  • 礼文島のハシボソ/ハシブトガラスのペリット150個を解析した研究では、14科27種の種子がリストされており、ガンコウラン、ヤマグワ、アキグミ、ヤマブドウなどが主要利用種ですが、このリスト中にDiospyros属は出てきません。

  • 礼文島は分布している木本相自体が本州とはかなり異なるため、単純な「不利用」ではなく「そもそもカキ類が乏しい地域」という可能性が高いです。

4. 以上から言えること(Diospyros属が「一切出てこないか」について)

  • 国内の排泄物解析の代表例では、「植物リストにカキノキ D. kaki は含まれるが、その種子は排泄物中では検出されていない」という形です。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • 一方、礼文島のように樹種の構成が違う場所のペリットリストにはDiospyros自体が出てきません。

  • 少なくとも、現在参照できる範囲では「カラスの糞やペリットから未消化のDiospyros(とくにカキノキ)の種子が検出された」という明示的な報告は見当たらず、「果実利用はするが、種子は飲み込まず、散布者として機能していない」状況を示唆するデータになっています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

5. ご観察(初冬のカキノキでの採食)との対応づけ

  • 有度丘陵の結果と合わせると、「初冬にカラスがカキノキに集まり果肉を食べる」という観察自体は、ごく典型的な行動パターンだと考えられます。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • しかし、その際に種子を丸呑みして遠くへ運ぶというよりは、果肉をついばんで種子を樹下に落とす/枝や周辺に吐き出す、という形が主で、内生散布者(endozoochorous disperser)というよりは「果実利用者だが種子散布の貢献は小さい」タイプと言った方が現状のデータには合います。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​




Q3: 鳥が被食型の種子散布者となるのは、一口で丸呑みできるサイズの果実(液果)に限るのか? だとすれば、柿の実はカラスの口よりも明らかに大きいので、鳥は中の種子を食べずに果肉だけを啄むことが可能かもしれません。


A3: 鳥が被食型の種子散布者になるのは「丸呑みできる液果に限る」わけではなく、実際には

  1. 丸呑みして糞・吐き戻しで散布するタイプと、

  2. くちばしで果肉を潰しながら食べ、多くの種子をその場に落とすタイプ
    の両方が存在します。frontiersin+1

1. 口幅と果実サイズの関係

  • 多くの鳥では「口幅(gape width)と食べる果実サイズ」が正の相関を持つことが示されていますが、「丸呑みできるサイズ以下の果実しか食べない」というほど単純ではありません。[bowdoin]​

  • 実験的研究では、果実を「丸呑みする種(gulpers)」と「嘴で潰す種(mashers)」に分けると、前者はほぼ全部の種子を飲み込み、後者は種子を多く落とすことが報告されています。[journals.uchicago]​

2. 大型果実に対する鳥の典型的な挙動

  • 大型の液果では、多くの鳥が果実全体を飲み込めないため、果肉をついばんで食べ、種子はほとんど摂取しません。royalsocietypublishing+1

  • その場合、鳥は果肉のエネルギーだけを利用し、種子は樹下・枝上・周辺に落ちるため、「被食型の種子散布者」としての機能は弱くなります。[royalsocietypublishing]​

3. カラスと大きな果実

  • カラス類を含むカラス科は、ベリー状の小果実については丸呑みして糞やペリットで種子を散布する「古典的な内生散布」を行う一方、より大きい果実では果肉を裂く・ちぎるなどの「mashers」に近い採食をすることが知られています。sciencedirect+1

  • カラスを対象とした実証研究でも、大型種子ほど糞・ペリットに残りにくく、樹下にばら撒かれる傾向が示されており、「大きい種子ほど飲み込まず落とす」方向にバイアスがあると考えられます。[frontiersin]​

4. 柿の実とカラスの場合の含意

  • 柿(Diospyros kaki)の果実は一個あたりのサイズ・重量が大きく、カラスが「一口で丸呑みする」ことはほぼ不可能な部類に入ります。[en.wikipedia]​

  • したがって、ユーザーがお書きのように「果肉だけを啄んで種子を残す」という採食様式がとても起こりやすい条件です。実際、日本のカラスの糞・ペリット調査では柿の果肉利用は頻繁に検出されるものの、種子は検出されておらず、この推測と整合的です。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

つまり、「被食型の種子散布者=丸呑みできる液果だけ」というわけではないものの、大型果実・大型種子では、鳥はしばしば果肉だけを食べて種子を飲み込まないため、柿+カラスの組み合わせでは、果実利用者ではあっても有効な内生散布者とは言いにくい、というのが現状の知見と一致する見方になります。journals.uchicago+3



Q4: 上記の研究で、カラスの糞やペレットの内容物を調べたとのことだが、どうやって他の鳥ではなくカラスの排泄物だと保証しているのか? 排泄主をDNA検査で同定しているのか? それとも直接観察でカラスが糞やペレット排泄した直後にそれを採集して調べたのか?


A4: カラスの糞やペリットの研究では、主に直接観察と形態的特徴による同定が標準的な方法で、DNA検査はほとんど行われていません。city+1

1. 排泄主の同定方法(主な手法)

  • ねぐら下での新鮮サンプル採取: カラスのねぐら(集団宿泊地)を事前に観察し、早朝(日の出前)に前夜に落下したばかりの湿ったペリット・糞のみを回収。これで他の鳥の混入を防ぎます。[city.kumamoto]​

  • 形状・大きさの判断: ペリットはカラス特有の楕円形・灰褐色で1-3cm程度のサイズが特徴的。他の鳥(ハトやスズメ類)の排泄物とは明瞭に異なります。riishiri.sakura+1

  • 直接観察の併用: カラスが休憩・採食場所に集まる現場で、排泄直後のものを目視確認して採集するケースも一般的です。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

2. DNA検査の有無と理由

  • これらの研究(静岡・礼文島の論文を含む)ではDNA同定の記述が一切なく、形態観察と顕微鏡解析のみで進められています。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • DNA法はコスト・手間がかかる上、ねぐらという「カラスほぼ単独の環境」では不要と判断されるため、採用されていません。[city.kumamoto]​

3. 信頼性の確保策

  • 時間的制約: 日の出前に回収することで、ハトなどの日中活動鳥の排泄混入を排除。[city.kumamoto]​

  • 内容物のクロスチェック: ペリット内の種子・昆虫残渣がカラスの雑食性(果実+動物食)と一致するか確認。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • これにより、他の鳥由来の可能性は極めて低く、研究者間で再現性が高い方法として確立されています。[city.kumamoto]​

ご指摘の通り、この手法で「カラス由来」と保証されているため、柿の種子が検出されなかった結果の信頼性は高いと言えます。[pubmed.ncbi.nlm.nih]



Q5: 初冬にトレイルカメラでカキノキを監視していると、樹上の果実(および落果)をめぐってニホンザルとカラスが競合しているようでした。ニホンザルはカキノキの種子散布者と言えますよね?


A5: はい、ニホンザル(Macaca fuscata)はカキノキ(Diospyros kaki)の有効な種子散布者として位置づけられますが、種子破壊率の高さから「完璧」とは言えません。esj.ne+1

1. ニホンザルのカキノキ果実利用と種子散布の証拠

  • ニホンザルは秋〜初冬のカキノキ果実を積極的に食べ、糞中に未消化の種子を排泄することが複数の研究で確認されています。[esj.ne]​

  • 飼育下実験では、5頭のニホンザルにカキを含む5樹種の果実を与え、排泄種子を数えた結果、種子破壊率は個体差が大きく、果実特性よりもサルの採食技術(噛み砕き方)が影響することが示されました。ndlsearch.ndl.go+1

2. 種子破壊率の問題点

  • ニホンザルの消化管通過中、種子が激しく破壊されるケースが多く(一部個体で高率)、これが種子散布者としての有効性を低下させる要因です。ndlsearch.ndl.go+1

  • しかし、破壊されずに排泄された種子は発芽能力を保持し、二次散布(糞食動物によるさらなる移動)も観察されるため、全体として生態系に寄与しています。[jstage.jst.go]​

3. トレイルカメラ観察(カラスとの競合)との関連

  • 初冬のカキノキでニホンザルとカラスが競合するのは典型的なパターンで、ザルは樹上・落果を丸呑みしやすい一方、カラスは果肉啄み中心のため、ザルの内生散布効率が相対的に高いと考えられます。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • ザルの糞は大量生産され、広範囲に種子を運ぶため、カラスより散布者としての役割が大きいです。[jstage.jst.go]​

4. まとめと評価

ニホンザルはカキノキの主要種子散布者ですが、種子破壊率のばらつきを考慮した「条件付き有効散布者」と見なすのが適切です。カラスとの現場競合観察からも、ニホンザルの貢献度が上回る可能性が高いです。esj.ne+2



Q6: 近くにあるタヌキの溜め糞場を調べると、秋から冬にかけてカキノキ種子が未消化のまま大量に含まれていたので、タヌキがメインの種子散布者だろうと考えています。トレイルカメラでタヌキがカキノキの落果を拾い食いするシーンも撮れていました。


A6: はい、タヌキ(Nyctereutes procyonoides)はカキノキ(Diospyros kaki)の非常に有力な種子散布者です。ユーザーの溜め糞場観察とトレイルカメラ記録は、既知の生態と完全に一致します。kyoto-u.ac+1

1. タヌキの糞中カキノキ種子の検出実績

  • 複数の研究で、タヌキの糞から未消化のカキノキ種子が頻繁に検出され、秋冬の利用が顕著です。例えば、武蔵野地域のタヌキ糞解析では、カキノキ種子が上位(エノキ・マメガキに次ぐ)にランクイン。[repository.musashi.ac]​

  • タヌキは地上採食性で果実中心の雑食を持ち、落果を拾い食いして複数種の種子を高密度で排泄するため、堆積パターンがニホンザルやカラスより広範です。shudo-u.ac+1

2. 種子散布者としての有効性

  • タヌキは種子破壊率が低く(哺乳類中では優位)、溜め糞場という特異な習性で種子を集中散布し、発芽率を高める効果があります。jstage.jst+1

  • 都市近郊林や里山で特に有効で、カキノキのような大型果実を丸呑みし、広範囲(数百m以上)に運ぶことが確認されています。tuat.repo.nii+1

3. 現場観察(カラス・ニホンザルとの比較)

動物採食様式種子散布形式カキノキ適性
カラス果肉啄み中心低(種子非摂取)低い [pubmed.ncbi.nlm.nih]​
ニホンザル樹上・落果丸呑み中(破壊率高)[esj.ne]​
タヌキ落果拾い丸呑み高(高密度・低破壊)高い [repository.musashi.ac]​
  • 初冬の競合現場では、タヌキが夜間活動で落果を効率的に回収し、溜め糞で種子を「貯蔵」的に散布するため、地表レベルのメイン散布者と考えられます。[kyoto-u.ac]​




Q7: 果実を採食する際に、よく噛むかどうか(種子を破壊するかどうか)は動物種によってどのように決まっているのか? 当然、よく咀嚼する方が消化に良いはずですよね?


A7:動物が果実を「よく噛むか(種子を破壊するか)」は、主に食性・消化管構造・種子散布戦略とのトレードオフで決まります。確かに「よく噛めば消化効率が上がる」は正しいが、種子散布者としての役割や進化適応により「丸呑みを選ぶ」種も多いです。esj.ne+2

1. 決定要因:主な分類軸

  • 食性と歯・顎の形態: 肉食・雑食寄り(タヌキ、ニホンザル、カラス)は鋭い歯で果肉を裂きやすいが、硬い種子は避けるか丸呑み。草食寄り(反芻獣)は平臼歯で徹底的に噛み砕き、セルロース分解を微生物に委ねる。umdb.u-tokyo+1

  • 消化管の選択性: 単胃動物は果肉の糖・タンパクを胃腸酵素で速やかに吸収するため「種子は破壊せず通過」が効率的。多胃・発酵槽動物は繊維質を長時間分解するので、細かく噛む必要がある。srut+1

  • 種子保護戦略との相互作用: 植物側が硬い種皮で「破壊耐性」を持つ場合、動物は噛んでも消化しにくく、結果として散布に利用される(例: カキの種子)。kyoto-u.ac+1

2. 「よく噛む」vs「丸呑み」のトレードオフ

戦略例動物利点欠点
よく噛むニホンザル果肉消化↑、栄養吸収↑種子破壊→散布効率↓ [esj.ne]​
丸呑みタヌキ種子無傷、広範囲散布一部消化不良リスク [repository.musashi.ac]​
  • 消化効率優先なら噛むが正解だが、種子散布で利益を得る共生関係では丸呑みが進化的に有利。タヌキのように低破壊・高密度排泄は「win-win」。repository.musashi+1

3. カラス・ザル・タヌキの実例対応

  • カラス: 嘴で果肉啄み(mashing)、種子非摂取=消化効率最優先で散布貢献なし。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • ニホンザル: 個体差大で一部噛み砕くが、破壊率高め(技術依存)。ndlsearch.ndl.go+1

  • タヌキ: ほぼ丸呑み、低破壊で溜め糞散布=散布特化型。[repository.musashi.ac]​

つまり「消化に良い=よく噛む」が鉄則だが、生態系では**「散布貢献>消化効率」**のバランスで種ごとに最適化されています。ユーザーの現場(カキノキ)では、タヌキがこの理想形に近いです。[kyoto-u.ac]





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